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理科の合否を分けた一題

武蔵中入試対策・理科の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

[1] 問1 A  問2 A  問3 C  問4 B  問5 グラフ B  理由 C
[2] 問1 A  問2 C  問3 A  問4 記号 A  理由 A
問5 違い A  理由 A  問6 C
[3]

A…武蔵中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題

出題総評

大問は、物理化学・地学から1題ずつと、恒例のおみやげ問題の計3題、小問にすると、記号選択と理由記述などをバラバラに数えても15題でした。
学校が公開している情報によると、今回の平均点(60点満点中)は、合格者平均38.5点(187人)、受験者平均34.2点(577人)です。
問題のレベルだけを考えれば、もう少し平均点が高くても良さそうなものですので、記述の問題に対してある程度大きな配点がされており、そこでの減点が積み重なっていると考えるべきかもしれません。
また、一昨年までの形式に戻った「おみやげ問題」で、どこまで観察・考察を深められたかも、重要な勝負のポイントだったと思います。

問題別寸評

加熱による水の温度変化という、極めて一般的な出題でした。
比較的得点しやすい問題が多いはずですので、ここはしっかり押さえておきたいところです。

問1

与えられたデータをグラフにするだけですから、落ち着いて取り組めば確実に得点できます。
0分後,14分後,16分後については、室温30℃のときとまったく同じ数値ですから、点をうつときには、与えられたグラフの点に重なるようにしてください。

問2

仮に、問題文を読んだときに何も頭に浮かばなかったとしても、選択肢を見ればすぐに正解は分かったと思います。
これも、確実に得点しておきたい問題です。

問3

少し難しかったかもしれませんが、大問[1]のテーマをつなぐ問題という観点からすると、大変重要な一題だったと言えます。したがって、この問題を今回の「合否を分けた一題」として、後に詳しく説明します。

問4

グラフ自体は見たことがある形でしょうから、何となく正解を選ぶだけならそれほど難しい問題ではないと思います。しかし、きちんと根拠をもって正解を選ぶためには、前問の問3を正しく理解している必要があります。
後の「合否を分けた一題」でも一部解説していますが、室温との温度差が大きい前半は、水温の低下も急激に起こります。また、室温との温度差がなくなると(つまり、水温が10℃になると)、熱の移動がなくなるため、温度は一定になります。

問5

グラフの選択肢自体がヒントになりますから、一つ一つのグラフの違いを見つけ、その違いが起こる理由を考えると、必要な要素が見えてくるはずです。
例えば、水温が0℃のまま変化しない時間の長さによって、約2倍の長さの「あ・い・う・え」と、元のグラフと同じ「お・か」の2つのグループに分けられます。水温が0℃のまま変化しないのは、氷が融けはじめてから融け終わるまでですから、氷の量が2倍になれば、当然融けるのに時間がかかることになります。
次に、一定になる温度が元の温度(点線)より低い「あ・え・か」と、元のグラフと同じ「い・う・お」の2つのグループに分けられます。氷が2倍になった分、最終的な水の量も増えているはずですから、同じ量の湯の熱が、より多くの水に分散することになります。したがって、最終的な水温は、元の状態に比べて低くなるはずです。
最後に、水温が一定になる時間では、元のグラフ(点線)より遅くなっている「あ・い・お・か」と、元と同じ時間の「う・え」の2つのグループに分けられます。氷が融け終わるまでに時間がかかっているわけですし、水の量そのものも増えているわけですから、当然水温が一定になるまでにかかる時間も長くなるはずです。

地層の問題としては、全体的にオーソドックスですし、難しい計算を求められる問題もありませんでしたから、確実に得点しておきたいところです。
記述問題では、どこまで正確にポイントを押さえられたかが鍵となるでしょう。

問1

基本中の基本ですから、確実に得点してください。
さすがにこの問題は、受験者の正答率が限りなく100%に近かったものと思われます。

問2

この問題は少し難しかったかもしれません。
「短期間に隆起と沈降を繰り返した」などと考えてしまった人もいたかもしれませんが、れき岩・砂岩・泥岩の順に規則正しく並び、それも、それだけの深さが変化するような地殻変動が短期間に繰り返されるという状況は考えられませんから、これは違う理由によるものです。
結論から言えば、台風などの大雨による洪水が何度も起こったことによるものです。

問3

これも基本問題と言えるでしょう。
地層ウにはアサリの化石が含まれていたのですから、アサリと近い環境(暖かくて浅いきれいな海)に生息する生物を選べば良いことになります。
クジラは浅い砂浜に生息できるわけがありませんし、コイ・ザリガニ・サンショウウオ・タニシは淡水に生息する生物ですから、ヒトデしか考えられません。

問4

れきの並び方(傾き方)から流れの方向を答える問題は、極めて基礎的な問題です。理由記述では、言葉だけで上手に言いたいことを伝えられたかどうかが問題ですが、決して難しくはありませんので、武蔵中の合格を目指すなら確実に正解したい問題でした。
なお、同様の考え方をするものに、河川が増水したときに倒れた植物の向きから流れの方向を答えさせる問題もありますので、併せて知っておくと良いでしょう。

問5

これもよくある問題なので、見たことがある人がほとんどだったと思います。
火山灰は、火山活動の際に砕け散った細かな岩石が降り積もったものですから、割れたままの形のため、一つ一つの粒が角ばっているのが特徴です。一方、砂岩は、流水のはたらきによって運ばれてきた砂が堆積したものですから、川を流れてくる間に川底にぶつかったり、粒同士がぶつかったりして削られ、粒が丸みを帯びた形となります。

問6

いくつか指摘したい要素があります。それらをどこまで書けたかによって部分点がつく形になるのでしょう。すべてに気づくのは難しいかもしれませんが、一つでも多くのポイントをとらえて、部分点を集めるのが基本戦略です。
書くべき内容は、およそ以下のようなものでしょう。
①アからエにかけて、土地が隆起したか海面が下がったかで、次第に浅くなっていった。
②アが堆積したのは、岸から離れた深海だった。
③おそらくそのころに、大きな力が加わったことで断層ができた。
 (この図だけでは、アが堆積した時期にできた断層かどうかは分かりません。)
④イが堆積したころには、大雨による洪水などで急に水かさが増したことで、大小さまざまな
土砂が流されてくることが何度もあった。
⑤ウが堆積したころは、海岸近くで、あたたかく浅いきれいな海だった。
⑥エが堆積したころには、推進はさらに浅くなり、河口付近だったと考えられる。
⑦近い時期に大規模な火山の噴火があり、火山灰が降ったことでオの層ができた。

入試問題に詳しい人であれば、武蔵の理科と聞けば、毎年恒例の「おみやげ問題(袋の問題)」を連想することでしょう。実際に、2015年は「転写紙」、2014年は「分離した2種類の液体が入った容器」、2013年は「3種類の電気ケーブル」、2012年は「曲がるストロー」、2011年は「発光ダイオードとボタン電池」など、構造や仕組みについて観察し、考察させる問題を毎年出題していました。
しかし、昨年の2016年は、おみやげとして星座早見を配り、それを見ながら一般的な問題に解答させるという異例の出題方式で、このまま入試傾向が変わるのかもしれないと、受験生たちをドキドキさせました。
結果的には、今年は従来の出題形式に戻り、2種類のねじを観察させて、その違いについて考察させる自由記述問題でした。
趣味で、様々な工作やDIYを行っているような人でなければ、2種類のねじの具体的な用途の違いについては知らないでしょうから、その点では差がつかない問題です。
そうなると、少なくともねじを回すための道具の違いや、全ねじ(すべてねじがきってあるもの)と半ねじ(途中までしかねじをきっていないもの)の機能上の違いなどについて、どこまで掘り下げた観察や考察ができたかが勝負になります。特徴をとらえた図がかけるかどうかも、大きなポイントになったかもしれません。

合否を分けた一題

武蔵中の理科といえば、特徴的な「おみやげ問題」への対応方法が「合否を分けた一題」になるというイメージをお持ちの方も多いことでしょう。
前述の通り、たしかに今年の問題は、昨年の「星座早見」のように小問がいくつもある形式のものではなく、伝統的な出題方式に戻りましたので、ある程度配点も大きかったものと予想できます。過去問演習などの準備をしてきた人とそうでない人の差はつきやすかったかもしれません。
しかし、観察したときに気づきやすいポイントがはっきりしているため、よほど深く考察できた人以外は、あまり差がつかなかったのではないかと予想しています。
そうなると、むしろ大問1の出題者の意図を正しく汲み取り、確実に正解できることが合格に直結した可能性が高いと言えるでしょう。

【問題】

[1]

問3

理由として考えられる要素は大きく分けて3つありますが、細かな条件を一つずつ検討すると、解答としてふさわしいのは一つしか残りません。
それらの要素を、一つずつ見ていきましょう。

一つ目は、「ガスバーナーの熱が周囲の空気の温度を上げることに使われてしまうため、室温が低いほど多くの熱が使われる」という可能性です。
しかし、ガスバーナーの炎の大きさやビーカーまでの距離が変わらない以上、同じだけの炎(熱)がビーカーにあたるわけですから、さほど大きな影響が出るとは思えません。

二つ目は、室温が低いことによって、「本来室温と同じ温度になっているはずの金網や三脚、ビーカー等実験器具の温度が低いために、それらを同じ温度にするために熱が使われる」という可能性です。
問2で、金網やビーカーが熱くなるまでに時間がかかったことを、加熱直後の温度の変化が緩やかである理由として選ばせていますので、その流れからすると十分にあり得る答えです。
しかし、問題文の中で、「室温以外の条件はすべて同じにしました」と断っている以上、実験器具の温度条件も同じになっていると考えるべきだと思います。

三つめは、「ビーカー内の温度と室温との温度差の影響」です。
熱は、高いものから低いものへと移りますから、その温度差が大きいほど、熱の移動スピードが速くなります。つまり、室温が低い10℃の場合の方が、ビーカーから空気中に熱が逃げやすくなるのです。
特に、加熱開始直後の20~30℃の時については、室温30℃なら空気中からもビーカーに熱が移動することになりますが、室温10℃の場合には、ビーカーから空気中へ熱が逃げていくことになるのです。
そのように考えると、加熱開始時の水温20℃に対して、室温を10℃・.30℃の設定にした出題者の意図も理解できます。

したがって、正解(例)は、
室温30℃の場合は、最初は空気から水に熱が移動するが、室温10℃の場合には、最初から空気中へと熱が逃げてしまうから。
となります。

この理屈で考えると、次の問4で98℃まで熱した水を金網から降ろした後の温度変化についても、温度差が大きい初めの頃の方が、急激に水温が下がることになります。しかたがって、「あ」や「お」はふさわしくないことが分かるでしょう。

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