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A…武蔵中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題
「体の一部を表す言葉」を使った慣用表現を完成させる記号選択問題です。
人物関係(家系図)を完成させる問題です。
平成27年度の慶應中等部においても「家系図の空欄を埋める」設問がありましたが、決して一般的なものではありません。驚いた受験生は多かったのではないでしょうか。ただ、解答の根拠となる部分は検索しやすかったはずです。「…千夏おばさんの子どもは奈緒さんひとり…行雄おじさん…には高校生と中学生の男の子…」と明確に説明されています。
心情理由を具体的に説明する記述問題です。
傍線部を含む文の直前の台詞を確認しましょう。「…おとうさんにお願い…おばあちゃんのうちにきて…三人で泊まろう…」とあります。さらにその手前を確認すると、「おとうさんとおかあさんは…口をきいていなかった…仲直りをしてほしい」とあります。これらによって、「何を期待していたのか」は明確になるはずです。さらに、傍線部の直後の文も確認してみましょう。「期待していたことが実現しやすい」という意味ですから、この内容も傍線部(「ウキウキして…」)の理由として含めることが出来るでしょう。このように、説明するべき内容の確認じたいは決して難しいものではありません。しかしながら、それを分かりやすく整理する謂わば「編集作業」はなかなか大変かも知れません。つなぎ方で悩む場合は、無理して一文にしようとはせず、二文以上に分割するのが賢明でしょう。
台詞によって示された事実を具体的に説明する記述問題です。
まず傍線部の直前を確認しましょう。「…疑りぶかかった…田中さんが聞いたらおこる…」とあります。「田中さん」は主人公「健斗」のお父さんです。つまり、健斗からすると「お母さんがお父さんを疑った」ということが明らかになります。この具体的な内容が確認できる場所に戻ると、「…何時になったとしても、おとうさんは…きてくれる…。ところが、おかあさんは…疑っていた。『本当…かしら…徹夜になりそうだなんて…送ってくるかも…』」とあります。あとは台詞表現を直せば解答できます。
「合否を分けた一題」として解説します。
心情変化の理由を具体的に説明する記述問題です。
傍線部付近の表現では直接的な解答根拠が得られません。まずは傍線部の内容をじっくり確認することから始めましょう。「『このごろ…きょうだいなんだっておもう』」とあります。かつては「年が離れているからきょうだいという気がしなかった」わけです。それが変化した「きっかけ」は、「このごろの何か」ということになります。そうなると、これはもう「倒れた母親の介護」しかありません。では、「きょうだい(と実感する)」とはどういうことなのか。「共通する何か」があるということですね。もちろん、それは「母親への気持ち」です。ここで、それがうかがえる表現を思い出せるでしょうか。「おばあちゃん(母親)が頭を動かした」直後を再確認しましょう。「千夏おばさん…おかあさんも…正座をして…」、「千夏おばさんは…深々と…おかあさんも…同じようにおじぎを…」とあります。
漢字の書き取り問題です。
様子や言動の理由となる心情を説明する記述問題です。
解き方の手順
①傍線部の「あわてて弁解…」が何に対するものなのかを確認しましょう。傍線部の5行手前の台詞(「そんなこと言っても…おかあさんにもう一度…もらいたいんじゃないの」)です。この台詞によって「本当の気持ちを言い当てられた」わけです。
⇒「元気になってほしいと願っている気持ちを、お母さんから指摘された。」
↓
②この台詞の中の指示語(「そんなこと」)の内容を確認しましょう。心情が分かる言葉を拾っていくと、「…顔を見るのもイヤだった…もういいかげんにしてほしい…」、「…薄情なようだけど…」といった表現が目にとまります。
⇒「おばあちゃんに対する不満」
↓
③最後に心情を表す言葉を考えましょう。傍線部の「あわてて」は、心の状態を表す様子の言葉ですが、その理由も「心情」で説明するほうがよいでしょう。
⇒「はずかしい」
↓
④解答要素を整理します。
⇒「おばあちゃんに対する不満をもらしながらも意識を回復して元気になってほしい
と願っている気持ちをお母さんから指摘されて、はずかしくなったから。」
※傍線部には「千夏おばさん…」とあります。主人公の「ぼく」の視点から語られているため、解答の「人物を表す言葉」も主人公からの視点によるものにしています。
この問五は、他の記述設問とは異なり「解答欄」が用意されています。「三行以内で」という指示もあります。これは、もともと「具体的に長く説明する答え方」をよしとしていた出題傾向のなかで、「これは簡潔に答えてほしい」という意図の表れなのではないかと推察されます。言葉をつくして長々と答えるだけでなく、短くまとめる練習も必要になってきていると言えるでしょう。