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国語の合否を分けた一題

武蔵中入試対策・国語の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

問一①A ②B 問二B 問三A 問四B 問五A
問六B 問七すべてA

A…武蔵中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

中脇初枝の文章より、特攻隊搭乗員だった西島伍長と、沖永良部島の「ぼく」「カミ」との交流を描いた物語が出題されました。学校の問題そのものには明記されていませんが『神に守られた島』という小説が元となっており、2019年度入試では桜蔭中も同じ文章から出題していました。舞台が現代ではなく、言葉遣いも独特ではありましたが、物語文の読み方・解き方に従って正しく進めていけば十分に対応できる問題が多かったと思われます。

問一


比喩表現の内容を読み取る問題です。
特攻隊というものをもともと知っていれば答えやすい問題ですが、知らなかったとしても、伍長がここまでの場面で「壊しちゃった」ものといえば、彼が乗ってきた飛行機しかありませんので、それを答えれば問題なく正解できたことでしょう。

問一


比喩表現の意味を答える問題です。問一で答えた飛行機が、どうして「棺桶」にたとえられているのかを答えます。棺桶というのは亡くなった人を納めるものですね。この飛行機がどうして棺桶にたとえられるのかというと、特攻隊というのは、搭乗員が死ぬ前提で出撃するものであり、彼らはその飛行機の中で死ぬべきであるとされていたからです。

問二

「カミのあま」の行動の理由を書いて説明する問題です。
基本的な心情記述の形で書くことができるので、是非しっかりと答えていきましょう。「イチみー」の葬式というのは、「カミのあま」にとっては息子の葬式です。また、注釈より、イチみーは特攻隊員として=戦争のために亡くなっていることが分かります。戦時中であるがゆえに、亡くなった息子のことを強く悲しんだり、戦争のことを悪く言ったりはできなかったために、みんなが「しかたがない。」と諦めていたという背景がわかります。また、「自分に言いきかせる」という表現からも、それが本当に「カミのあま」の本心ではないということも読み取り、解答に含められるとなおよいでしょう。

問三

「ぼく」が「しかたない」と言っていることの内容を答える問題です。
「ぼく」はこの発言を「伍長をなぐさめるように」言っているので、何か彼の失敗をフォローしようとしているのだと分かります。ヒントになるのは「アガリヌヤーのおじいさんも」という部分ですね。本文の最初の場面で、伍長の飛行機は「アガリヌヤー」のウム畑に不時着したこと、そして畑が「見る影もな」いほどに荒れてしまったということが書かれています。この部分を使って答えることができれば正解できるでしょう。

問四

伍長が「これは、呪いだと思ってる」ことについて、その理由を答える問題です。
傍線部に指示語がありますので、まず「これ」というのが、挺身隊の女学生たちからもらった人形であることを確認します。そして、伍長がこの人形について「作ってくれたんだ。特攻の成功を祈ってね。」「成功って、死ねっていうこと。死ねという呪いなんだよ。」「みんなね、聖光尾を祈ってくれる。上官も、整備兵も、…みんな。ぼくが本当に神になれるように。死んで神になれるように」と言っているので、この部分を使って説明していきましょう。

問五

「伍長」の言葉から、「ぼく」が何を理解したのかを答える問題です。
まずは、該当する伍長の言葉と、そこまでのやりとりを確認しましょう。
「ぼく」は、特攻隊の人たちが自分の島を守ってくれていることに対して、感謝の気持ちを抱いていました。ところが、伍長はそれは島を守るためではなく、自分たちの飛行機の翼が、敵機から見えにくくなるからという、実用的な理由でしかないのだと説明します。つまり、伍長は暗に「特攻隊員たちは別に島民たちを守っていたわけではない」と告げたことになります。

問六

合否を分けた一題で解説します。

問七

漢字の書き取りです。全問正解を狙いましょう。

合否を分けた一題

問六

「わらいながら、そうつぶやいた伍長は、もう、神さまじゃなかった」と「ぼく」が思った理由を説明する問題です。
正しく答えるためには、大きく二つのポイントをつかんでいく必要があります。

①伍長の心情変化を正しく追いかける
淡々と「ぼく」と話していたように見えた「伍長」ですが、話の終盤では大きく気持ちの変化を見せています。
まず、仲間たちと同じように特攻隊員として死ななければならなかったのに、島に不時着し生き延びてしまった自分自身への怒りや嘆き。
それが、「カミ」の「ここにいれば?」という大胆な言葉に「はっと顔を上げ」、ここにはまったく予想していなかったことを言われて驚いている伍長の気持ちが読みとれますね。
そしてその無邪気な優しさに心を打たれながら、笑いだします。そして、先ほどまでとは打って変わって「生きててよかった」とつぶやくのです。

②「ぼく」がそれをどうとらえたのかということ。
「ぼく」はそれまでは特攻隊の兵隊のことを、他の人たちと同じように「神さま」だと思っていました。神さま扱いをするということは、自分たちのような普通の人間とは違う存在だとみなしていたということです。それが、①で確認したように大きく感情を動かす伍長の姿を見て、そして、「死ななければならなかった」と考えていた伍長が「生きててよかった」とつぶやいたことによって、「ぼく」は、「もう、神さまじゃなかった。」と認識を改めたのです。つまり、先ほどまでとは逆に、「この人も自分たちと同じく人間なのだ」と思った、といった内容を答えられれば正解です。

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