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国語の合否を分けた一題

武蔵中入試対策・国語の合否を分けた一題(2020年度)

難易度分類

問1 B 問2 A 問3 B 問4 B 問5 A
問6 B 問7 B 問8 A 

A…武蔵中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度・処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題

総評

例年同様に、素材文が一題のみの出題でした。論説文や随筆文が一題という年度もありますが、今年はストレートな物語文が扱われました。問題数としてはほぼ例年通りで、記述が6題、言葉の知識が5題、漢字が7題という構成です。昨年度は全く出題されなかった言葉の知識問題が今年度は復活しています。比較的平易な慣用句の問題なので、とまどう受験生は少なかったものと思われます。武蔵中学は素材文の分量が多いため、素早く読み取ることが求められます。また、記述問題は文字数制限がなく、おおむね100字程度の内容が求められているので十分に記述の練習をしていないと時間内にすべてを書き切るのは難しいでしょう。問題数が少なくても時間勝負の要素が大きいので素早い処理が求められます。また、記述問題はすべて視点人物(主人公)についての心情記述なので取り組みやすくはあります。しかし、素材文の文章を抽象化したり、逆に具体化したりという作業が必要なため、豊富な語彙力や的確な心情・状況把握が求められます。特に素材文で抽象的・比喩的な表現がされている内容を具体的に説明しなければならない問題は、多くの中学受験生が苦戦するものです。素材文そのままを書くわけにいかないので、自分の頭で文章を作り出すことが求められます。さすが御三家の一角、という高度な内容です。

問題別寸評

宮下奈都の文章より

問1

本好きだった「僕」が、いまは本屋に行かなくなってしまった理由を問う心情記述の問題です。「母が死んだことで、本を読もうという気にもなれない」というのが芯になりますが、これだけなら多くの受験生が書けるでしょう。ポイントは「母が死んだこと」と「本を読む気になれない」という二つをどう結びつけるかです。本文には「世界は色を失った」や「感覚も鈍った」など、比喩的な表現しかされていません。これをそのまま記述に書いてしまうのは、説明不足と見なされるでしょう。そのため、この部分をもう少し具体化した表現が必要です。「周囲のものに対する興味がうすれ」や「生活の実感が失われ」などという書き方ができれば、十分良い答案と言えるでしょう。また、「本屋が死んだ母を思い出させる場所」であることも盛り込めれば完璧な回答です。

問2

なぜ「はずかしい」のかを問う、心情記述問題です。問1に比べれば、こちらの方が書きやすいと思います。本文に「彼女を見ていることが知られるだけでもはずかしくて」とありますので、この文を含めた前後数行の内容を抽象化してまとめればOKです。「相手に興味を持っていることが、その相手に知られる」ことが「はずかしい」という点が押さえられていれば半分以上の点数はもらえるでしょう。

問3

抽象的な表現になっている心情描写を、具体的に説明させる記述問題です。詳しくは、最後の「合否を分けた一題」で詳しく解説します。

問4

問3に続いて、抽象的な内容を具体的に説明させる記述問題です。ポイントは「彼女に悪いような気がした」という表現を、なにがどう悪いのか、具体的に記述できるかです。「僕」は「中村さん」のことをあれこれ聞かれるのではないか、と心配しています。しかし、もし「中村さん」のことをごまかすようなことを言ってしまうと、「中村さん」を否定することになってしまうのではないか、と思っているわけです。それでは、自分に親切にしてくれた「中村さん」に対して申し訳ないと感じる、ということを押さえましょう。

問5

「鼻」を使った慣用句を5つ答えさせる問題です。カッコ内の意味になるように言葉を入れますが、すべてひらがなで、さらに文字数指定もあるので比較的平易です。中学受験の勉強をしていれば普通に知っているものばかりですので、確実に正解したい問題です。

問6

比喩的な心情表現を具体的に記述させる問題です。「くすぐったい気分」という部分を、どんな心情語に置き換えて書くかがポイントです。「くすぐったい気分」という表現に、ふたつの心情が混ざっていることを見抜きましょう。ひとつは「うれしい」、もうひとつは「照れくさい」です。どちらか片方だけでは、説明不足ということで減点されるでしょう。また、この心情になったきっかけは、周りの友人たちの言葉ですが、これも「みんながほめてくれる」「みんながはげましてくれる」などと抽象化する必要があります。

問7

心情や状況の変化を記述させる問題です。ポイントは2つあり、ひとつは「本」そのものに対する心情の変化。もうひとつは、周囲の友人たちとの関係の変化です。どちらか片方しか書けていない場合は、半分以下の点数になってしまうでしょう。素材文の冒頭で「世界は色を失った」という表現がありますが、「彼女のすすめてくれた本」を通して「ぼく」の世界は再び色を取り戻します。では、具体的に何をどう取り戻したのか、その点を意識して記述する必要があります。

問8

標準的な漢字の問題です。「書き」の問題だけで6題の出題ですが、難しいものはありません。これも7題すべてを確実に正解したいです。

合否を分けた一題

問3

中盤の問題ですが、この辺りでしっかり点数をとれたかで差がつくと思います。文字数指定はないですが、きちんと状況を説明しようとすると、100字前後の内容になるはずです。
記述のポイントは2つあるので、以下に解説します。

考え方

傍線部は「やっぱり。面倒くさいことになった」ですが、これが「どういうことですか」と問われています。説明すべき点は2つあり、
① 何がどう「やっぱり」なのか。
② 何がどう「面倒くさい」のか。
ここを明確に説明できないと、高得点は狙えません。

「やっぱり」と言うからには、そうなることを予期していた、ということです。では、「ぼく」は何を予期していたのでしょうか?傍線部の前日の場面で起こった出来事をまとめましょう。

上別府に女の子と一緒にいるところを見られた
 ↓
ひやかしたり、からかったりされるのではないかと心配した

これが「ぼく」の心配していたことです。
「ひやかしたり、からかったりされるのはいやだ」という文章が、傍線部のすぐ後に出てきます。
前日の場面では「決まりが悪い」や「いろいろとまずい」という抽象的な表現になっていますが、これをより具体的に表現したのが「ひやかしたり、からかったりされるのはいやだ」と考えていいでしょう。

そして、翌日の場面で上別府から前日のことについて話しかけられます。これが、傍線部の部分ですね。

心配していた通りに、昨日のことをきかれた
 ↓
予想通りだった=やっぱり

ここまでが書けて、これでようやく「やっぱり」という言葉の説明になります。
「予想通り」「案の定」というような言葉につながるように意識しましょう。

あとは、何がどう「面倒くさい」のかですが、ここまでわかれば「面倒くさい」ことの内容はすでにはっきりしています。
昨日のことについて、あれこれと詮索されたり、からかわれたりされるのを避けたいのですが、そんなことを考えること自体を含めて「面倒くさい」ということですね。
傍線部の直後でも、「放っておいてくれ」とあります。
少し抽象的にまとめるなら、触れて欲しくないことを話題にされてしまった、ということです。

なお、中村さんから上別府のことをたずねられた場面でも、「ぼく」は「少し、面倒だった」と言っています。「ぼく」は他人との関係をあれこれ詮索されるのが好きではないというのが、この場面からもわかります。

以上のことをまとめると、次のような文章になります。

解答例

前日の放課後に、女の子と一緒に歩いているところを上別府に見られてしまい、それについてひやかしたりからかったりされるのではないかと心配していたが、案の定、上別府から前日のことについて話しかけられ、話題にされてしまったということ。(113字)

ここまで書ければ、どんなに厳しく採点されても7割以上の点数はもらえるでしょう。

学校側の発表によれば、今年の国語は受験者平均61.6点、合格者平均67.8点ということです。できれば7割確保を目標にしたいです。そのためには、漢字・語句の間違いは2問以内で押さえること、記述は全問解答し、△でもいいので半分以上の点数はつくようにすること、この2点を満たすことが必要です。地道な練習を積み重ねましょう。

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