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理科の合否を分けた一題

渋谷中入試対策・理科の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

[1] 問1A  問2A  問3A  問4B  問5A 
[2] 問1B  問2B  問3A  問4A
[3] 問1B  問2B  問3A  問4B 問5A

A…渋谷学園渋谷中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

全般的分析

2016年度の渋谷学園渋谷中学理科の問題は、[1]は溶解度の問題でしたが、化学分野をある程度訓練していた受験生にとっては易しかったかもしれません。長いリード文がありますが、読み込む必要はありませんでした。[2]は火山に関する問題でしたが、問1以外はその場で考えていかねばならず、渋谷学園渋谷中らしい問題でした。[3]は環境と生物の問題でした。資料と図を照らし合わせて選択肢を潰していかねばならず、時間との勝負になりました。

ここ数年では最も難易度が高く、[2]と[3]の分析力で差が出たと思います。

問題別寸評

[1]溶解度
問1A(重さを量る。結果は150g)

易しい問題です。
「味を調べる」、「水を蒸発させる」以外の方法でと言われているので、「重さを量る」が思い浮かんでほしいところでした。

「味を調べる」という方法は砂糖水や食塩水でなら可能な方法ですが、何が溶けているか分からない場合の方が理科の実験では多いので、避けた方がよい方法です。危険です。

また、「水を蒸発させる」という方法も固体が溶けている場合には使える方法ですが、溶けている物質が液体、気体の場合は使えない方法だと思ってください。

問2A(エ)

易しい問題です。
エ以外の選択肢は考えられません。
物が水に溶けた状態は、透明になり、濃さが一様になります。
ソースや醤油や牛乳は透明ではないので、物が水に溶けているとは言えません。透明にならない大きさの粒が水に浮いていると考えて構いません。

問3A(27.5g)

易しい問題です。
絶対に答えてはならない答えが「37.9g」です。

表に書かれているのは水100gに溶ける食塩の量であって、100gの水溶液では決してありません。

ですので、80℃のとき
100gの水に37.9gとけるので、80℃の飽和水溶液100gを

水100:食塩37.9の割合で水と食塩を分けるという問題です。

よって、100×37.9/137.9=27.483・・・・

小数第2位を四捨五入し、27.5gが答えとなります。

問4B(7.7g)

100gの水溶液の水が一部蒸発し、82.7gになっています。
もともと水は100-27.5=72.5gでした。

蒸発した水は100-82.7=17.3gです。

よって、水の量は72.5-17.3=55.2gです。

20℃のとき
100gの水に35.9gの食塩がとけるので、

55.2gの水にどれだけの食塩がとけるかというと

55.2×35.9/100=19.81…となります。

したがって、27.5-19.8=7.7gが固体として出てくることになります。

計算は面倒ですが、難しいとまでは言えない問題です。

問5A(ミョウバンの結晶が溶かした量よりもなぜ増えているのか?)

実験3と実験4の表の結果からミョウバンは11.7gしかとけていないのに、後日、出てきたミョウバンの結晶は21.5gというのは奇妙な現象と感じてほしいところです。

ミョウバンの結晶は、キレイな正八面体をしており、結晶化するにあたり、結晶の中に水を取り込むので重くなります。

[2]火山
問1B

合否を分けた一題で扱います。

問2B(イ)

プレートの動きを考える問題ですが、間違えた生徒のほとんどがエの選択肢を選んだと思います。

確かにエのような道を山や島が動いて行ったように見えますが、プレート全体で考えると最初に縦方向に動き、のちに横方向に動いていなければ、つじつまが合わなくなることを理解してください。

問3A(7cmから10cm)

問2と連動しています。

図3から4000㎞÷4000万年=10cm/年

図4から2000㎞÷(7000万年―4000万年)=6.666・・・・cmより四捨五入して7cm/年

もし間違えてしまったとしたら、「10cmから7cm」だと思いますが、7cmで動いていた方が古い年代なので、こたえは7cmから10cmになります。

問4A(348㎡)

計算さえ間違えなければ易しい問題です。

ミッドウェー島が3000万年で浸食された面積は10432㎢―6.2㎢=10425.8㎢です。

10425.8㎢÷3000万年=347.5・・・・㎡になるので四捨五入して348㎡が答えとなります。

[3]環境と生物
問1B(ウ)

オオカナダモが分布しているB、D、F、G、Hをつぶさに観察します。

Bは家と工場に挟まれ、湖から遠い地点

Dは家に挟まれ、湖から近い地点

Fは家があり、湖から相対的に近くも遠くもない地点

Gは家と工場に挟まれ、湖から遠い地点

Hは木々に囲まれ、湖に遠い地点

全てを総合考慮すると、工場と家の近くで繁殖しやすいということになります。

問2B(エ)

この問題はオオカナダモとクロモの分布調査表だけを見ると間違えてしまう問題です。

なぜなら、オオカナダモはA、C、Eでは生育本数が0だからです。オオカナダモはどの地点でも生育できるが誤っているように思えるのです。

しかし、エゲリアくんの実験の結果オオカナダモは、A地点の水でもB地点の水でも生きていることが出来ていることより、オオカナダモはどの地点でも生きていけると言えます。

一方、クロモはB地点も水では生きていけないこと、また、生育本数分布表から家や工場が多い地点では生育できないと結論付けられます。

問3A(アメリカザリガニがオオカナダモをはさみで切り、切られたオオカナダモが根付くから)
問4B(ア)

選択肢アは工場と家に囲まれた地点Bと地点Gを比べます。
地点Bのほうがアメリカザリガニがおおくオオカナダモも多いので間違っていません。

選択肢イは林に囲まれているA、C、E、Hとアメリカザリガニの個体数を比べます。Hでは若干、オオカナダモが生育していますが、オオカナダモとアメリカザリガニの個体数に相関関係はありません。

選択肢ウのアメリカザリガニの個体数が多いところはオオカナダモの生育数が多いとありますが、アメリカザリガニの個体数が多いのは地点Bと地点Fであり、地点Fにはオオカナダモが多いとは言えないので誤りです。

選択肢エは迷うところです。一見関係ないようにも見えますが、無関係とはいえません。

問5A(反対、アメリカザリガニだけを好んで食べるわけではない以上、日本の固有種まで食べつくし、生態系がくずれるから)

合否を分けた一題

[2]火山
問1B(①安山岩、②流紋岩、③玄武岩)

火山岩を色と粘り気で判断する問題です。正確な知識が求められました。

まず、火山岩は火成岩のうちで、地表近くでマグマが急に冷さえて固まった岩石のことをいいます。流紋岩(白っぽい)、安山岩(灰色)、玄武岩(黒っぽい)が挙げられます。

一方で、マグマが地下深いところでゆっくり冷やされた岩石を深成岩といい、花こう岩(白っぽい)、閃緑岩(灰色)、斑レイ岩(黒っぽい)が挙げられます。

粘り気が強いマグマは白っぽい岩石になり、粘り気が弱い岩石は黒っぽい岩石になります。

また、粘り気の弱いマグマでは噴火の様子は穏やかで、楯状の火山となり、ハワイ島などがあげられます。

マグマの粘り気がやや強くなると、噴火の様子もやや激しくなり、溶岩と火山灰などが交互に重なる成層の火山が形成されます。富士山、浅間山、桜島などが挙げられます。

マグマの粘り気が強くなると、噴火の様子も激しくなり、溶岩が盛り上がり溶岩ドームを形成することがあります。昭和新山、有珠山、雲仙普賢岳が挙げられます。

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