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理科の合否を分けた一題

渋谷中入試対策・理科の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

問1 B  問2 B 問3 A  問4 A  問5 A  問6 C
問1 C  問2 A 問3 B  問4 B  問5 C

A…渋谷学園渋谷の合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

御三家に負けず劣らず難問を繰り出してくる渋谷学園渋谷ですが今年も例にそれずちょっとすんなりとはいかない問題が多かったように見られます。問題数が少ないので一問取れなかった時の失点が大きいため落ち着いて解かないといけない年度でした。
化学分野の問題は、本年度はありませんでした。
生物分野の問題は、架空の湾と川における環境問題を考える問題。
地学分野の問題は、気象範囲に入る湾での対流について。
物理分野の問題は、物体の動きに関してかかる力と動きとの関係の問題。
本年の時事的な内容はありませんでした。
対策としては、問題文からの情報を処理してどのようなことが言えるか推測されるかを文章化する能力が必要となるので理科の記述というよりも理由をいくつか列挙してその中のベスト解答を提出するという感じが近いようです
問題構成は、3分野から大問2題、小問14問。大問1で生物・地学、大問2で物理を問うています。
理科の配点は50点(30分)ですから、一部組んでの採点としても、ほぼ1問4点と考えてよいでしょう。
解答形式は、選択肢が5問、記述が5問、言語が1問、作図がなし、数字が1問でした。
記述は、20字程度が2問、50字程度が2問で、平年並みです。
記号選択の問題も含めて、計算を要する問題は1問とかなり少なくなっています。問題の少なさから時間が余ることを考えますが状況を理解するのに時間がかかるのでそれほど余裕ができないかと思います。

問題別寸評

(生物)架空の湾における環境について。

問1

海の水の対流について。
温度差によって体積が変化する流体に温度差と重力があると熱を受ける方向によって対流が発生します。下から加熱される場合は下にあるものが軽くなってゆくので上に移動しますがすでに上のほうが温度が高く軽くなっている場合は密度の逆転が起きず対流は起きません。昔の流れの無いお風呂を焚く場合の水面近くの水だけが暖かくなることと同じです。

問2

水温躍層について。
温度の違いありますが川の水は淡水なので通常の海水よりも密度が低く軽くなっています。それが海に流れ出る河口の近くでは海面近くに軽い淡水が集まりさらに太陽光によって温められてさらに軽くなり海面にたまってゆきます。よって海水と淡水の違いつまり塩分の違いが生まれます。

問3

海水中の酸素の供給源について。
海に生きる動物のうち哺乳類以外は水中に溶けている酸素を吸って生きています。海水表面の波による攪拌で取り入れられる分のほかには植物プランクトンの光合成による酸素の供給が一般的です。

問4

プランクトンの仲間について。
エビの幼生がプランクトンというのを知っている人は多いと思いますが(しらすの中に混じっている小さなエビ)文章中からは「水の流れに逆らえない」と書かれているので大きさに関係なく移動力がとても弱いのはクラゲが該当します。

問5

水深と酸素量とのグラフの読み取り。
上の層に植物プランクトンが多く光合成が多く行われ酸素が多くなっている。一方下の層では川から流れてくる汚れがたまり、それの分解に酸素が使われるため酸素の量は少なくなっている。この境が水温躍層にあるためある深さで急に酸素濃度が減少することが考えられる。よって答えはア。

問6

→合否を分けた一題参照。

問7

臭いがしてしまう地形の条件の推測。
貧酸素層から硫黄分が上昇することによって硫化水素の腐乱臭がしてくることが原因。

問8

エルニーニョ現象について
(1)海面温度が高くなる「エルニーニョ現象」はよく聞かれますのでしっかり答えられるようにしておこう。また海面温度が低下する「ラニーニャ現象」とともに覚えておこう。
(2)海面近くに深いところの栄養が上昇してプランクトンが増えやすい環境ができるのだが、その循環が起きなくなると栄養の不足が起きてプランクトンが増殖しにくくなると考えられる。そのため小型の魚類も増えず結果的に魚が取れなくなってしまうと考えられる。

(物理)いろいろな力のかかり方について。
登り棒やプロレス、体重計などいろいろなちからのかかり方を考えてみる問題。

問1

頭突きの方法について。
頭突きがプロレスなどで見かけるといわれていますが最近はテレビでもあまり見かけないのでなかなか体験として知っている人や見たことのある人は少ないかと思われます。 力のかかり方に着目して頭で相手をつくことを考えると自分の頭を相手に勢いよく打ち付け、そのまま力をかけ続けると首に体重がかかり自分にもダメージが発生してしまいます。そのため打ち付けてすぐに引くことが相手だけにダメージを与える方法と考えられます。

問2

登り棒について。
鉄の棒をつかんで上る「上り棒」を登るためには棒をつかんで腕を曲げて体重を引き上げることが必要ですが、手のひらと登り棒とに摩擦があって体重よりも摩擦力が大きければ体は引き上げられるが摩擦が小さくなると腕が曲がるだけで体は持ち上げられなくなるはず。登れなくなる条件は棒に油をつけて摩擦を体重よりも小さくしてしまうと登れなくなってしまいます。

問3

滑車の問題集とは異なるパターン。
滑車は一本のひもにはどこも必ず同じ力がかかるため問3のような形にすると糸には物体の重さ1つ分がかかるが、はかりの上の滑車には左右2つの力がかかり滑車10㎏と物体2つ分の2㎏で合計12㎏の力がかかります。

問4

体重計上で動いたときにはかりの読みについて。
仮にとても素早く足を折り曲げて体が下に下がるよりも早く足を曲げたとするとほんの少しの間ですが体重計から足が離れる瞬間ができるはずです。もしそうなるとしたら体重計の針の読みは0kgになりますが実際はそれほど素早く足を動かせません。しかし足は曲げるだけで体にかかる力が小さくなります。体がほんの少しだけ落下するのと同じ状態になります。このように体重計の読みは軽くなると思われます。

問5

架空の道具の合理的な分析について
漫画「ドラえもん」に登場する架空の道具「タケコプター」の問題点はプロペラが一方向に曲がるとそれに対して本体が逆に回ろうとする「反作用」があることが問題です。例えるとバットを振ると振る方向とは逆向きに体が動かされるようなことが起こるのではないかと想定されています。そのためこの場合は同じタケコプターを体の重心に対して対称な点、例えば両肩に着けるとそのねじれを打ち消しあって飛べるはずだと考えられます。

合否を分けた1題

前日の気象の推測。
問題文の最初から全般にわたって必要な内容を拾い集めて答えを出さなければいけない広い視野を持たないと解くことができない問題だと思われます。
後半の設問でありながら問題文の最初に書かれていたことを考慮に入れて季節、プランクトンとの関係、海水のつくる層について、地形、前日の気象現象、と複雑なことから導くために文章全体を把握している必要があります。会話文の中の情報なので小説などを読んでいる人は条件整理がしやすかったかもしれませんね。

問6

文章の冒頭に「9月の休日」「昨日とは打って変わって、今日はいい天気だね」ということと直前の物理的な力という文から風でかき混ぜられるような激しい気象現象であると推測される。9月ということを考え、2文字という指定から「台風」と考えるのが妥当とおもわれます

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