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国語の合否を分けた一題

早実中等部入試対策・国語の合否を分けた一題(2021年度)

難易度分類

問1 全てA 問2 A 問3 A 問4 A 問5 両方C 問6 A 問7 B 問8 A
問1 両方A 問2 両方B 問3 A (A) B (B) A
問1 (1)B (2)A (3)B 問2 ①A ②B ③B ④A ⑤A

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

今年度も早稲田実業は大問三つの構成となっています。大問二は抜き出しと選択肢を含む短い記述中心の大問となっており、前年までみられた長文の記述はなくなっていました。
大問一は貧しい主人公と裕福な親友との対比が印象的な物語でした。主人公と親友の環境の違い、価値観の違いといった部分を捉えながら読んでいくと問題を解きやすかったのではないかと思います。
大問二も対比の構図がわかりやすい文章でした。筆者のいう「地図のある登山」が「未来予測を得られる」であり、「地図のない登山」が「未来予測を得られない」であることを把握し、筆者がどちらを良いと考えているかを読み取って問題に答えていきたいところです。
大問三は慣用句、ことわざ、漢字の問題です。

問題別寸評

問1 

今まで一度は見たことがあるものばかりだと思います。確実にとりたいところです。

問2 

台詞から主人公の心情を二つ選びます。傍線部直前にある自分の住んでいる環境との対比をヒントに考えたいです。

問3

台詞から石田の様子を選びます。直前の主人公の台詞を聞いても傍線部直後の石田の台詞からは主人公を気にしている様子は見られません。

問4

洪水についての二人の考え方の違いを答える問題です。石田は傍線部の直前「壮大で、逞しくて」と洪水の時の川を見た印象を語っており、直後では「朝からここを動かないで、眺めあかして、感動したな」と言っていますので洪水自体をプラスに捉えていることがわかります。主人公は前述の石田の台詞の後に洪水により自分の家にまで浸水し困ったと発言していることからマイナスに捉えていることがわかります。

問5

この問題もコーヒーに対する二人の考え方の違いを答える対比の問題です。傍線部から九行目に石田の台詞があり、コーヒーを消費する立場から発言していることを読み取り、主人公はそれに対し、コーヒーを作る側に立って発言しています。なんとなく違いはわかるものの、それを「〇〇者」の空欄に漢字二字で答える際に、適切な言葉を思い浮かべることができなかった人が多かったのではないかと思います。

問6

主人公の様子を問われています。傍線部の行動に至った理由が直前に書いてあるので、その部分を踏まえて適切な選択肢を選びます。

問7

合否を分けた一題で説明します。

問8

主人公が石田をどうとらえているかを答えます。傍線部のある段落を中心に考えるといいでしょう。

問1

傍線部の理由を説明した文の空欄を埋める問題です。条件に注意しつつ確実に答えていきたいところです。

問2

本文全体を踏まえて空欄を記述で埋める問題です。これも条件があるので必ず確認してください。空欄Aは筆者の考える「未来の見える」状況でのマイナスを本文から探して条件を踏まえながら書きましょう。空欄Aがマイナスであると考えられるのは空欄Aの直後に「なってしまう」と書いてあるところからもわかります。空欄Bはその逆で、空欄の直後に「できる」とありますから筆者が考える「未来の見えない」状況のプラスを条件を踏まえて書きましょう。

問3

筆者の主張を説明した文の空欄を埋める問題です。選択肢と記述があります。説明文によくみられる一見マイナスだが実はプラスであるという構図が理解できているといいでしょう。Ⅳ段落に一般論との対比として筆者の考えがまとめてあります。

問1

慣用句、ことわざについて答える問題です。一度は解いたことのあるような問題だと思いますが、条件の読み落としに気をつけて解いていきましょう。⑶の②はやや難しかったのではないかと思います。

問2

漢字の問題です。②は「講義」ですが「講」と「構」、「義」と「議」で迷ったのではないかと思います。③の「志す」も送り仮名で間違えた人が多かったのではないでしょうか。

合否を分けた一題

長文の記述がなくなっており、短い記述に関しても表現の差はあるにしてもそこまでズレが出るような難度ではなかったように思います。そこで今回は物語文の選択肢の問題を取り上げたいと思います。今年の物語文は芹沢光治良の『人間の運命』という1962年初版発行のものでした。見慣れない言葉や表現、現代の会話言葉とのギャップから読みにくかった人が多かったのではないでしょうか。

傍線部6「これだから森は親友としてすてられないと、ひそかに自ら誇った」とあるが、ここから石田のどのような思いが読み取れるか。最もふさわしいものを次の中から選び、記号で答えなさい。
まず、「これだから」の「これ」を明らかにしましょう。指示語は基本的には直前を指すことが多いですよね。
傍線部直前には主人公が蓄音機から流れる音楽を聴いて、目に涙を浮かべている様子が書かれています。そしてその後「その涙に、石田も気がついて、」とあり、傍線部に続きます。傍線部直前までに描かれている、主人公が蓄音機から流れる音楽に感動し涙を浮かべることが傍線部での石田の思いのきっかけ、理由になるわけです。
次に、傍線部での言葉に石田の思いを読み取るヒントがあります。「すてられない」という言葉です。
「すてられない」という言葉から石田は主人公より上の立場にいると思っていることが読み取れます。
石田は主人公を友人として捨てるか捨てないか、選べる立場にいるということです。
そして「自ら誇った」に繋がります。蓄音機から流れる音楽に感動し、涙を浮かべる主人公を友達として選んだ自分を誇っているわけです。
これらを踏まえた上で、選択肢を見ていきましょう。
アは全体的にプラスの表現です。主人公を下に見ている表現も読み取れません。また貧しさに驚いている様子もみられませんね。
ウは「引け目を感じていた」という部分。そして泣いたことを弱点としてとらえ、それを知った優越感となっているところが違います。
エは「知ったかぶり」「演技」が違うでしょう。
オは「見せるもの全てを珍しそうに喜び涙まで流す」が違います。コーヒーを見た時そうではなかったはずです。

選択肢を見た時に、まずアのような一つだけ方向性が異なるもの、そしてオの「全て」といった縛りの強い言葉を見つけ消していくと正解にたどり着きやすいのではないかと思います。

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