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算数の合否を分けた一題

早実中等部入試対策・算数の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

[1] (1)A (2)A (3)A (4)B
[2] (1)B (2)A
[3] (1)A (2)A (3)B
[4] (1)A (2)A (3)C
[5] (1)A (2)B (3)B (4)C

A:早実合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断して、後回しにすべき問題

出題総評

大問1は計算問題を含む小問が4つ、大問2は小問が2つ、大問3・4・5は各単元にわかれての形式でした。
詳細については大問1が計算1問+小問3問(場合の数・植木算・年齢算)、大問2は立体図形1問と数の性質1問、大問3は割合(売買損益)の問題、大問4は平面図形(相似の応用)の問題、大問5は点の移動の応用問題でした。

問題別寸評

[1]
(1) 答 15

分数や小数の混合計算を使う逆算の問題。1.675は15/8ではなく127/40であることに注意してください。工夫は特にないので、分数に統一して慎重に・順番に計算していきましょう。2分以内に終わらせるのがベストです。

(2) 答 14個

カードを並べる場合の数の、典型的な一行問題。十の位の数字で場合分けすると□4□、□3□、□2□となります。それぞれ、3×3=9個、2×2=4個、1×1=1個あります。なお、□1□は問題文の条件に反するのでありません。

(3) 答 2.4㎞

木の植え方を変える植木算の典型題。50mおきと30mおきとでは、それぞれの間隔の長さが50:30=5:3です。どちらの条件でも池の周りは同じですので、間隔の数の比は逆比で3:5となります。よって、その比の差である5-3=2が32本となるので、50mおきでは32÷2×3=48本、30mおきでは32÷2×5=80本植えたことになります。ここから距離が求まります。(なお、50と30の最小公倍数である150mを仮の距離とすると、差は150÷30-150÷50=2本となり、距離も32÷2=16倍になる、と考えても良いでしょう。)

(4) 答 34才

2019_gouhi_sansu_01

[2]
(1) 答 28.8㎤

展開図が与えられており、それを組み立ててできる立体の体積を考える問題。展開図の真ん中にある五角形を底面とすると、下図のような立体になります。
2019_gouhi_sansu_02
長方形を底面とする三角柱は、3×4÷2×4=24㎤です。また、図の左側にある三角すいですが、高さは三辺が3㎝・4㎝・5㎝の直角三角形の、5㎝を底辺としたときの高さと同じなので、3×4÷5=2.4㎝です。三角すいの体積は4×3÷2×2.4÷3=4.8㎤となります。先ほどの三角柱との合計で答えが求まります。

(2)

2019_gouhi_sansu_03

[3]

ここからは大問になります。割合の分野における売買損益の文章題。

(1) 答 80個

2019_gouhi_sansu_04

(2) 答 800円

Aについて、定価は仕入れ値より400円高く、問題文5~6行目より売値は仕入れ値より160円高いので、定価を400-160=240円値引きして売値をつけたことになります。問題文5行目の条件から、値引き額は定価×0.2=240円となるので、Aの定価は求まり、そこから原価も求まります。

(3) 答 40個

Bは80個すべて売れたので、利益の合計は300×80=24000円です。問題文6~7行目の条件から、Aの利益の合計は24000÷5×8=38400円です。Aについて、定価で売った場合は1個当たり400円の利益があり、売値で売った場合は1個当たり160円の利益があるので、全体の個数が120個であることからつるかめ算を用いれば答えが求まります。

[4]

補助線を引きながら、面積比や図の中の相似を考えていく三角形を題材とした平面図形の問題。

(1) 答 6:1

2019_gouhi_sansu_05
A、Cから正面の辺に向かって線が引いてあり、交点がRとなっています。そのRを通るようにBからも線を引くと、以下のようになります。

△ABR、△ARC、△BRCの3つにわかれます。(自動車のベンツのマークや三ツ矢サイダーのマークに似ているので、このテクニックを「ベンツ切り」と呼ぶことがあります。)
BD:DC=2:1なので、△ABR:△ARC=2:1です。AF:FB=2:1なので、△ARC:△BRC=2:1です。ここから連比をとると△ABR:△ARC:△BRC=4:2:1となります。AR:RDは(△ABR+△ARC):△BRCと同じですので答えが求まります。

(2) 答 2019_gouhi_sansu_06

(1)の答えから、△ARC:△CRDも6:1です。両者を合計した7が△ADCとなり、BD:DC=2:1であることから、全体の面積である△ABCは7×(1+2)=21ということになります。△ARC、△BPA、△CQBは全て6なので、△PQRは21-6×3=3ということなります。△APEは△CRDと合同ですから、答えが求まります。

(3) 答 2019_gouhi_sansu_07

補助線を引いてクロス型相似を作り、さらに比を合わせていくことを考えねばならない難問です。△STUが△PQRの何倍であるかを問われているので、△PQRから周りの三角形である△PSU・△QTS・△RUTを引くことを考えます。そのために、PS:SQを、相似を使って求めます。(なお、PS:SQもQT:TRもRU:UPも図形の対称性から全て同じ比となります)
まず、EからIに向かって直線を引き、ADとの交点をVとします。△AVEと△ADCのピラミッド相似を考えると、AE:AC=1:3で、VE:DCも1:3になるのでVE=1÷3=2019_gouhi_sansu_06です。
2019_gouhi_sansu_08

[5]

最後の大問であり、2点が円周上を移動する点の移動および周期算の問題。今年は本問について合否を分けた一題として後述します。
(1)答 192°
(2)答 24°
(3)答 4倍
(4)答 13回

合否を分けた一題

今回は、最終問でありながら、得点するべき箇所のあった大問5を、合否をわけた一題として紹介しましょう。2点の動きについてしっかりと進む方向をイメージしなければならず、点の移動の応用的な考え方として良い問題と言えます。

[4]点の移動・規則性

(1) AC=BCとあるので、円の中に二等辺三角形を作ることを考えます。円の中心であるOからCに向かって線を引くと
2019_gouhi_sansu_10
円の半径でOA=OB=OC、さらにAC=BCなので△OACと△OBCはどちらも合同な二等辺三角形であることがわかります。角ACBが84°なので、角OCA=角OCB=84÷2=42°です。さらに、角OCA=角OAC=42°なので角AOC=180-42×2=96°となり、同様に角BOCも96°となるので96×2=192°と求まります。
答え:192°
(2) 毎回のPとQの重なり方について、各々の点の動き方も踏まえながら、規則がないか調べてみます。1回目…P:時計回り Q:反時計回り ⇒出会い 2回目…P:時計回り Q:時計回り ⇒追いこし 3回目…P:時計回り Q:反時計回り ⇒出会い 4回目…P:時計回り Q:時計回り ⇒追いこし ……といった形で、2回ごとを1周期として出会いと追いこしを繰り返すことになります。(1)で、2回目に重なるまでにPはAから192°進みました。本問では4回目を問われているので、PがAから出発して192×2=384°進んだことになります。これは384-360=24となり、1周と24°進んだことになるので、24°と求まります。
答え:24°
(3) 4回目に重なったのが(2)よりDで、5回目に重なったのが図2のCです。つまり、4~5回目の間でPはDからCまで動いたことになります。(1)より角AOCは96°、(2)より角AODが24°なので、角DOCは96-24=72°となり、これがPの進んだ角度となります。一方、Qは4回目に重なった後は反時計回りに動いてPと出会うので、360(PとQが合計で進む1周分の角度)-72=288°進むことになります。よって、QはPの288÷72=4倍の速さで動いていることになります。
答え:4倍
(4) これまでで分かったことを踏まえ、PがAから進む角度を整理すると以下のようになります。
2019_gouhi_sansu_11
点A上で重なる、ということは上記の表の角度が360の倍数にならなければいけません。表の赤字の部分は、一の位が0になる箇所です。また、奇数回目・偶数回目ともに192°ずつ増えていくことになり、上記の表を奇・偶で分割してみると以下のようになります。
2019_gouhi_sansu_12

奇数回について見てみると、9回目の840°は360の倍数になっていません。そこで、840+192×□を計算して出た答えの一の位が0になる□を考えると5になり、840+192×5=1800°、これは9+2×5=19回目のことです。1800は360で割り切れるので、これは条件に適することになります。19回目の次は、192×5=960と360の最小公倍数である2880°を足すことになり、これは2880÷192=15、19+2×15=49回目のことです。以降、30回ずつ足していくことになるので、問われている200回目までに19、49、79、109、139、169、199の7回が点A上で重なることになります。
続いて、偶数回について見てみると、10回目の960°は360の倍数になっていません。そこで、960+192×□を計算して出た答えの一の位が0になる□を考えると5になり、960+192×5=1920°、これは10+2×5=20回目のことです。1920は360で割り切れないので、これは条件に当てはまりません。先ほどの式に戻って計算すると960+192×10=2880°、これは10+2×10=30回目のことです。2880は360で割り切れるので、これは条件に適することになります。           この次は192×5=960と360の最小公倍数である2880°を足すことになり、これは2880÷192=15、30+2×15=60回目のことです。以降、30回ずつ足していくことになるので、問われている200回目までに30、60、90、120、150、180(もちろん、30の倍数と考えても構いません)の6回が点A上で重なることになります。
よって、全部で7+6=13回重なることになります。
答え:13回

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