1 金星の動きと見え方に関する問題
2 ばねの伸びと力のつり合いに関する問題
3 水溶液の性質に関する問題
4 デンプンの消化に関する問題
本年度も大問4題の構成で、地学、物理、化学、生物の各分野からまんべんなく出題されました。
1は「金星の動きと見え方に関する問題」。金星は月と同様に満ち欠けをしますが、月の満ち欠けとは異なる点があることに注意する必要があります。
まず、金星は真夜中には見えません。これは金星が地球の内側を公転しているからです。金星が見えるのは、明け方か夕方です。明け方東の空に見えるのが「明けの明星」で、夕方西の空に見えるのが「宵の明星」です。また、月が見える大きさは常に同じですが、金星は、地球に近づくと大きく見え、遠ざかると小さく見えます。
問5は「金星の太陽面通過」についての問題でした。これは後で「合否を分けた一題」として詳しく解説します。
2は「ばねの伸びと力のつり合いに関する問題」です。表から400gで6cm伸びているので、100gで1.5cm伸びるばねだとわかります。また、おもりが100gで11.5cmなので、おもりのない状態では、10cmだとわかります。
問3では、棒の重さ100gとおもりAの重さの合計の600gの半分の300gが右端のひもにかかっています。動滑車の重さが100gなので合計で400gの重さをひも2本で支えています。よって、ひも1本では200gの力がかかっています。
問4では、おもりB(500g)をばねの真下にぶらさげたのですから、ばねは7.5cm伸びます。棒を水平にするには、棒の右端のひもを7.5cm引き下げる必要があります。動滑車を7.5cm動かすには、ひもは2倍の15cm動かす必要があります。
問5は、ばねと重心の距離とひもと重心の距離の比が1:3なので、ばねとひもにかかる力の比はその逆比の3:1になります。棒の右端のひもには150gかかっています。動滑車の重さが100gなので合計で250gがひも2本で支えられています。よって、ひも1本あたりは125gかかっています。
3は、「水溶液の性質に関する問題」です。表の情報から7つの物質を推理する問題です。まず、実験⑥からAは酸性だとわかります。実験①②から、Aは塩酸、Bは水酸化ナトリウム、Fは食塩だとわかります。実験③④から、Cは石灰水、Dは炭酸水、Hは炭酸カルシウムだとわかります。実験⑧から、Gは酸性とわかります。実験⑤から、Gは固体なので、ホウ酸とわかります。実験⑥から、Eは砂糖水とわかります。
4は、「デンプンの消化に関する問題」です。A①とA②を比べると、ヨウ素液の色が「こい青紫色」から「とう明」に変化しています。ヨウ素液はデンプンがあると「青紫色」になりますが、だ液がデンプンを分解すると「とう明」なままです。
A①が「こい青紫色」だったのは、一度ふっとうさせただ液がデンプンを分解しなかったからです。問4では、B③が「うすい青紫色」になったことから、デンプンは弱い酸性の液によって分解されている可能性が考えられました。これを検証するには、デンプンを弱い酸性に液に入れて、ヨウ素反応を見れば良いのです。
上の可能性は正しくないことが問題文からわかっていますので、ヨウ素液は「こい青紫色」になります。問5は、A①の結果から「だ液は中性で最もよくデンプンを分解」し、B④の結果から「コムギの芽生えは弱い酸性で最もよくデンプンを分解する」ことがわかります。