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社会の合否を分けた一題

早稲田中入試対策・社会の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

問1(1)A(2)A(3)A  問2 A  問3 B  問4 A
問5(1)B(2)A  問6(1)B(2)B(3)C  問7 B
問8 A 
問1(1)A(2)A(3)A(4)B(5)A  
問2(1)B(2)A(3)A  問3 B  問4 B  問5 A
問6 A  問7 B  問8 A
問1 A  問2 B  問3 B  問4 A  問5 B
問6 C  問7 B  問8 A  問9 C  問10 A

A…早稲田大学高等学院中等部合格を目指すなら必ず得点したい問題
B…やや難しく差がつく問題
C…難問

出題総評

2017年度の早稲田中学の社会は例年通り30分で大問3つの構成でした。[1]は地理、[2]は歴史、[3]は公民分野という出題も例年通りです。早稲田は30分で40問と設問数が多いことに加え、合格者平均が27.7点、受験者平均が24.3点であることから考えても、いかに基本問題で失点をせずに速く解けるかがポイントになります。普段の学習でも自分のペースで解くだけでなく、速く正確に解くことを意識しましょう。地理では一部難しい出題もありますが、そこでペースを乱されることなく、資料やデータから具体的な順位や数値を手掛かりに取るべき問題を確実に得点することが大切です。歴史は、テーマ別の出題が多いため、時代や人物の施策を識別できるよう、必ず「時代」「人物」「特徴」と「施策」「出来事」を関連づけて覚えることを意識しましょう。公民では「閣議」「可決」など、やや細かい用語を書かせる問題も出ています。範囲が狭い分、公民に登場する用語については、詳しく学習する意識を持ちましょう。

問題別寸評

(地理)日本各地の自然や産業などについての問題です。

問1

(1)てんさいや馬鈴薯(じゃがいも)から、十勝平野と分かります。(2)東日本の主要な漁港とラムサール条約登録地から釧路だと分かります。(3)流域面積が全国2位なのは石狩川となります。1972年に札幌で冬季オリンピックが開催されています。

問2

石炭の採掘で栄えたのは夕張炭坑のことです。エネルギー革命により石油に主役の座を奪われたことで
夕張炭坑も閉山することになります。その後「夕張メロン」の産地として有名となりました。

問3

それぞれの県章は(あ)石川県、(い)青森県、(う)鹿児島県、(え)静岡県となります。(1)静岡県には政令指定都市があるため「謝」となります。(2)すべての県に新幹線が通っていますので「正」となります。(3)石川県は金沢市が県庁所在地ですので「謝」となります。

問4

鹿児島県の島の中で面積が大きい上位3島は、屋久島、種子島、奄美大島になります。

問5

雨温図の中の「降水量」と「平均気温」で各地の気候の特徴を読み取ります。1月・12月の平均気温が最も高い(2)が鹿児島県、氷点下になっている(4)が青森県と分かります。また、1月・12月の降水量が夏よりも多い(3)が石川県と分かります。

問6

(1)説明文の川は利根川を指しています。利根川の水源は「八木沢ダム」となります。(2)河川の浸食や隆起によって形成とありますので「河岸段丘」となります。(3)渡良瀬遊水地は、足尾銅山鉱毒事件の鉱毒を沈殿させ無害化することを目的に渡良瀬川の下流に作られました。

問7

促成栽培のピーマンの1位は茨城県、高原野菜であるレタスの1位は長野県、近郊農業であるネギの生産量1位は千葉になります。また、促成栽培は宮崎平野・高知平野で盛んですので、Bは宮崎県となります。

問8

まずはBとCをしっかり見分けます。Bはベトナム・インドネシアとありますので、エビとなります。日本人向けのエビを養殖するために、東南アジア地域ではマングローブの林が伐採されていることも押さえましょう。Cはノルウェー・ロシアとあるので北洋の寒流にすむサケ・マスだと分かります。

(歴史)日本と朝鮮の外交に関する歴史の問題です。

問1

(あ)仏教は538年に渡来人たちによって百済から伝えられました。
(い)李氏朝鮮は1392年建国。倭寇と正式な貿易船を区別するために用いられたのが「勘合」です。
(う)朝鮮半島と江戸幕府の仲立ちとなったのが対馬藩で、その藩主が宋氏となります。
(え)朝鮮半島で起こった甲午農民戦争をきっかけに、日本と清の軍事衝突が起こりました。
(お)1965年に日韓基本条約が締結され、韓国との国交が回復されました。

問2

(1)日朝修好条規は、1875年の江華島事件の後に結ばれました。
(2)白村江の戦いは663年に朝鮮半島で行われた倭・百済連合軍と唐・新羅連合軍の戦いです。
(3)日清戦争・日露戦争を経て、1910年に日本は韓国を植民地としました。

問3

倭王武は雄略天皇と考えられ、稲荷山古墳出土の鉄剣にも「ワカタケル」の文字が刻まれています。

問4

ア 1582年の山崎の戦いは、豊臣秀吉が明智光秀を破った戦いです。
イ 関白や太政大臣になった後の1590年に秀吉は天下統一を達成しました。
エ 琵琶湖の畔に安土城を築いたのは織田信長になります。

問5

イ 1639年に来航を禁止されたのはポルトガルになります。
ウ 朝鮮通信使が来るのは、将軍の代が変わるときです。
エ 中国人の滞在や商人との取引が行われたのは、長崎の郊外にある唐人屋敷です。

問6

当時鎖国中であった朝鮮を開国させようという明治政府内の意見のことを征韓論と呼びました。
この時政府を去ったのはアの西郷隆盛とエの板垣退助となります。後に、西郷隆盛は1877年の
西南戦争で、板垣退助は1874年の自由民権運動で、政府に対抗したことからも分かります。

問7

合否を分けた一題で扱います。

問8

佐藤栄作は非核三原則の提唱や沖縄返還などの実績を残しました。ア中国との国交回復を達成したのは田中角栄になります。イ東海道新幹線の開通は池田隼人です。東京オリンピックや高度成長期である所得倍増計画とも関連させましょう。エ公害問題が多く発生したことで、1871年に設置されたのは
環境庁です。環境省に格上げとなるのは2000年です。

  
(政治)国民の祝日を題材とした問題です。

問1

国民年金は、全国民が加入する年金制度で20歳から60歳までの加入が必要です。ア結婚できる年齢は民法で定められており、男子は18歳から女子は16歳から認められています。イ選挙権は2015年に公職選挙法が改正され18歳以上から投票できるようになりました。エ自動車運転免許は18歳から取得が認められています。

問2

高度経済成長期は、日本の経済全体が大きく飛躍する時期となります。したがって、それまでの農林水産業中心の産業から、製造業やサービス業へ産業の中心が移行しました。このようなことから、「第二次産業の割合が減った」とあるウが誤りとなります。

問3

大日本帝国憲法の中には地方自治についての条文はありませんでした。現在の日本国憲法ではこれを改めて条文を設け、地方自治の制度と権利を保障しています。細かい知識ですが、ア、ウ、エが正しいことを読み取って正解を選べるようにしましょう。

問4

森林は「緑のダム」とも呼ばれ、水を貯え、土砂崩れや洪水の被害を防いでいます。また、動物たちの生息地や人々の活動の場としての役割も持っています。そのため「集落ができやすい」が誤りになります。

問5

日本は1994年に「子どもの権利条約」に批准しました。虐待や差別から子供たちを守るため、この条約では子供の「生きる権利」「育つ権利」「参加する権利」「守られる権利」の4つの柱として唱えています。

問6

沖縄県は高い出生率を保っていることや、沖縄戦で多くの犠牲者を出したことで本来高齢者になるべき方々が多く亡くなっていることなどから、結果的に高齢化率が全国で最も低くなっています。

問7

ア、テレビ放送は1953年ですが白黒の映像でした。カラーテレビ放送の開始は1960年です。イ、佐藤栄作が非核三原則を唱えてノーベル平和賞を受賞したのは1974年です。ウ、東名高速道路は1969年に完成しました。エ、大阪万国博覧会は1970年に開催されました。

問8

問題のマークは伝統証紙と呼ばれます。伝統工芸品については経済産業省が指定します。文部科学省が指定する重要文化財との区別をできるようにしておきましょう。

問9

週休二日制については、法律で定められてはいません。ウは育児・介護休業法で、育児や介護のための休暇申請があった場合は休暇を与えることを企業に義務づけています。平成29年10月に改正法が施行されます。

問10

現在の日本には16日の祝日が設定されていますが、ハッピーマンデーの祝日は4日となります。成人の日(1月第2月曜日)、海の日(7月第3月曜日)、敬老の日(9月第3月曜日)、体育の日(10月第2月曜)となります。

合否を分けた一題

1950年の朝鮮戦争が日本に与えた影響について記述させる問題です。早稲田中は、配点が全問各1点ですので、得点のウェイトとしては記述問題も記号問題も同じになります。しかし、この問題で問われているように、日頃から地理・歴史・公民どの分野でも、その「背景」や「因果関係」を意識して学習している受験生は、今回の記述問題だけでなく、他の記号問題での正答率も間違いなく高くなると言えます。本問のような記述問題をしっかり正解できる取り組みを続けたかどうかが、早稲田中の合否を分けると言えますので、「合否を分けた1題」としました。

問7

朝鮮戦争は、敗戦後の占領下にあった日本にさまざまな影響を与えました。朝鮮半島で戦争が始まったため、日本に駐在していたアメリカ軍が戦争に出向くことになり、日本を守るための軍事力が一時的に低下してしまいました。そこで日本の治安を守るという名目で、軍隊とは異なる「警察予備隊」を結成させました。これが後に「自衛隊」に発展することになりました。
また、日本近隣の戦争であったことから、アメリカや国連軍のための戦争物資の依頼が日本にくるようになります。この結果、日本は「特需」と呼ばれる高景気を得ることになり、一気に経済が息を吹き返し、日本の復興を爆発的に早めた要因となりました。

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