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社会の合否を分けた一題

早稲田中入試対策・社会の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

大問[1] 問1:A
問2(1):A  (2):B  (3):A
問3:B
問4:A
問5:A
問6:A
問7(1):B (2):B
問8X:A Y:A
問9:A
問10:B
大問[2] 問1:A
問2(1):A  (2):B
問3:B
問4:A
問5:B
問6:B
問7:A
問8:A
問9:B
問10:B
問11:A
問12:A
問13(1):C (2):A
大問[3] 問1:A
問2(1):B  (2):A
問3(1):A  (2):B
問4:B
問5:B
問6:C

A:易しい(早稲田中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル、大きく差はつかない問題)
B:標準的(まぎらわしいが合格を左右するレベル、差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)

出題総評

大問は3題構成で、大問[1]に地理、大問[2]に歴史、大問[3]に公民分野と、第1回入試の形式は例年通りでした。設問の難易度も総じて難解なものはなく、解きやすかったといえるでしょう。そのため、基礎基本に重点を置くことを常に意識しながら学習を進めることが大切な学校です。また、「漢字で書く」「正しい(誤った)ものを選ぶ」「虫食い型の記述問題」などの早稲田中に特化した対策をすることで、より効率よく得点力を身に着けることができ、本番に所見の問題に「びっくり」さえしなければ十分に70~80%の正答率を狙っていけると考えられます。おおむね、合格者は「32/40点」以上は取りきれたと思いますので、過去問を用いて、徹底的に対策を行い、「80%の正答率」を目指すことで、早稲田中合格に近づいていけると考えます。

問題別寸評

大問[1]うどんに関連した地理の問題
問1

日本の三大うどんは「群馬県の水沢うどん」・「香川県の讃岐うどん」に加えて、「秋田県の稲庭うどん」があります。そのため、今回は秋田県の伝統的な祭りである「竿灯(燈)祭」を選択すればよいのです。また、うどんに関して言えば、上記のほかにも「群馬県の水沢うどん」・「富山県の氷見うどん」を合わせて、五大うどんと呼ばれることもあります。

問2

(1)のからっ風は難なく正答できたのではないでしょうか。北西季節風は湿り気を含んでいますが、越後山脈などを超える際に湿り気が少ない乾いた風となって群馬県に吹き降ろしてきます。その知識があれば(3)の屋敷森をどの方角に配置すれば適切なのかもわかるでしょう。また、(2)は天気図を読み取りますが、これは理科の分野では基礎問題ですので、社会科で出題されたことにびっくりしなければ難なく正答できたでしょう。

問3

群馬県の県庁所在地は前橋市ですが、最も人口の多い都市は高崎市です。同様に、山口県も県庁所在地は山口市ですが、人口最大の都市は下関市です。

問4

うどんの原料となる小麦はアメリカ合衆国・カナダ・オーストラリアなどから輸入しています。北米からおよそ80%の輸入量があるということが特徴的です。エビは、ベトナム・インドネシアなどが輸入相手先の上位を占めていることが特徴です。タマネギは中国から約90%輸入されています。大豆は特に頻出であるため、「1位アメリカ合衆国→2位ブラジル→3位カナダ」という順位で覚えておきましょう。覚え方としては、「大豆の使用目的は、アブラカナ?」と覚えれば「ア(アメリカ)・ブラ(ブラジル)・カナ(カナダ)」と覚えられるだけではなく、大豆のしぼりかすを「ヒューマス」としてバイオ燃料に用いることもイメージできます。

問5

出荷時期を早める促成栽培ではなく、出荷時期を遅らせる抑制栽培を問うているので、若干難易度は高まりましたが、早稲田中受験者であればしっかりと正答できたのではないでしょうか。また、「解答欄に合うように」とあることから、漢字で書けなければ正答とはなりませんでした。

問6

ブラジルという国名は聞いたことがあるはずですが、それがなぜ群馬県の外交区人労働者として多いのかは、触れていないと解答は難しいかもしれません。そもそも、富士重工
(自動車会社のスバル)、三洋電機(電気機器メーカーのスバル)などの工場があり、そこでの安価な労働力として、外国人労働者が多く雇用されていました。また、1990年には出入国管理及び難民認定法が改正され、より外国人が日本で働きやすいような環境が整備されたことも一因となっています。そもそもなぜブラジル人なのかといえば、日本でいうところの明治時代にブラジルでは奴隷制度が廃止され、労働力が不足しました。当時の日本といえば蒸気機関の導入などで、労働力が余っていたり、貧困にあえぐ人々が多かったりしたのです。そこで、日本から1908年に初めてブラジルへの出稼ぎをはじめたことをきっかけに、ブラジルに定住する日本人が現れ、それをツテとして今度は日本へブラジル人が出稼ぎに来るようになったという経緯があります。

問7

(1)瀬戸内の気候は「夏は南東からの季節風が四国山地にはばまれて降水量が少なく、冬は北西からの季節風が中国山地にはばまれて降水量が少ないように、一年中降水量が少ない。」ということは基礎基本レベルです。そのため、Aには「降水量が少ない」という内容が入るとすぐにわかります。しかし、Bは気をつけなければなりません。下線部⑦には「田畑の中にはたくさんのため池が見られました」とあることから、讃岐平野のため池は“農業に使うための水”ということがわかりますので、「農業用水」であることがわかります。なかには下線部を読み飛ばして「生活用水」などとしてしまった人がいるのではないでしょうか。早稲田中受験者はそのような「設問の条件」を見落とさないように気を付けなければなりません。(2)太陽光発電の位置を問う問題ですが、良く晴れていて、塩害や豪雪、風雪の起きにくい場所に多く設置されることが多いです。新エネルギーに多く見られる特徴ですが、気象条件に左右されやすいという難点がありますが、温室効果ガスを排出しないという長所がありますので、あわせて確認しておきましょう。

問8

( X )・( Y )のいずれも本文中にヒントがある平易な問題であったといえます。

問9

雨温図はまず「0℃に線を引いて」判断するようにしましょう。小豆島は瀬戸内の気候で、1年を通して降水量が少ないことから選べます。また、形の似ているエは、1・2月の気温が0℃の線を下回っていることから、「降水量が少ないうえに気温が低い=中央高地
」の気候であると判断できるはずです。ちなみに、アは、夏の降水量が多いことから、南東季節風の影響を受ける太平洋側の気候、ウは、冬の降水量が多いことから北西季節風の影響を受ける日本海側の気候であるということがわかります。

問10

聞かれ方にびっくりしないでください。必要な知識は「経度は15°で1時間の時差がある。」ということだけです。経度の差は5.6°であるため、1時間を60分に直して割るだけです。驚かなければ、平易な問題といえます。

大問[2]日本の戦いや政変に関する年表をもとにした歴史の問題
問1

基本的な年号ができていれば難なく解答できたと思います。例えば、以下のように語呂合わせなどを考えると楽しく暗記でき、得点に直結します。

空欄 選択肢 使う語呂合わせ
( あ ) 男の王では争いが絶えなかったので女王卑弥呼を立てた 239年
魏からフミクる(239)卑弥呼のもとへ
( い ) 中大兄皇子・中臣鎌足が蘇我氏をほろばした 645年
敵の蘇我氏をムシコろし(645)てしまおう、大化の改新
( う ) 朝鮮半島沿岸の戦いに大和朝廷が大敗した 663年
相手をロクロクミずに(663)白村江の戦い
( え ) 大友皇子と大海人皇子は皇位をめぐり戦った 672年
ブナンに(672)勝ちます、壬申の乱
問2

(1)一問一答的な知識で解答できます。アの太安万侶は「古事記」の編纂に尽力した人物で、イの大伴家持はエの柿本人麻呂とともに「万葉集」に多くの歌を残した歌人です。(2)蘇我氏は当時軍事的な統治をすすめる物部氏を排し、仏教を用いて政治を行おうとする豪族でした。ただし、後に行き過ぎた政治をすすめたために、乙巳の変で蘇我蝦夷・入鹿父子が滅ぼされました。これもしっかりと漢字で書かなければならないために、やはり漢字での学習習慣が大切であるといえます。

問3

正しいものを選ぶ問題です。具体的にどのような出来事なのかということがわからなければ苦戦したかもしれませんが、「明らかに正しいもの」を選べば良いのです。選択問題は「正確な一問一答」という意識をもって取り組むことが大切です。平将門の乱は下総国(現在の千葉県・茨城県)一円で起きた反乱ですので、アは誤りです。藤原純友の乱は朝廷軍として平氏が鎮圧したため、ウ・エも誤りと分かります。

問4

年号から鎌倉時代であるということがわかります。そこで有力な力を持っていたのは征夷大将軍の執権にあたっていた北条氏であると考えらえますので、平易な問題です。

問5

誤ったものを選ぶ問題です。よく見れば明らかな誤りがあります。承久の乱によって、朝廷側に幕府への反対勢力があることが判明したので六波羅探題という役職を置きました。エの選択肢には「乱を鎮定した後に、幕府は六波羅探題の権限を強めた」とあります。下線部に注目すると、乱の以前から六波羅探題が存在していたことになりますので、誤りであるとわかります。ちなみに、六波羅というのは地名であり、平家ゆかりの地でもあったことも、六波羅探題を設置した理由の一員と考えられています。

問6

コシャマインは1457年、和人(当時の日本人)にアイヌの少年が殺されたことにより起きた戦いの首長です。ほかにも1669年にシャクシャインが反乱を起こしています。

問7

枯山水とは、水を使わずに石・砂利・草木などで自然や水の流れを表現した庭園のことです。

問8

加賀の一向一揆ということばから、一向宗の信徒が起こした反乱であるということはわかりますが、一向宗が浄土真宗の別称であることもわかっていなければなりませんでした。ただ、このレベルであれば網羅できていてほしいものです。

問9

アは島津氏ではなく北条氏であり、イは清ではなく明であり、エは島原の乱以前にから、禁教令や、スペイン船の来航を禁じていたりしていました。

問10

美濃国は現在の岐阜県であるため、岐阜県での出来事を選べばよい。アは現在の愛知県、ウは現在の滋賀県、エは現在の福井県のことです。

問11

これは虫食い型の記述問題ではあるものの、基礎知識を問うているだけであると考えましょう。「下関」砲撃事件から、長州藩(現在の山口県)であるとわかり、当時の攘夷運動を頭にイメージすれば、下関「砲撃」事件から、外国船(異国船)を打ち払ったということがわかります。

問12

佐賀の乱、神風連の乱や萩の乱はなかなか聞きなれないかもしれませんが、これらは明治時代になり士族の特権を奪われた者たちが起こした反乱であり、設問中にある「1872年に告諭され、翌年に実行された…」ということから1873年の出来事であるとわかります。1873年の出来事で知らなければならないことは「地租改正」と「徴兵令」であり、士族の反乱と関係が深いものは徴兵令であるとわかります。

問13

(1)日英同盟は1902年~1922年までですが、開始年はわかるでしょうが、ワシントン会議(1921~1922年)によって解消されたということはわからない受験生が多かったのではないでしょうか。ただし、ウだけは確実に違うということはわかってほしいものです。また、第二次世界大戦において日本の同盟国はドイツとイタリアであるということをかんがえればアも選べないはずです。イ・エの処理に悩んでしまった受験生もいるはずです。(2)やはり漢字指定の用語問題ですが、平易な問題といえるでしょう。

大問[3]日本国憲法に関する公民の問題
問1

虫食い型の記述問題ですが、日本国憲法の三大義務といういたって基礎的な問題ですので、難なく解答できたのではないでしょうか。

問2

(1)我が国の税についての問題です。売上税の場合は、消費者が購入した時に課される税金ですので、アの選択肢は誤りであるとわかります。(2)2016年度の日本の予算における公債金の割合は、35.6%であるため、ウが正しいとわかります。なお、租税は59.6%ですのでこちらも覚えておく必要があります。ただし、このような年度予算などのデータは毎年更新されるため、6年生になった年の6月ごろに出される最新データをもとに学習を進めましょう。また、租税に関しては税の内訳まで確認しておくと良いでしょう。

問3

(1)虫食い型の記述問題です。ただし、これは基本的人権の学習を進める際には確実に記載されているようなものですので、しっかりと学習ができていれば基本問題といえます。(2)は憲法の前文を読んでいればできる問題です…といえば簡単ですがなかなか見る機会も少ないことと思います。ただし、アは生存権、イは自由権のうちで精神の自由、ウは自由権のうちで身体の自由等のことを指しており、これらは日本国憲法第3章の「国民の権利および義務(第10~40条)」に規定があるということがわかれば、エが正答とわかります。第25条が生存権であることはわかっても、自由権がどこに規定されているのかがわからないと苦戦したかもしれません。

問4

⇒合否を分けた1題で扱います。

問5

待機児童は、男女共同参画社会基本法や男女雇用機会均等法などの制定などを背景に、女性の社会進出が進んだことによって保育施設の需要は増えているものの、保育所の数が不足し、施設に入れない状況にある子どものことをいいます。

問6

憲法第99条「憲法尊重・擁護(守ること)の義務」についての問題です。日本国民が憲法を制定し主権者であり、基本的人権や様々な権利を保障されている立場の存在です。そのため、天皇・摂政に加え、国務大臣・国会議員・裁判官その他公務員がこの憲法を尊重し、擁護することが求められています。

合否を分けた一題

「憲法には定められていなくても時代の変化とともに認められるようになった権利もあります。次の文の中で、そのような権利の例とは言えないものを1つ選び、記号で答えなさい。」

新しい権利のついての問題で、用語はわかっていても、それが具体的な出来事になるとイメージがつかず答えにくかったということがあるのかもしれません。ここではしっかりとイメージしていきましょう。「ア、有名な芸能人であっても、仕事以外の私生活をむやみにあばかれたりしない。」と「イ、個人の名前・住所・生年月日などの情報を勝手に知られたり、利用されたりしない。」では、どのような仕事であっても、自分の私生活や情報をみんなに知られてしまうと悪用される恐れがあります。そのため、個人情報を守るという観点から、「プライバシーの権利」が発生しました。「エ、自宅のとなりに高いマンションが建つことになったが、十分な日当たりが確保されるよう建設会社に申し入れた。」では、日照権という建築物の日当たりを確保し、健康的な生活を送ることができるようにする権利のことです。そのため、「ウ、障がいのある人でも安心してできるスポーツ施設の設備を市長に訴え、インターネットで署名を集めた。」は、公的な署名は直筆でなければならないので、インターネットを用いた署名はあくまで「気持ちを表明するもの」であると考えられます。そのため、新しい権利としては認められていません。

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