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社会の合否を分けた一題

早稲田中入試対策・社会の合否を分けた一題(2021年度)

難易度分類

〔1〕 問1 (1)あ:A い:A (2)A(3)A 問2(1)A (2)B 
問3 B 問4(1)B (2)A
〔2〕 問1あ:A い:A う:A え:A お:A か:A 問2 A 問3 A
問4 B 問5 B 問6 B 問7 C 問8 G:A H:A
〔3〕 問1 B 問2 B 問3 A 問4(1)A(2)C(3)C  問5(1)A 
(2)A 問6 A 問7 A

A…早稲田中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2021年度の早稲田中は、メリハリのついた出題でした。世界地理が一つの大問として出題され、公民分野の大問では経済や金融といった難易度の高い知識を必要とする問題が見られました。基礎問題で失点なく得点ができたかどうかが分かれ目です。
分野別にみると、地理は、観光をテーマに世界地理や世界遺産が出願されていました。
近年の出題傾向を考えると、世界地理や世界の国々についての出題は増加傾向にあるため、対策によって差がついたといえます。
歴史分野は、他分野に比べて基礎問題が中心でした。一方で、昭和戦後史や文化史といった単元からの出題もあるため、定着度によって差がつきました。
公民分野では、時事をテーマに金融などの経済分野からの出題がみられました。例年、早稲田中の公民分野は、他の学校と比較して難易度が高い傾向にあります。政治分野だけを重点的に学習するのではなく、経済分野や国際分野まで知識を定着させましょう。

問題構成は、3分野から大問3題、小問35問。
語句形式が20問、記号選択が15問。記述問題の出題はありませんでした。

問題別寸評

〔1〕

(地理分野)観光をテーマとした世界地理についての問題です。
世界地理は、早稲田中の地理分野では直近の出題頻度が高い単元であり、時事と関連付けて出題されることが多いため、対策によって大きな差がつきます。今年はオリンピックの開催が予定されていることから、世界地理についての知識は必須といえます。単純な位置や特徴だけにとどまらず、統計データや地形・気候といった幅広い知識が必要です。

問1

(1)富士山はかつて世界自然遺産の登録を目指していましたが、かないませんでした。そして、2013年に世界文化遺産として登録されました。
(2)国連教育科学文化機関の諮問機関は、イコモス(ICOMOS)です。
(3)再挑戦によって2016年に世界文化遺産として登録されたのは、国立西洋美術館です。
その他、アの沖ノ島は2017年、イの小笠原諸島は2011年、エの富岡製糸場は2014年です。
この他にも、1992年の世界遺産条約締結後、1993年に法隆寺・姫路城が世界文化遺産に、屋久島・白神山地が世界自然遺産に日本で初めて認定されました。

問2

(1)(2)合否を分けた一題で取り上げます。

問4

(1)北アメリカ大陸最高峰の山は、アラスカ州に位置する、下線部にも書かれているデナリです。
   アラスカ州はアメリカ合衆国ですが、カナダの北西部に位置している点に注意が必要です。
(2)アフリカ大陸最高峰は、キリマンジャロです。赤道の近くという点から、赤道の位置をおさえることができていれば、得点できます。

〔2〕

(歴史)歴史上の人物関する歴史の問題です。
政治史、文化史、外交史などのテーマからの出題でした。大問1、大問3の難易度が高い分、この大問で確実に得点できたかどうかが合否の分かれ目です。特に、文化史や昭和戦後史は、早稲田中では出題頻度が高いため、対策によって差がつくといえます。

問1

人物A~Fを明らかにしながら、(あ)~(か)にあてはまる語句を考えます。
A:「1232年御成敗式目を制定」という部分から、3代執権北条泰時があてはまります。
北条泰時は、後鳥羽上皇(あ)と争った承久の乱後にできた六波羅探題(い)の初代です。
B:「彦根藩藩主・日米修好通商条約の調印」という部分から、井伊直弼があてはまります。
井伊直弼が結んだ条約は、当時の元号をとって安政(う)の五か国条約とも呼ばれます。
C:「1960~70年代に首相を務め、安倍晋三首相に抜かれるまで戦後最長の政権」という部分から、佐藤栄作があてはまります。佐藤栄作は、韓国との間に日韓基本条約(え)を結びました。
D:「平安時代中期…右大臣にまで…遣唐使の廃止を建議」という部分から、菅原道真があてはまります。
 菅原道真は、藤原氏との政争に破れ、太宰府(お)に左遷されました。
E:「豊前国中津藩…後に有名な大学となる私塾を創設」という部分から、福沢諭吉があてはまります。
F:「…紀行文『奥の細道』をまとめました」という部分から、松尾芭蕉があてはまります。
奥州藤原氏の本拠地でもあった平泉(か)では、「夏草や兵どもが夢の跡」という句を詠みました。

問4

高度経済成長期に関する問題。
昭和戦後は、歴史の中でも差がつきやすい単元といえます。早稲田中の近年の出題傾向を考えると、今後も対策は必須といえます。さらに、この時期の出来事は年号に加えて、当時の首相を合わせておさえておくことが望ましいです。
ア:名神高速道路が全線開通したのは、日韓基本条約と同じ年の1965年です。
イ:三種の神器は、電気洗濯機・電気冷蔵庫・白黒テレビです。
ウ:佐藤栄作首相の在任期間は、1971年までです。したがって、第一次石油危機がおきた1973年よりも前の出来事です。
エ:環境基本法は1993年のため、誤りです。正しくは公害対策基本法です。

問5

遣唐使に関する問題。
吉備真備は、遣唐使として派遣されましたが、帰国できなかったわけではありません。
唐から帰国できずに、唐で一生を終えた遣唐使は、「あまの原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」の短歌で有名な阿倍仲麻呂です。

問7

元禄文化に関する問題。
文化史は、テーマ史の中でも定着度によって差がつきやすい単元といえます。
特に江戸の文化は、元禄文化と化政文化の区別ができる状態にし、作者と作品名を一致させましょう。
今回の問題で誤っているのはイです。
「太夫」というのは、人形浄瑠璃における語り手のことです。近松門左衛門は脚本家であり、人形浄瑠璃の作家であることから、語り手というのは誤りです。

〔3〕

(公民・時事)新紙幣をテーマとした公民の総合問題。
早稲田中の公民は例年、難易度の高い知識を必要とする問題が出題されています。昨年は、政治分野が出題の中心でしたが、今年は新紙幣をテーマに経済や金融に関する問題が出題されていました。金融や経済は、公民分野の中でも難易度が高いといえるため、定着度によって差がつくといえます。
今年も、時事問題についての出題が見られましたが、難易度は標準的でした。

問1

日本銀行に関する問題。
日本銀行には、「銀行の銀行」「政府の銀行」「発券銀行」という3つの役割があります。
したがって、ウが正しいです。
硬貨を発行しているのは、日本銀行ではなく造幣局である点、民間人や一般企業との取引は行わない点をおさえるようにしましょう。

問2

銀行の働きに関する問題。
銀行は別名、金融機関とも呼ばれます。金融というのは、お金に余裕のある人や預けたい人から、お金を借りたい人に融通することを表しています。
銀行は、預金者に利息を支払います。その利息よりも高い利子をつけて貸し付けを行っています。

問4

(1)渋沢栄一は、「近代日本における資本主義の父」と呼ばれています。
(2)東京株式取引所は、現在の東京証券取引所に引き継がれています。
(3)救護法は、現在の生活保護法に継承されています。
(2)(3)は難易度が高いため、あまり差がつかなかったと考えられます。

問7

消費増税に関する問題。
消費税の増税に伴って、設定されたのは、生活必需品などの税率を据え置く軽減税率です。
消費税は、所得にかかわらず税率が一定であるため、所得が低い人にとって食料品などの生活必需品にかかる税負担が大きくなる、逆進性に対する措置です。

合否を分けた1題

近年の早稲田中では、時事問題と絡めた国際分野、世界地理の出題が増加傾向にあります。
単純な国の位置だけではなく、統計データや地形、日本との関わりについての出題も見られます。
今年はオリンピックの開催が予定されていることから、国際社会や世界の国々についての知識は定着必須といえます。
今回の問題は、訪日外国人観光客に関する問題でした。
各国の特色や近年の訪日外国人観光客の消費に関しての背景知識があったかどうかで大きく差がつくといえます。

〔1〕
問2(1)

国・地域別の訪日外国人数についての表読み取り問題。
今回の問題は、A~Cのすべての国がAPEC(アジア太平洋経済協力会議)の加盟国である点を活用しながら表にあてはまる国を答えます。
初めに、表の右の項目「訪日外国人旅行消費額」に注目します。Aは項目の中で1位であることが読み取れます。近年、中国からの観光客が増加している点を踏まえると、Aには中華人民共和国があてはまります。
同じ項目のBに着目すると、3位となっていることが読み取れます。訪日外国人観光客のうち、アジア地域からの観光客が多く、特に東アジアからの訪日外国人観光客が多いことを念頭におくとBには韓国があてはまります。
左の項目「1人あたりの消費支出」に注目します。
Cの国の人は247,868と表の中で最も高額となっていることが分かります。消費額と比較すると大きな金額であることからも、スキーやスノーボードなどのレジャーを目的に日本を訪れる人が多いオーストラリアがあてはまります。

問2(2)

訪日外国人観光客増加の理由を答える問題です。
解答欄の「( )の緩和」という部分のキーワードから、ビザの取得要件の緩和があてはまります。
政府は、2019年まで、訪日外国人観光客の増加を目指す取り組みとして、ビザ(査証)を発行するにあたっての条件の緩和や手続きの簡素化を行っていました。(2020年は新型コロナウイルスの拡大防止のため、ビザの発給制限を行っています。)

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