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社会の合否を分けた一題

早稲田中入試対策・社会の合否を分けた一題(2019年度)

難易度分類

〔1〕 問1 B
問2 A
問3 B
問4 (1)A
   (2)B
問5 (1)B
   (2)B
問6 B
問7 B
問8 A
問9 A
〔2〕 問1 B
問2 A
問3 (1)B
   (2)B 
   (3)A
   (4)A
問4 A
問5 B
問6 A
問7 B
問8 B
問9 A
〔3〕 問1 A
問2 B
問3 A
問4 C
問5 ア:A、イ:B
問6 (1)C
   (2)B
   (3)B
   (4)B

A:易しい早稲田中合格を目指すなら確実に正解すべきレベル)
B:標準的(ややまぎわらしいが落とせないレベル、ここで差がつく問題)
C:難しい(受験者の大半ができないため差はつかない問題)

出題総評

今回は答えにくいものがあったかもしれませんが、平均点をみると例年通りの出来栄えが望まれたようです。基礎基本の徹底はもちろんですが、早稲田中独特の言い回しや、表グラフの読み取りの対策を行えば十分解答にたどり着けたことと思います。選択問題は、基礎知識が入っていれば、解答できました。ただし、中途半端な知識ではかえって混乱してしまったことが予想されます。早稲田の合格をつかむためには、簡単な問題は落とせないことに加えて、自信を持って知識を使っていくことが必要でしょう。また、見たこともない知識を数問ありましたが、合否に直結するものではないため、深く悩まずに先に進むことも大切でしょう。

問題別寸評

〔1〕秋彦くんがいとこの春香ちゃんの家に行くまでの道のりに関する地理の問題
問1

江戸の五街道は早大系入試において、頻出事項です。すべての駅を覚える必要はありませんが、5つの街道とその区別は基礎知識として、有名な駅名などもある程度覚えていられればかなり有利に解答がすすめられます。江戸の日本橋を起点として、東北の方へ向かい、宇都宮から日光まで伸びるのが日光道中で、白河まで伸びているのが奥州道中です。また、高崎を通って下諏訪から大阪へ向かうのが中山道で、甲府経由で下諏訪まで伸びるのが甲州道中、箱根や桑名を通って京都・大阪まで至るのが東海道です。

問2

伝統工芸品について、ことばだけを知っていても解けませんでした。きちんと旧国名を学習していたり、伝統工芸品の名称の由来を調べていたりすると良いでしょう。

問3

フェーン現象とは、初夏から秋にかけて起こる現象で、南東季節風が湿り気を帯びて山地にぶつかります。すると、100メートルにつき、0.6℃程度温度が下がりながら山をのぼります。その後水蒸気が冷やされて雨となり、山を越えます。その際には空気中の水蒸気が少なったことから、100メートル下降するにつれて1℃温度が上がります。このことから、山を越えたタイミングで乾いた熱風が吹くことがあります。

問4

バイオ燃料として、さとうきびやトウモロコシなどがあげられる。またそのほかにも竹や木材なども原料とすることができるが、ガソリンよりもコストがかかるなどという問題点も指摘されている。京都議定書は話題として新しいものではないものの、パリ協定の批准などがまだ入試のなかで問われることが多いため、確認しておきましょう。

問5

⇒合否を分けた1題で扱います。

問6

問5(1)のように、表の名称や項目名、その数値から都道府県を特定します。

問7

1971年イランのラムサールで結ばれた条約ですから、イランで使用されている言語を選択すればよいのですが、ラムサールがイランだということを知らなかった受験生が多くいたのではないかと考えられますので、あまり正答率は高くないでしょう。

問8

原油から精製する際にプラスチックの原料となるナフサが取れます。

問9

それぞれの工業の特徴を確認します。すると、石油化学工場や鉄鋼工場は原料を海外からの輸入に頼っているため、太平洋側の臨海部に位置しています。また、自動車工場も同様です。半導体工場は、軽くて高価だという工業製品の特長から臨海部というよりも、空港や高速道路沿いなどの交通に便利なところに立地していることが多いです。また、セメント工場は、石灰石の採掘地が限定されることなどの理由からかなりわかりやすい分布になります。

〔2〕明治開局150周年を話題とした、近代日本に関する歴史の問題
問1

「1945年」や「アメリカの軍艦」などということばに騙されないようにしましょう。1945年の93年前だったり、近代日本の始まりというフレーズだったりというヒントから、解答を導き出しましょう。

問2

廃藩置県によって、藩を廃止して県がおかれ、中央から府知事や県令などといった役人が派遣されていきました。ただし、沖縄県と北海道だけはやや遅れての廃藩置県がすすんでいきました。

問3

(1)明治14年の政変(1881年)よりも前の出来事を選びます。明治時代の出来事は多くが関連性のあるものですので、つながりで覚えられます。ただし、それでも覚えにくい場合には語呂合わせなどで年号暗記をしたほうが良いでしょう、ただし、早中の社会においては単なる年号暗記よりも、きちんと順序を追って学習を進めておくほうが、並び替え問題の選択肢に流れが感じられる早中の対策となります。

(2)首相にならなかった人物の特定はできるでしょう。ただし、木戸孝允と陸奥宗光がそれぞれどこの藩出身かまでは抑えきれなかった受験生もいたのかもしれません。知識で解ける問題ではありますが、初見に感じられることで、難易度が上がったと考えられます。

(3)1911年やアメリカと交渉したということから、すぐに解答が出せるでしょう。

(4)1918年や富山県で起きた民衆運動から解答ができます。

問4

日清戦争の講和条約である、下関条約により得たものは、
①賠償金2億両(テール)
②台湾・澎湖諸島・遼東半島という領土
➂清は朝鮮を独立国と認めること
の3点でした。このうち②の中にある遼東半島はすぐに、ロシア・フランス・ドイツの圧力により返還しましたが、すぐにロシアに取られてしまいます。これが日露戦争のきっかけの一つであったといわれています。

問5

綿糸は明治に始めに臥雲辰致がガラ紡というものを製作し、発展を遂げ、1883年に大阪紡績会社を渋沢栄一が設立したことで更なる発展をみました。このことから、大阪ではイギリスの紡績業の中心地であったマンチェスターからとって、「東洋のマンチェスター」と呼ばれるようになりました。

問6

1925年には社会主義者の取り締まりのための治安維持法が制定されました。後の日本では軍港主義化でこの法律を拡大解釈し、政府の方針や戦争に反対するものを処罰するための悪法へと変化していきました。

問7

「すべて」という文言にとまどってはいけません。早中の歴史分野の並び替え問題とすべて選べ問題は、その部分の流れがわかっていれば、きちんと解答できるようになっています。日中戦争が長期化したことで、戦争に使う物資や人が足りなくなり、国家総動員法がだされました。その後、資源を求めてフランス領インドシナに侵攻したことをきっかけに日本はアメリカからの石油資源の輸入ができなくなりました。そして、1941年12月に太平洋戦争が勃発しますから、ここまでの出来事を選択すればよいのです。

問8

1945年からは6・3・3・4年体制ですが、それ以前の義務教育は6年間でした。

問9

近代以降の条約とそれを結んだ首相はセットで覚えましょう。そのうえで、条約をきっかけとして何が起きたのかというところまでが整頓できれば、近現代史は完璧です。

〔3〕日本の内閣や行政に関する公民の問題
問1

憲法や法律の規定を実施するために内閣が制定するものが命令ですので、国会の審議にかける必要はありません。

問2

2011年12月というのがヒントとなります。どうしてこの年なのかを考えれば容易に解答ができるのではないでしょうか。未だに2011年3月11日の東日本大震災に関する出題は続きます。それだけの大きな事件でしたので、これからの受験生にはなじみのうすいものかもしれませんが、正しい認識をもっていきましょう。

問3

人口調査や地方自治、選挙などを管理する省庁は総務省です。

問4

パブリックコメントは「意見公募手続」といい、行政手続法により命令などを定めるさいには、広く意見を求めなければならないとしています。これは任意ではなく、義務ですので、法律で定められていない限りは意見を求めなければなりません。

問5

政府が災害派遣出動を命令する先は自衛隊です。また、医療分野での活躍が期待されているのは日本赤十字社です。

問6

安倍晋三首相はこのまま2021年9月末まで任期を全うすれば歴代首相の通算在職日数が桂太郎首相を抑えて1位となる見込みです。現在は
①桂太郎
②佐藤栄作
➂伊藤博文
⓸吉田茂
⑤安倍晋三
⑥小泉純一郎
⑦中曽根康弘
⑧池田勇人
⑨西園寺公望
⑩岸信介
となっています。
安倍首相の話題があったことから、このような時事問題が出題されたものと考えられますので、これをきちんと暗記するというよりは、その時の話題に関するものをきちんと学習すると合格可能性が上がっていくでしょう。

合否を分けた一題

〔1〕
問5

(1)表から都道府県を特定する問題です。海水浴場数が「0」ということは、内陸県であるということ、スキー場数の多さから北陸などの日本海側、もしくは東北地方の寒冷な気候の県であるということなど、多くのヒントが見出せます。このように、表から都道府県を決める問題では、どこかの項目に必ず区別のポイントが隠されています。近年では、模試などでもよく取り上げられます。テキストの学習だけではなく、模試の見直しなどを行い、「ヒントを発見する眼」を養いましょう。また、気づいたこと、発見したことなどはいちいち細かく書き入れるようにしましょう。
(2)地熱発電は噴出する温水を利用してタービンを回す発電方法ですので、地下から噴出する温水は温泉として利用されます。そのため、景観を損なってしまうなどの理由から地熱発電所の建設に反対をする住民がいることは基礎知識でしょう。ただし、それ以外の理由といわれて驚いてしまった受験生がいたのではないでしょうか。地下資源の豊富な地域は自然の作り出した美しい景観ということもあり、国立公園に指定されることがあります。それにより、開発制限がされる場合があります。

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