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2014 入試問題 一問一答解説【理科】

I 天体

(1)パンスターズすい星の見え方

問1 すい星の見える時刻

すい星の見え方としては習っていないかもしれませんが、金星の見え方と同じように考えればよい問題です。
各時刻で見える範囲は図1のようになりますから、すい星を見ることができるのは日の入り直後、となります。
よいの明星と同じ位置にある、と考えてもよいでしょう。

解答 


図1

問2 すい星の見える方角

これも、金星の見え方と同じように考えればよい問題です。よいの明星と同じ位置ですから西。
図で考えると、日の入りの地点で方位をかけば図2のようになりますから、やはり西になります。

解答 


図2

問3 すい星の尾

すい星の尾が太陽と反対の方向に伸びることを知っていないと解けません。
また、すい星に対して、太陽がどの位置にあるかも分かっていないと解けませんので、難度の高い問題といえるでしょう。
図2から、太陽はすい星よりも西に見えることが分かりますから、西の空を見ると図3のような位置関係になるはずです。
太陽と反対の方向に尾が伸びますからいちばん近いのはエでしょう。

解答 


図3

問4 すい星の動き(時間)

一見難しそうですが、同じ日にそのまま観察を続けるので、普通の星の動きと同じです。
地球が自転すると、西の空にあるすい星は西の地平線に沈んでいきます。

解答 

問5 すい星の動き(10日後)

A→Bの位置に動くと、見える位置はどう変化するか?ひとつひとつ検証していきます。

 日本での方位は図4のようになります。北の方に移動したことがわかります。○
 地球から見て、太陽との位置関係が変化していますから、
  太陽と反対の方向に伸びる尾の方向は変化します。×
 南極から見える範囲は図4のようになりますから、見えません。×
 地球からのきょりが遠くなりますから、暗くなります。○

よって
解答 ア、エ


図4

(2)星の動き

問1 知識問題

ここで一気に拍子抜けするサービス問題登場。

解答 北斗七星

問2 星の動き(時間)

3/12 21時→3/13 5時 8時間後ですから、15×8=120°反時計回りに動きます。

解答 

問3 星の動き(日付と時間)

3ヵ月後ですから、30×3=90°進み
21時→23時ですから、15×2=30°更に進みます。
120°反時計回りに進んだところなので

解答 

II トカゲの体温と行動

問1 トカゲとイヌの体温比較

トカゲの体温グラフ(変温動物)から、イヌ(恒温動物)の体温グラフを考える問題です。イヌが恒温動物だということは桜蔭志望者なら誰でも知っているでしょう。すぐにカとキに絞り込めます。次に、問題文にはA(低温)とB(高温)ではトカゲは生きていけない、とあります。この気温でイヌが生きていけるかを考えればよいでしょう。雪が降るような低温でもイヌは元気に走り回りますから、イヌの体温グラフはAの範囲でも一定に伸びているはずです。

解答 

問2 変温動物を選ぶ知識問題

セキツイ動物が並べられています。魚類・両生類・は虫類が変温、鳥類・ほ乳類が恒温ですから、カエル(両生類)とカメ(は虫類)を選べばよい問題です。

解答 イ、カ

問3 卵で増える動物を選ぶ知識問題

子を生んでなかまを増やすのはほ乳類だけですから、それ以外を選べばよいです。

解答 ア、イ、カ

問4 グラフ選択問題

巣穴、地温、トカゲの体温のグラフを選ぶ問題です。
見慣れたグラフの地温から選ぶのがよいでしょう。午後1時頃最高になっている②。
残りは15℃程度で一定になっている③か、日中35℃程度に上がっている①。変温動物であるトカゲの体温が一定のはずがありませんから、①がトカゲの体温と判断できます。

解答 ①ウ ②イ ③ア

問5 グラフからトカゲの行動を考える問題

A:トカゲの体温が一気に上がっていますから、日光浴をして体温を上げたと考えられます。
  実際、朝〜午前中にはトカゲをよく見かけます。
  体温が上がりきらないうちは動きも鈍いので、捕まえやすいのもこの時間帯です。
B:体温が上がったら活発に活動すると考えられます。
C:体温よりも地温が高くなっています。
  日なたに出ていたらこれと同じくらいの体温になっているはずなので、
  日かげにいたと判断できます。
D:地温と体温の関係がBと似ているので、活動していたと考えるのが自然でしょう。
E:巣穴に帰ったので、体温が下がり巣穴の温度と同じになっています。

解答 Aイ Bエ Cウ Dエ Eア

問6 グラフと文章を照らし合わせて考える読解問題

問題文に発熱の役割が説明してあります。

・ウイルスや細菌が増えるのをおさえる
・免えき細胞のはたらきを高める

これが読み取れれば、体温が高い方が生存率が高い、と考えられるはずです。

解答 A

問7 トカゲの行動の意味を考える記述問題

問6の内容を理解出来ていれば難しくない記述です。
細菌感染→体温を上げたほうがよい→日なたに出る と考えられます。

解答例 (例)体温を上げるため、日なたに出る

III ばね

問1 ばねの自然長を求める

非常に平易な問題ですが、これを間違えるとこの後全滅してしまうので、慎重に求めたい問題です。

A 20g→9cm
  60g→11cm ですから
40gで2cmのび と分かります。
20gでは1cmのびていますから
9−1=8cm

B 同様に
  30g→11cm
  60g→12cm
30gで1cmのびていますから
11−1=10cm

解答 A 8cm  B 10cm

問2 ばねにつるした重さを求める

13.5−10=3.5cmのび
Bは30gで1cmのび なので
3.5÷1×30=105g

解答 105g

問3 2本のばねで棒を支える

典型的な問題です。棒の重さはなく(これの確認は重要!)棒の中央におもりが下がっていますから、AとBにかかる力は同じで、長さも等しくなっています。

同じ重さがかかったときのAとBののびの比は
A 20g→1cm
  60g→3cm
B 30g→1cm
  60g→2cm

A:B=3:2
Aののびを③、Bののびを②とすると、この差が自然長の差と等しくなります。
③−②=2cm
①=2cm
Aののびは③=6cm

よってAの長さは
8(自然長)+6=14cm
また、Aにかかる力は
6÷1×20=120g になります。

AとBに半分ずつ重さがかかっていますから、おもりaは
120×2=240g と分かります。

解答 14cm、240g

問4 2本のばねで棒を支える

Bの長さが分かっているタイプです。
ここから攻めればよいとすぐ分かる、解きやすい問題でしょう。

Bののびは
13−10=3cm
よってBにかかる力は
3÷1×30=90g
水平になっていることからAも13cmと分かります。

Aののびは
13−8=5cm
よってAにかかる力は
5÷1×20=100g

よって、おもりbの重さは
90+100=190g
AとBにかかる力の比が
A:B=100:90=10:9
ですからおもりまでのきょりの比は
A:B=9:10

Aからのきょりは
20×9/(9+10)=9.5cm
となります。

解答 9.5cm、190g

問5 棒を支えている2本のばねを、さらに支える

おもりcの重さやばねA・Bの長さを求めたくなりますが必要なく、AとBにかかっている力の比さえ分かれば解けてしまう問題です。

おもりcは左から8cmのところにありますので、AとBまでのきょりの比は
A:B=8:12=2:3
AとBにかかる力の比は
A:B=3:2 です。

上の棒には左端に③の重さ、右端に②の重さがかかっていることになります。
図のようになりますから、中央をつるすと左に傾き、水平にするためには左から8cmの位置をつるせばいいことになります。

解答 ア、エ

問6 ばねの長さを求める

ここで簡単な問題に戻りました。
Aが20cmになっているので
Aののびは
20−8(自然長)=12cm

Aは
20gで1cmのび なので
Aにかかる力は
12÷1×20=240g
棒の重さは240gと分かります。

これがBにかかると
Bは30gで1cmのび なので
240÷30×1=8cm のび
Bの長さは
10(自然長)+8=18cm

解答 18cm

問7 棒を2本のばねで支える

棒の重さが加わりましたので、2個のおもりを支える問題になりました。
桜蔭志望者なら解きなれた問題でしょう。
まずは棒の重さを考えます。
⑦から、この棒の重心は棒の中央と確認できますから、AとBには
240÷2=120gずつかかります。

この時点でAとBの長さを求めると
A 120÷20×1+8(自然長)=14cm
B 120÷30×1+10(自然長)=14cm
長さがそろっているサービス問題でした。

あとはのびが同じになるように重さを分けるだけです。
のびの比 A:B=3:2
同じのびにするための力の比 A:B=2:3
きょりの比 A:B=3:2
ですから、Aからのきょりを求めると、
20×3/(3+2)=12cm

また、Aにかかる力は
200×2/(2+3)=80gなので
80÷20×1=4cm のびることになります。
棒の重さがかかった時点で14cmでしたので、Aの長さは
14+4=18cm

解答 12cm、18cm

IV 気体と燃焼

問1 穴埋め問題(知識)

木を蒸し焼きにすると何になるか、という基本問題。

解答 木炭

木炭を燃やすと何が残るか?
あまり問われることのない問題ですが、難しく考える必要はありません。

解答 

ろうそくを燃やすとできるもの。これは二酸化酸素と水ですが、気体Bと(③)という問になっています。おそらく気体Bが二酸化炭素ですが、「水蒸気」かもしれないので確認します。
文中に「気体Aと炭素が結びついて気体Bができ」とあることから、気体Bはやはり二酸化炭素です。
よって③は

解答 

「液体のろうが(④)して気体になる」液体が気体になることを何と呼ぶか? という問題です。気化でも蒸発でもよいでしょう。

解答 気化(蒸発)

問2 気体の性質(選択)

まず気体A、B、Cが何であるか確認します。
気体Aは燃えるときに結びつく気体と説明されていますので酸素
気体Bは問1で述べたように二酸化炭素
気体Cは空気中に最も多く含まれる気体なので窒素
です。

 過酸化水素水にレバー→酸素
 塩酸に貝がら→二酸化炭素
 水酸化ナトリウム水溶液にアルミニウム→水素
 飛行船に入れる軽い気体→ヘリウム
 水によくとける、においがある→アンモニア、塩化水素
 天然ガスの主成分→メタン
 −196℃で液体、冷凍食品で利用→窒素
 食塩水を加熱すると発生→水蒸気
 肺静脈に多い→酸素
 キノコの栽培工場で発生→二酸化炭素
となります。

コ キノコの栽培???知らないよ!となるかもしれませんが、キノコも生物ですから呼吸して二酸化炭素を出すことに気付けばよい問題です。キノコは葉緑体を持たないので光合成はしません。
キ は知らない受験生が多いと思いますが、他に窒素として選べるものがないので消去法で解けば正解できるのではないでしょうか。

解答 Aア、ケ  Bイ、コ  Cキ

問3 木ガスの性質(選択)

「すべて」だったら悩むかもしれませんが「1つ」なので簡単です。
黄色い炎をあげて燃えることは知っているはずです。

解答 

問4 酸素・二酸化炭素・窒素の割合

燃やす前は、空気中の割合ですから基礎知識ですね。
酸素21% 二酸化炭素0.03% 窒素78%
燃やした後も窒素は変わらず78%
酸素は減り、二酸化炭素は増えますが、それでも酸素の方が多いのがポイントです。ヒトの呼気の割合と似ています。
酸素18% 二酸化炭素3%
窒素が78%ですから、残りは合計22%、ほかの気体も少し含まれますから酸素と二酸化炭素の合計は21%程度になるはずです。酸素を減らして二酸化炭素を増やし、合計を21%程度に出来る組み合わせは、選択肢の中にこれ以外ありません。

解答 ①カ ②オ ③ア ④ウ ⑤キ ⑥キ

問5 燃焼の知識

ほのおをあげて燃えるもの=気体になってから燃えるもの です。

 ガスなのでもちろん○
 アルコールが気体になって燃えることは知っているはず○
 スチールウールは固体のまま燃えるのでほのおは出ません。火花は出ます×
 綿が気体になって燃えるかは知らないかも知れませんが、
  燃えている様子は想像できるのではないでしょうか。
  木と同じように木ガスを出して燃えるのでほのおは上がります。○

解答 ア、イ、エ

② 二酸化炭素が発生しないもの

石油・石炭・天然ガス、動植物の体及びそれが変化したものには炭素が含まれていますので、燃えると二酸化炭素が発生します。
スチールウールは鉄ですので、燃えると酸化鉄になるだけです。
炭素+酸素→二酸化炭素
鉄+酸素→酸化鉄

解答 




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