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国語の合否を分けた一題

桜蔭中入試対策・国語の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

問一B  問二A  問三C  問四B  問五A  問六A
問一B  問二B  問三B  問四B  問五B  問六B

A…桜蔭中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

問一

傍線部を含む一文の中に「ここ」という指示語があるので言い換えます。前を見ると、門のことだと分かります。また、傍線部後半の「価値がある」というプラス表現の言い換えを探すと、傍線部より前に、「入れてもらえない人もある門に、自分は入れてもらえたからこそ嬉しいのだ」とあるので、ここにも着目しましょう。さらに、傍線部の後ろを見ると、門に入れてもらえる人は、家族、友人、特に招かれた客人と、特別な人間関係にあると認められた人に限られることが分かります。以上を踏まえると、

「私の入り口だ」とは、誰でも入れるわけではない門が、私にとっては入れるものとして存在しているということである。これは、私が内にいる者に特別に受け入れられたことを意味するので、その貴重さゆえに価値があるのである。

などと書けます。

問二

空欄の直後に「同じ門をくぐって入り、生き方、考え方を共にする人々のまとまりをいう」とあり、さらに、設問の条件に「漢数字をふくむ漢字二字で」とあります。以上を踏まえると、「一門」が答えであると分かります。

問三

合否を分けた一題のところで詳しく解説します。

問四

傍線部を前後に分割すると、「人の住む空間の基本条件は」と「人が訪れることにある」に分けられます。直後に動物の巣との対比があり、この一文が前半部に対応しています。その一文に含まれる「ここ」とは、直後の「門・入口によって、内(私)は外(他)とつながるのである」のことであり、この部分は傍線部の後半部とも対応しています。以上を踏まえると、

人間の家というのは、門を通じて人の訪れを受け入れたりこばんだりすることによって、他の人とのつながりを形づくっていく場所であり、そこが動物の巣との重要な違いだから。

などと書けます。

問五

空欄を含む一文を見ると、「竪穴住居をみて」とあるので、直前の段落に着目しましょう。すると、入口自体がひとつの空間になり、やがて部屋になるという内容が見つかります。したがって、答えは「部屋」になります。

問六

漢字問題です。ここは確実に全問正解しておきたいところです。

問一

直前に「頭をかかえていました」とありますが、これが困っている気持ちの表れです。その一文を見ると、「クーイ族史」を読むものが、いったいいつの世代のヤービなのか、はたまたセジロなのか、マミジロなのか、さっぱりわからないのではないだろうか、といった内容が書かれています。これを抽象化すると、「誰についての記述か分からず、混乱してしまう」となります。

また、そうなる理由を考えます。すると、ページ上段にヤービ族の名前の特徴が書かれています。まとめると、「特定の人物を指すものではなく、生まれた順番や、親子関係、夫婦関係、見た目の特徴を表す記号のようなものにすぎない」となります。
以上を踏まえると、

ヤービ族の名まえは、特定の人物を指すものではなく、生まれた順番や、親子関係、夫婦関係、見た目の特徴を表す記号のようなものにすぎない。だから、あるひとつの時代の中でなら、人物が特定できるとしても、パパのように一族の歴史書を書こうとすると、同じ名まえがいろいろな時代に登場することになるので、誰についての記述か分からず、混乱してしまうこと。

などと書けます。

問二

それぞれの波線部に対応させながら考えます。

まず、波線アからは、自分以外にも同じ名まえを持つものがいることに違和感を覚え、自分だけのために作られた特別な名まえで呼ばれたいと考えていることが分かります。

次に、波線イからは、名まえは自分の生き方や特徴を表すものであるべきだと考えていることが分かります。

最後に、波線ウからは、名まえに、自分がこうなりたい、こう呼ばれたいという願いをこめてもよいと考えていることが読み取れます。
以上を踏まえると、

マミジロは、「二番目の子ども」という記号でしかなく、ほかにも自分と同じ名を名乗るものがいる今の名まえに違和感を覚えている。そして、自分だけのために作られた特別な名まえで呼ばれたいと思っている。その名前は、自分の生き方や個性を表し、自分がこうなりたい、自分が人からこう思われたいという願いがこめられたものであり、マミジロの、一つ所にとどまることなく旅を続ける詩人でありたい、きらきらと光り輝くすばらしい存在でありたい、という願いが「さすらいの詩人」や「ブリリアント」という名前に表れているのである。

などと書けます。

問三

傍線部を簡単に言い換えると、「名まえが持つイメージが、その名前を付けられた人物に定着する」ということになります。

これを「ほのおの革命家」の例にあてはめるので、「ほのおの革命家」という名まえの持つイメージについて記述するとよいでしょう。
以上を踏まえると、

ヤービは、「ほのおの革命家」に会ったことはないが、その言葉のイメージから、自分を犠牲にしながらどれいたちを解放しつづけ、しまいにはどれいのいない理想社会を作り出した英雄を想像し、あこがれている。このように、ある人物に名まえがつくと、その名まえが持つイメージがその人物に定着するということ。

などと書けます。

問四

問二で答えたマミジロの考え方と対比させて考えると解きやすいでしょう。

傍線Cの直後に「かくれみの」とあるので、この比喩を「自分の特徴をあらわにしない」と言い換えましょう。また、傍線Dの中の「ひりひりする感じ」が何かを考えますが、これは、問三で見た、「名まえの持つイメージがその人に定着してしまうこと」による窮屈さ、不自由な感じとでも言い換えられるでしょう。
以上を踏まえると、

名まえは、役割を示す程度のものでよく、その人がどんな個性をもっているかという特徴をあらわにすることはなく、無理に自分を主張しなくてもすむことから、ヤービは今の自分の名まえに満足している。一方、じぶんだけの特別の名まえがあると、自分の考えや人柄がむき出しになり、その名まえの持つイメージ通りの生き方を強いられるような不自由さを感じることになり、安心できないのではないかと考えている。

などと書けます。

問五

設問をしっかりと読みましょう。単なる漢字の書き取り問題ではありません。
①…愛情、友情、感情、情熱などが考えられます。
②…満潮、満月、不満、満腹などが考えられます。

問六

今までの設問を解いていると、その人のためだけにつけられた特別な名まえというものは、その人の特徴や個性というものを強く表すものであることが分かります。したがって、答えはエとなります。

合否を分けた一題

難問ぞろいの桜蔭中の国語ですが、特に、まとめるべき範囲が広いうえに、具体化が求められる問題で差がつくことが多いです。では、具体的に合否を分けた一題を見てみましょう。

一 問三

傍線部を前後に分割すると、「そうした人間の行為、心の動き」と、「応じたかたちを持つこと」に分けられます。特に、後半部を言い換えるのが受験生にとっては非常に困難だったのではないでしょうか。

解き方の手順

〔1〕前半部は指示語つきなので直前を見ます。すると、準備、待つこと、期待、不安といった要素が見つかります。

〔2〕さらに、それらを含む一文には「このように」が含まれているので、直前の段落もまとめなければならないことが分かります。

〔3〕すると、門とは、門の中にいる人々の仲間に本当に加わるという決心や決意があるのか、自分の心をみつめて準備をする場所であることが読み取れます。

〔4〕そうすれば、〔1〕で示した期待や不安をどう具体化すればよいのかも見えてきます。

〔5〕次に傍線部の後半ですが、オックスフォードやケンブリッジのカレッジの門の例を通して、「門の持つべき多様な意味に対応した見事なかたちが与えられている」と書かれていて、ここが言い換え部分となります。

以上を踏まえると、

門の前に立ち、門の前で待つ間、人は静かに自分を見つめる準備をし、本当にこの中に入り仲間に加わりたいのか、と心に問いかける。そして、門の中で起こる楽しいことを思い描いては期待に心おどらせたり、苦しいことを考えては不安にさいなまれたりするが、そのような思案を経たうえで、門をくぐり、覚悟と決意を示す。門はこのような行いや心の動きを、門に立つ人にもたらすような、みごとな姿をしているということ。

などと書けます。

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