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国語の合否を分けた一題

麻布中入試対策・国語の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

問一A  問二B  問三A  問四A  問五A
問六A  問七C  問八B  問九A  問十A
問十一(1)A  問十一(2)B

A…麻布中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

問一

漢字の書き取り問題です。

問二

言動の理由を心情で説明する記述問題です。
設問のなかで注目すべき範囲が指定(「10~21行目をよく読んで…」)されてはいますが、心情の理由にあたる内容(「自分の妹とも思えない考え方」「平然と答えて」)の言い換え(「生意気」)で頭を悩ませた受験生が多かったのではないでしょうか。

問三

行動の理由を心情変化で説明する記述問題です。
傍線部の手前、49行目で主人公の驚き(「あっけに取られた」)とその理由(「…目は真剣…『お願い』…」)がはっきりと確認できます。あとは、問二でふれた変化前の様子(「生意気」)との対比で説明すれば正答できます。

問四

心情(驚き)の理由を説明する記述問題です。
傍線部直後の61行目で解答の要素(「この子がくやしがる…なんて想像できない」)がすぐに確認できます。次に、傍線部直前の59行目から具体的な状況(「…(逆上がりが)できなくて居残り…笑われた…」)を確認し、元々の印象との対比で説明すれば正答できます。

問五

心情変化を具体的に説明する記号選択問題です。
心情は、傍線部ではっきりと表現(「だれかが何かできるようになる瞬間に立ち会う…楽しい…」)されています。あとは選択肢のなかで強調されている心情説明を具体的に確認すれば悩むことはないでしょう。
ア 「妹が…成長していること…うれしく…」
イ 「教えること…心が浮き立つ…」
ウ 「素直にたよられるうれしさ…人の役に立つ喜び…」
エ 「姉妹の強いきずな…」

問六

行動の理由を心情で説明する記述問題です。
傍線部の手前、101~105行目で具体的な内容(「…断ったら……呼んでくれなくなるかもしれない」、「…練習は…明日も…するだろう」)が確認できます。易問。

問七

ふたつの異なる心情の内容を具体的に説明する記述問題です。
傍線部の心情(「ほっとした」、「残念」)について、直接くわしく説明している箇所は見当たりません。このような場合は、「もし~~ではなかったら…」という仮定で考えることが有効です。実際には「…人かげはなくて(うみかはいなかった)」わけですから、「もし、うみかが一人で鉄棒の練習をしていたら…」という仮定になります。ここで考えられる「主人公にとってのプラス・マイナスの意味」は以下のようになるでしょう。
 ⇒途中からでも練習に立ち会えて楽しい (プラス)
 ⇒約束に遅れたことを責められるのでは…(マイナス)

最後にこの内容を反対の意味に直します。
 ⇒練習に立ち会えず、さびしい(マイナス)
 ⇒約束に遅れたことを責められずにすんだ(プラス)
解答に使える具体的な材料が本文から直接得られない難問と言ってよいでしょう。

問八

言葉の微妙な違いから心情を具体的に説明する記号選択問題です。
傍線部の手前で主人公の心情(「…なみだが出てきそう…」、「…妹が弱気に…)を確認することはできますが、設問(「『なれるよ』を『なってよ』に言い直したのはなぜか」)の答えが分かる内容にはなっていません。ここが難しいところです。
このような場合には、「各選択肢のポイントとなる内容から傍線部に戻る」という、通常とは反対のプロセスをたどるのもひとつの方法です。
ア 「ただはげます…しか…ない…」
イ 「やさしくなぐさめ…不安を取り除いて…」
ウ 「夢をかなえることは…自分にとっても大切なこと…」
エ 「妹を奮い立たせたい…」
「なれるよ」に対して、「なってよ」という表現には「自分の願い」が込められているということが、選択肢の説明から浮かび上がってくるわけです。

問九

心情を具体的に説明する記述問題です。
傍線部の手前、160~162行目に「…いやだ、とさけびそうに…」、「宇宙飛行士が目指せなくなるなんて…」とあります。また、傍線部の後、171行目には「…あの子のために何ができるだろう」とあります。これらを合わせてセリフ表現を直せば、正答できます。

問十

他者に対する新たな理解を説明する記述問題です。
傍線部の後、185行目に「いやなこと…大好きな宇宙…を思い…たえている…」とあります。言い換えの必要はほとんどありません。書き抜きに近いレベルの問題ですね。

問十一(1)

主人公の変化前の心情を説明する記述問題です。
傍線部①の直後に「…悪目立ちする浮くものに…しない」とあります。また、文章の終盤、212~214行目で「ただ文章を書いてるだけなのに…はずかしいことを…まじめないい子に…みんなに見せようとしている…不安…」とあります。易問でしょう。

合否を分けた一題

「作品全体の主題」につながる「心情変化」を説明する記述問題。これを最後に設定するのが、麻布中学の国語のひとつのパターンです。2016年度の最後の設問は、複数の傍線部を提示して具体的な場面の心情に限定して問うているように見せていますが、実際は、「作品全体の主題」につながる「心情変化」の説明を要求しています。

問十一(2)

主人公の変化後の心情を説明する記述問題です。

解き方の手順
①傍線部⑪「自分に何ができるか…」の答えを確認します。
⇒215行目「…これをうみかに読んでほしい…」指示語の内容を明らかにしましょう。
     ↓
②この傍線部⑪の心情をもたらした「きっかけ」を確認しましょう。
⇒160~162行目「宇宙飛行士が目指せなくなるなんて、ダメだ!」という思いであり、
それは元はと言えば「自分が練習に立ち会わなかった間に妹がケガをしたこと」です。
116行目「私のせいだ…」。この罪悪感が、傍線部⑪の心情につながるわけです。
     ↓
③最後に、変化前の心情と対比させましょう。
⇒「周囲の目を気にせず…」
麻布中学の国語の入試問題は記述の設問数が多く、最後まで解ききるのがなかなか難しいというイメージがあろうかと思われます。しかしながら、設問構成がある程度パターン化されているのも確かです。過去問演習を通じて「最後まで解ききる」力を養うことが大切でしょう。

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