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算数の合否を分けた一題

麻布中入試対策・算数の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

A
(1)A (2)B
(1)A (2)A (3)B
(1)B (2)B 
(1)A (2)B (3)C
(1)A (2)B (3)B (4)C

A…麻布中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題

問題別寸評

分数と小数が混ざった四則計算です。非常に基本的な出題なので、麻布中合格を目指すならば落とせません。

(1)

時計算の基本問題です。秒の値を帯分数で答えなければいけませんので、注意が必要です。

(2)

1時ちょうどから数えて、長針と短針の作る角度が120°となる8回目の時刻を求める問題です。4時ちょうどに120°となることに気をつけて、状況を正確に把握できたかがポイントです。

(1)

BP=□とおいて式を作っても良いですし、斜線部分を2倍してつるかめ算の面積図に持ち込んでも良いです。見直しもできますので確実に正解したい問題です。

(2)

こちらもBP=□とおいて式を立て、消去算に持ち込むことによって比較的容易に解くことができます。難関校を目指す受験生にとって、未知数を記号で表し式を立てるという解法は、ぜひマスターしておきたいところです。

(3)

(2)をほぼ同じ設定の問題です。解き方は同じですので、(2)が解けた生徒は容易だったかもしれません。

(1)

予定の動きと実際の動きを比較することで、速さ・距離・時間の比を考えていく問題です。
線分図、ダイヤグラムといくつかの方法がありますが、どの方法を使った場合でも、しっかりと予定と実際の動きの違いを見つけ、そこから考えていくことができたかが問われる、速さの比の応用問題です。

(2)

まず(1)で速さが正しく求められていないと、(2)は正解することができません。そのため、(1)の答えを見直すようにしておきたいです。こちらも2つの進み方の違いに注目し、そこに比をあてはめていくことが求められます。

(1)

砂糖水の濃度を使った問題ですが、本質は数の組み合わせを考える「不定方程式」の問題です。中に含まれる砂糖の重さに注目し、記号を用いた式を立てられたかどうかがポイントです。

(2)

(1)と同じように不定方程式を解いていく問題ですが、「Aには角砂糖が2個以上入る」「濃さが同じになったら操作を終える」などの条件が加わっています。特に、「濃さが同じになったら操作を終える」という条件が、「AとBに入れた回数が互いに素(最大公約数が1)の関係になる」ということに気づけたかが最大のポイントです。

(3)

こちらも作業自体は(2)と同じですが、まずは濃さが6.25%になったということから、何回操作をしたのかを導き出す、という手間が増えています。こちらも(2)と同じ条件を意識し、絞り込んでいくことになりますので、作業の正確さとスピードが問われる難問でした。

(1)

数字と約束記号を使った問題です。(1)は約束記号の規則が理解できているかを確認する問題です。規則の例で確認しながら作業すると解けるはずです。確実に正解しておきたい問題です。

(2)

[A]=22となるAを3つ求める問題です。Aの桁数や一番左に来る数字で場合分けをきちんとし、全て調べ上げて求めましょう。作業の正確さが問われる問題です。

(3)

今度は、[A]=AとなるAを求める問題です。Aの桁数で場合分けをし、A=1Bや2Bのように、未知数に記号をあてはめて考えていくことが正解への近道です。どれだけの時間をかけられたかが重要です。

(4)

最後は、[A]が292の倍数である8桁の整数となるA(6桁以下)を全て求める問題です。
(2)(3)と同じ、場合分け・記号で表すといった技術をフルに使い解いていく難問です。ただし、見つけられた分だけ部分点が入る問題ですので、時間が十分なくても取り組み、可能な限り見つけられたかも大事なポイントです。

合否を分けた1題

例年、麻布中の算数は「平面図形や速さにおける比の習熟」や、誘導に沿った「丁寧な作業力」と「関連付けて考える力」が問われることが特徴です。
ただ難度は年度によって多少上下し、それに伴って4科の合格最低点も上下することも特徴として挙げられます。今年度の算数は、時計算・速さと比・不定方程式・調べ上げ、とやや難易度も高く、作業量も多い問題が続き、算数の得意不得意で点差がつく出題だったと言えます。全体の難度も昨年より少し上がっていると思われます。
そのような今年の出題において合否を分けた一題として挙げられるのは、麻布対策の軽重が得点差として最もあらわれやすい「速さと比」を題材にした大問4です。

(1)

月曜日・火曜日の動きにあわせて、ふだんの動きも図にし、比較していきます。

ふだんと火曜日で8分の差がついたのは、AC間を歩いた時間と走った時間の差が8分だったからです(CD間は同じ速度で進んでいるので)。
火曜日はAC間を3分走ったので、ふだんAC間は3+8=11分で歩きます。
同じ距離を移動するのにかかる時間の比から速さの比を求めると、
歩く:走る=3:11 となります(かかった時間の逆比)

また、ふだんと月曜日で1分の差がついたのは、AB間を歩いた時間と走った時間の差が1分だったからです(BD間は同じ速度で進んでいるので)。
速さの比が、歩く:走る=3:11より、AB間にかかる時間の比は、ふだん:月曜日
=11:3 となります。この差が1分なので、月曜日にかかった時間は、
1÷(11-3)×3=0.375分となります。
したがって、走る速度は、99÷0.375=毎分264mとなり、歩く速度は264÷11×3=毎分72mとなります。
答え:毎分72m

(2)

(1)より、歩くと走るの速さの比が3:11とわかりましたので、水曜日に走った距離(AF)と歩いた距離(FD)の比も11:3となります。そこで、AF=⑪m、FD=③mとすると、
AD=⑭mとなります。

一方、木曜日は中間地点まで走ったので、走った距離は⑭÷2=⑦mとなります。

水曜と比べて木曜が4分遅かったのは、EF間を歩いたからです。
この区間を歩くのにかかった時間は、4÷(11-3)×11=5.5分
よって、EF間の距離は、72×5.5=396mとなります。
これが⑦-③=④と同じですから、AD間の距離は、
396÷4×14=1386mとなります。
答え:1386m

注意すべき点が多く、また問題文の条件の読み取りや速さと比にどれだけ慣れていたかが問われる、難度が高い問題です。

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