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社会の合否を分けた一題

麻布中入試対策・社会の合否を分けた一題(2021年度)

難易度分類

問1 A 問2 A 問3 A 問4 A 問5 B 問6 A問7 A 問8 B 問9 B
問10 A 問11 A 問12 C 問13 A 問14 A 問15 B 問16 B 

A…麻布中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2021年度の麻布中は、これまでの大問一題の形式から、大問二題の形式へと変更となりました。
難易度や解答形式は例年からの大きな変更はなく、記述問題の出題が中心です。
今回は「食」をテーマとした食料生産の歴史や食品の加工、共食に関する問題です。

地理分野の問題は、農業や漁業をテーマとして白地図や表、資料に基づく問題が出題の中心でした。
解答しやすい問題が大半ですが、中にはマニアックな知識ついて説明させる問題なども見られたため、基礎から応用まで対策が必要であるといえます。

歴史分野の問題は、例年通りの難易度で、古代から江戸時代にかけての歴史が出題の中心でした。
その中でも、古代の歴史は解答に必要な知識は差がつくといえます。与えられた図に加えて、設問の内容整理を行うとともに、まんべんなく知識を定着させる必要があります。

その他、身近なくらしに関する問題として「こども食堂」や「給食」について取り上げられていました。
小学生にとって身近な「給食」がテーマのため、比較的解答しやすい問題といえます。

問題構成は、3分野から大問2題、小問20問。
解答形式は、語句補充5問、記号選択が5問、記述が10問。
解答形式は記述問題が中心です。記述は、1行程度から120字までの大型記述と多様です。
語句や記号選択問題の難易度を考えると、記述での得点が合否を大きく左右します。小問数に対して制限時間を考えると余裕があるように思えますが、リード文の読み取りや記述の解答作成にかかる時間を考慮すると決して余裕があるとはいえません。限られた時間の中での問題の取捨選択や取り組む順序、記述をまとめる力が求められています。

問題別寸評

【1】

(地理分野)「食料の生産」をテーマとした農業を中心とした1次産業についての問題です。
農業は地理の定番といえます。定番問題での失点がないよう、記述以外の基礎学習も欠かさずに行いましょう。世界地理からは宗教や気候、歴史は昭和時代、地理は伝統工芸が出題されました。世界地理、歴史、地理ともにテキストに記載されているレベルのもので大きな差はつかなかったといえます。

問2

グラフから産地を判別する問題です。
合否の分かれ目が記述問題であることを考えると、こういった標準レベルの問題では確実に得点を重ねるべき問題といえます。
きゅうりは夏野菜ですので、冬の期間は促成栽培がさかんな地域で生産されることが予想されます。
したがって、Aは宮崎県であると判別できます。
次に、最も生産量の多いBに注目します。きゅうりの生産量は1位が宮崎県、2位群馬県、3位埼玉県(平成30年)となっているため、Bには埼玉県があてはまります。

問4

表の共通点を読み解く問題です。
この問題は、「郷土料理」と「ご当地グルメ」の違いを説明する問題です。
郷土料理については、説明文中の「…その地域限定で伝統的に食べられていたもの」とあります。
この説明を踏まえた上で解答を作成します。
表の中の共通性を考えると「焼きそば」や「ラーメン」といった元々広く食されてきた料理をその地域で独自にアレンジを加えて提供しているものであることがわかります。
その地域独自の料理を新たに生み出すことで、観光客の呼び込みなど地域振興につながります。

問5

用語の説明記述問題です。「スポンジ」という言葉を手掛かり考えます。
都市のスポンジ化とは、都市から人口が減少し、使われない空き地などが増え、スポンジのように小さい穴があくように空間が生じ密度が下がっていくことです。

問6

資料読み取り問題。
調理に便利なカット野菜を消費者が購入するメリットとスーパーやコンビニと契約している農家にとっての利点を答える問題です。
左の写真からは、調理のための下準備が不要である点が読み取れます。
右の写真からは、形の不揃いな規格外の野菜でも消費されるという点が読み取れます。
不揃いな規格外品の野菜を活用できるため、カット野菜の消費が増えることによって、農家の収入が増加するという利点もあります。
【解答例】
消費者 下処理などの調理工程を省くことができるから。
/調理に必要な分だけを買うことができるから。
農家  形の悪い規格外品となった野菜を活用して収入を得ることができるから。

問8

水産業・環境問題に関する問題です。この問題は知識量によって差がつくといえます。
資料にある「ASC認証」とは、養殖場による自然環境の破壊や水質や海洋環境の汚染などについて、環境に大きな負担をかけず、地域社会にも配慮した養殖業を認証する制度です。

問9

無形文化遺産「和食」に関する問題。
「和食」を無形文化遺産に登録する日本国内に向けたねらいは、伝統料理・文化の保護や継承などが考えられます。一方、海外に向けたねらいは、外国人観光客の増加や国産の作物の輸出量の増加が考えられます。今回は、条件の中に「資料から分かることを参考にして」という指示はありませんでしたが、資料の「年中行事との関わり」「新鮮な食材」「美しさ・季節の表現」という部分は、手がかりとなります。

【2】

(歴史・現代社会)「食文化」や「共食」に関する総合問題です。
麻布中学の社会では、時代背景を踏まえて記述する問題が数多く出題されています。また、設問やリード文中の時代を示すキーワードを手がかりに記述する問題も見られます。
各時代の出来事や民衆・社会の様子は資料集などで詳しく説明されていますので、日頃の学習において、資料集を活用する意識をもちましょう。
例年、大問の後半に大型の記述問題が出題されるのが麻布中の特徴です。この大型記述でいかに失点しないかが合否の分かれ目です。したがって、日頃から記述の練習を欠かさず行うようにしましょう。

問12

資料を活用する記述問題です。
「高杯(たかつき)」は弥生時代に用いた、盛り付け用の土器です。
高杯の大きさが異なる理由は、食べ物の形状によって使い分けていたからであると考えられます。
弥生時代の食生活を考えることができたかどうかがポイントです。

問13

鎌倉~江戸時代にかけての歴史に関する問題です。
鎌倉~江戸時代の産業史や文化史、生活史は対策を行っていたかどうかで大きく差がつく部分といえます。今回は、鹿や猪、馬に「もみじ・ぼたん・さくら」という名前をつけていた理由を答える問題です。
牛肉が広まった明治時代以前の日本では、仏教の影響により獣肉を表立って食べることは敬遠されていました。しかし、全く食されていなかった訳ではなく、「さくら」や「ぼたん」という名前をつけることで、人々の抵抗を和らげて、流通させやすくする意図(ねらい)がありました。

問15

こども食堂の時間割から子供たちの成長について答える問題です。
与えられた資料の「あるこども食堂の時間割」を読み取ります。

色のついた項目に着目します。
これらの項目に「共通する」ことを、リード文の線部カを含む段落を読み取り、子どもたちの成長に不可欠なことが何かを考えます。
線部カを含む段落から読み取れる手がかりは以下のようになります。

  • 「人が結びつきを強めるために続けられてきた共食文化」
  • 「食卓を囲んで一緒に食べることをしない、あるいはできない生活」
  • 「共食の重要性は問われ続けています」
  • 「子どもたちに共食の体験をしてもらう」

上記の点を踏まえて共通性を考えます。
夕食やその準備を共にしていることから、「共に食べる楽しみを実感すること」や「食べるという行為の位置付けを変える」ことができると考えられます。
また、外遊びや紙芝居など子供たちにとって「心のよりどころとなる居場所」としての役割や、時間に沿って項目が進んでいることから「規則正しい生活を送る」ことのできる場であると考えられます。
以上の点をまとめて記述します。

問16

合否を分けた一題で取り上げます。

合否を分けた1題

麻布中社会の最終問題は、例年、思考型記述が出題されています。
この記述問題でどこまで得点を伸ばすことできるかが、合否の分かれ目といえます。
記述量を考えると、配点も多くなっていると考えられますので、一点でも多く得点を重ねられるよう、解答作成のための解法の手順とポイントを身につけましょう
麻布中の思考型記述は、「生活に関わる身近な事柄への問題意識」「社会思想」に関する問題が定番です。これらの記述を解く上での解法のポイントは、具体化にあります。設問やリード文から身近な事柄に結びつけて、具体化しながら記述を作成するトレーニングが欠かせません。

【2】
問16

給食の問題点に触れながら、その改善方法について記述する問題です。
初めに設問条件の整理を行います。

設問条件:①学校給食の問題点 ②その問題点への対策
次に、リード文の内容整理を行います。
今回の線部が含まれる「食べることの未来」の文章を見ます。
問15で抽出した共食の現状に加えて、線部キが含まれる段落内容を整理します。
(問15の段落)

  • 「人が結びつきを強めるために続けられてきた共食文化」
  • 「食卓を囲んで一緒に食べることをしない、あるいはできない生活」
  • 「共食の重要性は問われ続けています」
    (線部キの段落)
  • 「少子高齢化がすすみ、人々とのつながりが弱まっている」
  • 「交流できる場所を…役所が支援することでしか、人々のつながりを維持できなくなって…」

という部分に注目します。

学校給食の問題点は、身近な事柄であるので、みなさんの学校での様子を振り返って答えても構いません。直ぐに思い浮かばない場合、上記のリード文の内容と関連付けて考えます。

共食は「人が結びつきを強めるために続けられてきた」とありますが、今の学校生活にあてはめると、限られた時間の中で食事をとらなければならないため、【十分な食事時間ではない】という問題点が考えられます。

【十分な食事時間ではない】という問題点への対策としては、【給食の時間を伸ばす】といった対策が適当でしょう。
最後に【十分な食事時間ではない】こと、【給食の時間を伸ばす】を具体化し、その内容を最後に「まとめる」という形で整理します。

【十分な食事時間ではない】
→給食室に取りに行く時間や盛り付け、準備、後片付けなどの時間を考えると食事の時間は決して長くはない。
【給食の時間を伸ばす】
→食事をとる時間を60分にする時間割に変える(など)
【まとめ】
食材や料理にもふれながら、食べ物を良く味わい、クラスの仲間と楽しく食べる時間を確保する。
上記3点をまとめます。

■別解
麻布中思考型記述のテーマとなる「社会思想」や「生活に関わる身近な事柄への問題意識」という観点から記述することも可能です。
学校給食の中に見られる、日本的な特徴について考えます。

日本は欧米諸国と比べて、「ムラ社会」などといった言葉に代表されるように、閉鎖的側面が強いことが問題点としてしばしば取り上げられます。
学校給食においても、クラス単位での給食や仲のいい友人と席を合わせて食べるといった、比較的小さなまとまりの中で給食をとることが多く、これが問題点であるともいえます。最近では、他の学年と混合して給食をとることがあるようですが、頻度はそこまで多くありません。

こうした問題点を、リード文の(線部キの段落)の「少子高齢化がすすみ、人々とのつながりが弱まっている」、「交流できる場所を…役所が支援することでしか、人々のつながりを維持できなくなって…」
という内容と結び付けることができます。

学校給食の場に、地域の高齢者を招いて共に食事をすることで、独居老人の問題や地域のつながりといった、近年の日本が抱える社会問題の解消にも効果があると考えられます。
以上の点をまとめて記述するのもよいでしょう。

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