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理科の合否を分けた一題

麻布中入試対策・理科の合否を分けた一題(2010年度)(3ページ目)

問6

⑥ 地球は1日で1回転するので、1時間に動く角度は 360°÷24時間=15° です。
⑦ 月は30日で地球の周りを1回転するので、1時間に動く角度は 360°÷30日÷24時間=0.5° です。
ですから、地球から見ると月は、1時間に15°-0.5°=14.5°東から西に動いたように見えるのです。
⑧ 月は30日で地球の周りを1回転するので、1日に動く角度は 360°÷30日=12° です。
⑨ 太陽は360日で地球の周りを1回転するので、1日に動く角度は 360°÷360日=1° です。
⑩ 1日でできる太陽と月の角度の差は 12°-1°=11° です。
⑪ 太陽-月-地球と並んで(新月)から、また同じように並ぶ(新月にもどる)までは、月と太陽の角度の差が360°になる時ですから、 360°÷11°=32.727272・・・ → 32.7(日) になります。

答 ⑥ 15 ⑦ 0.5 ⑧ 12 ⑨ 1 ⑩ 11 ⑪ 32.7

問7

問題のポイントを挙げてみます。

・皆既日食のとき、地球上のある場所も、月の影も、両方とも同じ向きに動く
・地球は1日で1回転、月は30日で1回転
・月までの距離は、地球の半径の60倍

問題は「何倍」つまり、比をもとめれば解けますので、1分間も1日も動いた長さの比は同じです。そこで下図をもとにして1日で動く距離を考えてみましょう。

地球の半径を“1”とすると、月の公転の半径は“60”になりますので、
地球上にある場所が1日に動く距離=1×2×3.14  ・・・A
月が1日に動く距離=60×2×3.14÷30      ・・・B
A : B  =  1×2×3.14 : 60×2×3.14÷30  =  1 : 2

AとBの円周はそれぞれの半径に比例することがわかっていれば、回転の速さ×半径で動く距離をだすこともできます。

したがって月が動いた長さは、地球の表面のある場所にたっている人が動いた長さの 2÷1=2(倍)になります(③)
さらに、1分間に月の動いた長さと地球に落ちる影の長さは同じですので、④も2倍になります。

月の動く速さは、地球の自転の速さよりおそかったので、月が西から東に動いても、地球上から見ると東から西に動いて見えます。しかし、地球に落ちた月の影の速さは、地球の自転の速さの2倍であり、地球の自転より速いので、影は西から東に動いてゆくことがわかります。

下記の図で理解してみてください。

答 ③ ウ ④ ウ ⑤ イ

このように、計算する数式は非常に単純なもので、もとめられているのは、星の運行についての根本的な理解です。さらに、算数の速さの単元の本質的な理解も必要になってきます。

また、今回は日食でしたが、月食はどうなのか、金星や火星の動きは満ち欠けは、火星から見た地球の満ち欠けは、など自分で調べ、比較して知識を広げ、理解を深めましょう。

根本的な理解をベースに、知識として備わっていなくても問題文をよく読み、理解し、理屈で自分でよく考えて、解き方を導き出す学習姿勢を訓練しましょう、

ただ、暗記をする、解法を覚える、答があっていればいい、という勉強法では合格点を勝ち取ることが困難であることがご理解頂けたかと思います。

『理科の合否を分けた一題(2010年度)』 >> 1 2 3
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