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国語の合否を分けた一題

女子学院中入試対策・国語の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

問一A  問二A  問三A  問四A  問五B
問六B  問七B  問八B  問九B  問十B
問十一B  問十二A  問十三B
問一A  問二C  問三A  問四A  問五A
問六B  問七B  問八B  問九B  問十A
問十一B  問十二B  問十三B
全てA

A…女子学院中合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題別寸評

問一

「目が釘付けになる」という慣用句の意味を、回答欄の形に合うように答えさせる問題です。「目がはなせなくなること」などと書けます。

問二

設問にある「絵を描くための布のことですが」を最大限にいかしましょう。子どもたちはどこに絵を描いていたのかを考えると、「コンクリートの道」という答えが導けます。

問三

単純な漢字の読みの問題です。音音読みをして「じゅうおう」となります。

問四

この「遠からず」の遠くは時間的な遠さを表しています。また、「ず」は打消しの表現です。したがって、エが選べます。

問五

「もとよりなく」のもとよりには、①はじめから②もちろん、と二通りの意味があります。この場合は、文脈から判断して②の意味で用いられているので、ウが選べます。

問六

傍線部に「ように」とあるので、野草たちが何と重ね合わされているのかを考えます。すると、「幼児は誰かに見せるために描いたのではもとよりなく」と、傍線部との類似の表現が見つかるので、幼児と野草たちが重ね合わされていることが分かります。幼児は「ただこの戸外の道に無心のインスピレーションを得て、描きはじめたら」とあるので、ウが選べます。

問七

この「路上の子どもたち」は、文字通りの人間の子どもたちではないことに注意しましょう。雨によって流されたとあるので、チョークで描かれた絵のことを指していると分かります。したがって、「コンクリートの道にチョークで描かれた子どもたちの絵が雨によって流され消えようとしていること」などと書けます。

問八

傍線部の直後に「装われるにふさわしい本には」とあるので、作者はデザイン関係の仕事をしていることが分かります。

問九

著作権所有者という比喩表現の意味を問う問題です。著作権の文字通りの意味は、「芸術作品などを制作した人が、作品から生じる利益を取得する権利」です。この文脈における芸術作品とは、路上の絵のことなので、「路上に絵を描いた幼児」などの答えが導けます。

問十

傍線部の数行後に、「自分の眼と手で見つけたものを、自分の流儀で愛してきた」とあるので、その言い換えとなっている選択肢を選ぶと、エが選べます。

問十一

ここで言う後者は、自分の眼と手で見つけて評価しているものが、まったく無名であることを指します。したがって、アかエにしぼれますが、エですと、自分が発見したことでこれから有名になることをあたかも期待しているかのように読めるので、アが正解となります。

問十二

⑫…空欄の直後に、「朱」、「暮れていく」、「雲の流れ」など、空に関連する表現が読み取れるので、「空」が入ります。
⑬…空欄の直前を読むと、「海のさざなみ」「燃え立つような紅葉」と、季節が夏から秋に移っていることが読み取れるので、空欄には冬にまつわる言葉が入ると分かります。そして直後に「結晶」とあるので、ここには「雪」が入ります。

問十三

本文の後半に「はかないものだからこそ人は何かを残そうとし、はかなさの意味を思いめぐらすのだろう」とあるので、イが選べます。また、本文の最後に「自然の造形は、ただ美しく豊かであるばかりでなく、思い切りがよく」とあるので、オが選べます。最後に「平等」とあるので、ついついエを選んでしまいがちですが、本文に「自然や季節のゆるぎない彩りの前にあっては、無上の芸術もたちまち色を失っていく」と、自然が圧勝していると書かれているため、不適当となります。

問一

傍線の直後に、「感心したんですが、やがてどうもあやしいと思うようになりました」とあるので、その時点では納得していたということです。また、うまいは、「たくみ」と言い換え可能です。したがって、イが選べます。

問二

合否を分けた一題のところで詳しく解説します。

問三

(1)一手に、とは、自分ひとりだけでという意味です。
(2)ⅰ…のどから手がでるほどほしい ⅱ…手にかけて育てた子ども。 
   ⅲ…忙しくの手も借りたい、となります。

問四

傍線部の直後に「なかなかものは見えない」と書かれているので、老人でも子どもでもない世代の人々のことを指していると分かります。したがって、ウエが選べます。

問五

適切でないものを問われていることに注意しましょう。傍線部の具体化が傍線直後の数行に書かれているので、そこに含まれていない内容の選択肢を選びましょう。すると、イが正解だと分かります。

問六

傍線部のすぐ上に「そこの世代が」とあり、これは壮年期の人々を指しています。壮年期の人々は、子どもや老人世代を支えているので、そこを最も具体的に表しているところを探します。すると、「壮年期の人たちは家族を食べさせること、着せること、住まわせることを引き受けなくちゃいけない」という表現が見つかります。何をしているのかと聞かれているので、体言で終わる形で答えたいところです。したがって、上記の下線部が答えるべき部分となります。

問七

中略以降はしばらく具体例が続きますので、ここには答えがないことが分かります。問題文下段の中ほどの、具体例が終わった後の部分を探すと、「子どもの文学は、日常の中にある幸福に驚く力を私たちの中に培ってくれるんですね」という表現が見つかります。ここでもどういうものと聞かれているので体言で終わりたいところですが、適切な切れ目がないので、上記下線部が答えるべき部分となります。

問八

ここも問七と同じく、具体例の中には答えがないと見当をつけて答え探しをしましょう。すると、具体例が終わった後の部分に、「イベントや買い物」という表現が見つかり、それがこのまま答えとなります。

問九

傍線部には「そういう」という指示語があるので、前を見ます。ここで注意しなければならないのは、指示語には抽象化の力があるということです。つまり、直前には二つ具体例が挙がっていますが、それらに共通する内容を答えなくてはなりません。したがって、具体例のうち片方にしかあてはまらない内容の選択肢は全て不適当です。すると、エが選べます。

問十

(1)直後に「思い込まされていく」という表現があり、これが傍線部の言い換えです。したがって、ウが選べます。

(2)「そういう」という指示語が含まれているので、直前を探します。すると、「それ」「そういう」など、指示語が続くので、さらに前を見ると、「自分たちの日常なんてつまらないものと思い込まされていく。語るに値しないものだと思い込まされていく。」という表現が見つかります。下線部が意識に対応しているので、「自分の日常などはつまらない、語るに値しないものだという意識。」という答えが導けます。

問十一

傍線部を「そういう物語」と「手許にたぐりよせる」に分割しましょう。確かに、設問では「物語を手許にたぐりよせるとはどういうことですか」と聞かれていますが、下線部に「そういう」が含まれている以上、やはり、指示語の「そういう」には注目してくださいというのが設問者の意図だと考えられます。すると、前半部は、「日常の中にある幸福に驚く力を私たちの中に培ってくれる子どもの文学」、後半部は、「物語の世界に触れる」と言い換えられます。したがって、それらを組み合わせると、「子供の文学の世界に触れて、日常の中にある幸福に気づき、実感すること。」といった答えが導けます。

問十二

直後に、「前に生きた人たちと、時間・空間をこえてつながっていく」とあり、ここが傍線部の言い換えとなります。また、傍線部を含む一文にある「そのとき」とは、「そうか、こういうことは、もうとっくに書かれていたんだなあ。すごいと思う。」ときを指します。以上を踏まえると、アが選べます。

問十三

二点とあるので、並列の目印を探します。すると、本文の最後に、「人とつながって、もっともっと世界を楽しんだり、いろいろなものを見極めたりできたほうがいいと思うのです」という表現が見つかります。この部分を前後に分けて答えると、答案が完成します。

単純な漢字の書き取り問題です。ここは必ず全問正解しておきたいところです。

合否を分けた一題

従来は長文三題構成で、スピード勝負の色彩が強い女子学院の国語でしたが、最近は二題構成となり、比較的じっくり考えなければ答えられない記述問題も出題されるようになりました。記述問題は比較的配点が高く、以下に示す問題は、着眼点を間違えると一点も取れない問題でしたので、合否を分けた一題に選びました。

二 問二

傍線部に指示語の「そこ」が含まれているので、当然前を見るのですが、それだけでは答えにたどりつくことはできません。

解き方の手順

〔1〕まず前を見ます。すると、「日常の些細なことに喜びを感じるようになったら、それは歳をとったということだと思います」という表現が見つかります。

〔2〕次に、傍線部の直後に「幸福」とあり、これは傍線部直前の「喜び」に対応していることが分かります。

〔3〕さらに、「幸福に驚く力は子供にもある。老人にもある。」という表現に着目します。

〔4〕そうすると、第一段落に「老人と子どもの相性が良い」という内容が書かれていることに気が付きます。その理由として河合隼雄さんの説明を取り上げて、「やがてどうもあやしいと思うようになりました」と書かれています。

〔5〕つまり、傍線部の「そこなんじゃないか」とは、筆者なりに、老人と子どもの相性が良い理由を発見できたということを示しているのです。

以上を踏まえると、
「老人と子どもの相性が良いのは、どちらも日常の些細な幸福に驚く力を備えているからであるという(こと)」といった答えが作れます。

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