[1] | (1)A (2)A (3)アA イA ウA エA (4)A・A (5)A |
---|---|
[2] | A・A・A・A |
[3] | A・A・B |
[4] | A・A・A・A・A・A・B・B・B |
[5] | B |
[6] | (1)B (2)C |
[7] | (1)B (2)B (3)C |
A:JG合格を目指すなら必ず得点したい問題
B:着眼点や解法ツールにより正答率・かかる時間に差がつく問題
C:難易度や処理量から判断して、3分以内に解き切る腕力がなければ一旦とばすべき問題
昨年度(2013年度)は総設問数18と過去最少で受験生を驚かせましたが、今年度(2014年度)は総設問数31。試験時間40分なので、単純計算で1問あたり1分17秒。「JGの算数は尋常でない処理速度を要求する」ことをあらためて実感させられます。
上記の難易度分類を見てわかるように、平易なAレベルの問題が並ぶ1枚目・2枚目、難度が高めの問題や処理量の多い問題が並ぶ3枚目と、はっきりわかれています。1枚目・2枚目を短時間でミスなく乗り切り、ある程度の時間的・精神的余裕を持って3枚目に突入することができたかがカギです。
以下、内容を見ていきましょう。
1枚目の小問集合は、(1)計算問題、(2)共通部分を付け足す平面図形の問題、(3)正六角形と正五角形の組み合わせ図形の求角問題、(4)それぞれの2数の和から4つの数を判断する条件整理の問題、(5)平均の速さの問題。手を止めてはならない典型題が並びます。ここまでで所要時間は7~8分といったところでしょうか。
2枚目の大問[2]還元算、[4]距離の差と時間のグラフも典型題。解き方の方針が定まらない問題は皆無でしょう。その中で、大問[4]はこれまでの演習量の差によって、所要時間に差がついたかもしれません。
2枚目の大問[3]は展開図の欠けている面を確定する問題。与えられた不完全な展開図から、どのような立体かを推測し、それをもとに欠けている面を確定する必要があります。これまでJGで出題された展開図の問題とは、かなり色合いが異なります。
過去20年分の展開図の出題は、2012年度[1](5)円柱の展開図、2010年度[5]サイコロもどきの直方体の展開図、2006年度[2](4)立方体・直方体の展開図、2001年度[5]立方体の展開図、2000年度[1](7)三角柱・円柱の展開図、1996年度[2](1)円すい・円すい台の展開図。この中で、今年度の大問[3]のように立体の名称が与えられず、展開図から立体を類推する必要がある問題は、2000年度のものだけです。
大問[3](1)ピラミッドの形をした四角すい、(2)台形を底面とする四角柱、いずれも立体を推測しやすいですし、欠けている面も選びやすい問題です。それに対し、(3)は受験生の手が止まる問題です。立方体の切断で頻出の「切り口が等脚台形になる、三角すい台を切り落とした残りの立体」ですが、立体の判断に時間がかかり、その後もつける面が⑥か⑦かで迷うでしょう。(1)(2)は拾い、(3)はとばすという選択肢もありです。
3枚目には大問が3つ。
まず大問[5]は円の転がり移動。作図さえ正しくできれば、あとはお馴染みの三角定規の1:2を利用して必要な長さを求め、円周率計算をまとめて済ませ、おしまい。
この大問[5]までは、大問[3](3)を除き、確実に拾いたいところです。
続いて大問[6]。結論から言うと、(1)は残り時間との兼ね合いで、得点できるようであれば取り組んでもよい問題、(2)は合格のためには手をつけてはならない問題です。けっして難しい問題ではないのですが、圧倒的な処理量の多さに加えて、設問(2)はおそらく学校側の作問ミスでしょう。「□にあてはまる数を入れなさい」ということなので「47」分が学校側の用意した答えなのでしょうが、どうしても「44.5をこえて47」分としか答えることができない問題設定になっています。受験者全員が正解とする救済措置があったのか、あるいは「45」分・「46」分と答えた受験生も正解扱いになったのか、非常に気になるところです。とはいえ、少し取り組んでみて、大半の受験生はとばしたはず。それが賢明な判断です。
最後の大問[7]は条件整理。低学年の生徒にも時間無制限でじっくり取り組んでもらいたい良問です。
では、2014年度の合否を分けた一題として、ひとつでも得点できればアドバンテージになったであろう[7]を取り上げます。
9枚のカードに漢数字の一から九までを1つずつ書き、その裏に算用数字の1から9までを表の漢数字とは無関係に1つずつ書きました。カードの両面の数の和は9枚とも異なっていて、最も小さい和は3、最も大きい和は15でした。また、六のカードの裏の数字は8でした。下の図は、9枚のカードを適当に並べたものです。
(1) まず、当たり前のことですが、案外気づかない受験生がいるので確認しておきましょう。
すでに表に出ている2つの数字を組み合わせることはできない
表に出ていない2つの数字を組み合わせることもできない
カードの両面の数の和について、最小は3であることに着目しましょう。
考えられる組み合わせは(1と二)か(2と一)。
並べてある9枚のカードの表に1と二が出ていることから、(2と一)しか考えられません。
よって、一のカードの裏の数字は 2 です。
(2) カードの両面の数の和について、最大は15であることに着目しましょう。
考えられる組み合わせは(6と九)(7と八)(8と七)(9と六)。
六の裏は8なので、(8と七)(9と六)の可能性は消えます。
並べてある9枚のカードの表に6も九も出ていないことから、(6と九)の可能性も消えます。
よって、7の裏は八とわかります。
ここまでわかったことをまとめます。
表 | 六 | 7 | 七 | 2 | 五 | 9 | 二 | 四 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
裏 | 8 | 八 | 一 | ||||||
和 | 14 | 15 | 3 |
残った漢数字は三と九。これが9と1の裏になります。
カードの両面の数の和について、最大は15であることから、(9と九)の可能性は消え、9の裏は三、1の裏は九とわかります。
よって、三の裏は 9 です。
(3) ここまでわかったことをまとめます。
表 | 六 | 7 | 七 | 2 | 五 | 9 | 二 | 四 | 1 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
裏 | 8 | 八 | 一 | 三 | 九 | ||||
和 | 14 | 15 | 3 | 12 | 10 |
残っている算用数字は3・4・5・6。
残っている和は4・5・6・7・8・9・11.13。
そこで、七・五・二・四、3・4・5・6、それぞれの和をまとめると以下の表のようになります。
七に着目しましょう。(11と七)(13と七)それぞれの場合を調べてみます。
(11と七)の場合は以下の表のようになります。
四の裏になる算用数字がないので、(11と七)の可能性は消えます。
よって、(13と七)で決まりです。
(13と七)の場合は以下の表のようになります。
以上より、五の裏は 3 です。