| 新規会員登録

国語の合否を分けた一題

慶應中等部入試対策・国語の合否を分けた一題(2011年度)

平成23年度の中等部の入試問題は、受験生を苦しめそうな出題がいくつかありました。ことばの知識にかかわる大問3や大問4は、知識問題として必ずしも難しくはないものの、問われ方が特徴的で、時間がかかった受験生が多いようです。大問4の慣用句と日本のことわざと故事成語に分類する問題は、分類の基準設定でとまどうと大きく失点する可能性があります。ことばの意味内容を知っていても解けないというストレスを与える問題でもありました。

平成23年度の国語で合否を分けた問題があるとすれば、大問5の俳句の問題です。記述問題が少なく長文記述問題が出題されてきていない中等部の入試では、俳句を作る問題が最も長い記述となります。したがって、配点も他の問題に比べて大きくなると推定されます。この問題に手をつけないことで、5点(推定配点)に及ぶ差がつくのです。また、中等部に特徴的な出題ですから、出題者側としても反応が欲しい問題であると推測されます。

出題は、大問5で、「卒業」という季語を使って、俳句を作りなさい。ただし、字余り、字足らずに気をつけること。というものです。俳句作りの基本ルールを守って5・7・5をうめることができれば一定の点数は取ることができる問題なので、手をつけないと大きな失点となります。

この問題自体はあっさりした出題ですが、中等部の俳句に関する出題には連続性がみてとれます。たとえば、平成22年度の大問6です。この問題では、説明文の形式で、俳句の作り方について述べられています。字余り、字足らずについても説明されており、季語についても書かれています。この年度の問題では、「大試験」を季題として俳句を作ることが求められました。

23年度の季題である「卒業」に容易につながる季題です。また、文章中で、字余り、字足らずはあまり望ましくないこと、季語が絶対に必要なこと、季題を決めてその貴台のことを十七音の詩にうたうことなどが書かれています。このような決まりを念頭において、句作の対策練習をしていれば、それほど苦労することなく、23年度の問題に対応できたと思われます。

中等部向けの対策を特にしていない受験生と対策をしている受験生とでは、他にも差がついたようです。対策をしていない受験生は、この問題に取り組む際に、対策をしていた受験生に比べて長い時間を要しました。この問題に時間がかかってしまうことで、他の問題に振り向ける時間が減ってしまうとすれば、それも差がつく要因です。

 実際に作る俳句は、「卒業」という季語が入っていること、5・7・5で整えることに気をつければ、それほど練り上げられていなくても得点は与えられるはずです。減点が考えられるとすれば、無造作な字余り、字足らずであるとか、季重なりなどでしょう。模範等案的な句はありません。小学生が無理なくその場で作ることのできる俳句でよいのです。対策ができる分野なのですから、ぜひ、対策しておきたいところです。

この記事は役にたちましたか?
全く役に立たなかった役にたたなかったどちらでもない役に立ったとても役に立った (1 投票, 平均値/最大値: 5.00 / 5)
Loading ... Loading ...


慶應中等部合格対策ドクターのトップに戻る
この記事が気に入ったら是非ご登録を

慶應中等部入試対策・関連記事一覧

慶應中等部入試対策・同じ教科(国語)の記事

慶應中等部入試対策・同じテーマ(合否を分けた一題)の記事

他校の同じ教科(国語)の記事



PAGE TOP