社会の試験時間は25分。1次試験の配点は、算数・国語が各100点、理科・社会が各50点と推定されます。中等部は、志望者層の平均学力が高く、最難関校との併願者もあり、慶應系での3校受験者もあり、慶早併願者もあり、第一志望層もあるということで、倍率の質の面でも大変厳しい学校であるといえます。児童面接、保護者同伴面接、体育実技の2次試験でも、実質的な選抜が行われるため、総合的な準備対策が特に必要な学校です。
社会に関しては、幅広く手堅い準備が必要です。
まず、必要と考えられるのは、地図帳を最大限に活用する学習習慣づけです。社会の学習時には、分野を問わず、常に地図帳を横に置き、歴史学習時であれば、出来事がおこった場所はどこか、旧地名は何か、現在でどこにあたるかを確認し、人物については、出身地、経歴上の重要な場所を確認し、新聞を読むときも、でてくる地名の場所を確認してみるなど、常に、場所・位置関係を意識する学習をすることで、自然に、総合問題に対応する力をのばすことができます。
また、地図帳には、統計資料やグラフなどが多数載っていますが、じっくり意識して何かを読み取ったり対比したり解釈するという作業をほとんどしていないことが多いようです。
ひとつひとつのグラフや資料をしっかり確認し、どのような情報が読み取れるか、頭を使って整理し、読み取れたことを文にして表現してみるなどの学習が効果的です。統計資料や図表類の解釈・説明については、『日本のすがた』の最新版を参照することで、最新の情報をもとにして考えることができます。『日本国勢図会』ですと、情報は豊富ですが、説明が少なく、持て余す可能性もありますので、『日本のすがた』にでてくるものをしっかり理解しておくことで、中等部対策としては間に合うでしょう。
白地図トレーニングは、かなり手間がかかる作業ですが、一通りすませておくと、確実に得点力があがります。また、自分から手を動かすことで知識の定着度も高まります。さらに、書き込みだけでなく、白地図自体を写すことから始めることで、学習効果は飛躍的に上昇します。学習できる時間に応じて、対策の度合いを考えましょう。
2万5千分の1、5万分の1の地図については、現物を実際に眺めることも意味はありますが、様々な学校の過去問でとりあげられてきたものを拾い出して、どのような出題がされており、どのような情報をどのように読み取れば正解することができるのか確認しておくことが効率的です。学校や塾での学習では不十分になってしまうことが多いので、しっかり対策しておきたいところです。
新聞・ニュースなどを通じて、時事問題に対する理解を広げ、また、それぞれの問題についての理解を継続的にフォローしてある程度深めていくことも重要です。時事問題は、メディア上でも解説がこなれるまでに時間がかかるものが多く、ましてや、お子さんが受験前にあわてて対策しようとしても、間に合わずに混乱してしまい、これまで身につけてきた他分野の知識まで崩壊していきかねません。