雙葉の問題は導入の問題文が長いのが特徴です。
主に生物分野で時事的な内容を含む長文があり、その内容について考察していく問題が多く見られます。日常生活への応用や環境問題などがよく出題され、理科的な思考力だけでなく倫理的にも高いものを要求しているのが感じられる問題です。
問題文を正確にとらえ、出題の誘導にしたがっていけば理科の問題としての難度はそれほど高くないですが、それを苦手としている(シンプルな問題を自分で組み立てて考えたいタイプの)受験生には難しいかもしれません。
はっきりいってしまうと、国語の得意な子に有利な問題といえます。
雙葉志望で国語の苦手な受験生はほとんどいないと思いますので、雙葉志望生に合った問題でしょう。
全分野とも、実験にからめた問題がほとんどです。結果の考察はもちろん、実験法を問う問題も出ています。内容は燃焼や中和、発芽など塾のテキストに載っているものがほとんどですが、深い理解が要求されています。
また、内容的には初めて見るような動物の実験問題が出た年もあります。近年、上位校ではよく出題される傾向の問題です。
地学分野ではグラフの考察が頻出です。横軸縦軸と形、始点の位置や単位から意味を正確に読みとる必要があります。
一見難しいグラフですが、難しいグラフが出る場合には親切な誘導文がついていることが多いので、問題文とグラフとを比べながら進めていけば、それほど難しくはないはずです。
塾のテキストや模試でよく出題されるような定番の記述はもちろん、実験結果や実験法の記述が多くみられ、ここが大きなポイントになります。
内容的に難しいもの、思いつきにくいものもありますので、頻出単元(後述します)の理解を深め、それを文にする力を養っておく必要があります。
作図も出題されていますが、こちらは基本的なものが多いので特別な対策は必要ありません。
上位校の中では計算問題が少ないほうですが、ある程度は出題されます。力学の複雑な計算はまず出ませんが、化学計算は溶解度、中和、気体の発生、熱計算ともひととおり出来るようにしておく必要があります。
難しい計算問題が出る場合は誘導があります。H21にはかなり難しい水溶液の希釈の問題が出題されました。ほとんどの受験生が出来なかったと思いますが、誘導にしたがって途中まででも正答出来た受験生はかなり理科で稼げたのではないかと思います。