2011年度は
[1]LED(発光ダイオード)の読解問題
[2]ろうそくの燃焼の実験問題
[3]サンゴの読解問題
[4]流水のはたらきの読解問題
という構成でした。どの問題が特に難しいということはなく、それぞれに難しいものが1~2問含まれていました。
[4]はグラフが難しそうに見えますが問題文にしたがって進めていくと比較的簡単に解けます。
[2]は深い理解を求めていますが、塾のテキストに出ている内容ですので、ここでは雙葉中の傾向がいちばんはっきり出ている[3]を取り上げます。
ア 多様性
2010年は国際生物多様性年でした。雙葉中はほぼ毎年時事問題を出題してきます。詳しい用語が出題されることもありますので、しっかり覚えて入試に臨んでください。
イ 二酸化炭素
サンゴの殻は炭酸カルシウムでできている。という説明があります。二酸化炭素が水にとけると炭酸水ですから、炭酸カルシウムの材料は二酸化炭素とカルシウムだと判断できます。
炭酸水(水にとけた二酸化炭素)+水にとけたカルシウム→炭酸カルシウム
ウ 光
透明度が高くて浅い海底にとどくものは、光です。
Aの前に、造礁サンゴの説明があります。造礁サンゴの骨格をつくるのには褐虫藻の光合成が必要、と述べてあります。
暗いところでは褐虫藻は光合成できない→造礁サンゴは骨格をつくれない→材料であるカルシウムをあまり取り込まない、と判断できますので、②の「造礁サンゴのほうが大きい」はなくなります。
ここで、A、Bの後の文に造礁サンゴから「褐虫藻を取り除くとカルシウム取り込み速度は非造礁サンゴと同じくらいになる」とあります。褐虫藻が光合成できないのは取り除いたときとほぼ同じと考えられますので、①の「同じ」と判断できます。
明るいところでは褐虫藻が光合成を行います。褐虫藻が光合成を行うと造礁サンゴはさかんに骨格をつくり、材料であるカルシウムを取り込むと考えられます。
ポイントは
褐虫藻の光合成→造礁サンゴが骨格を作る
造礁サンゴは骨格をつくるときにカルシウムを取り込む
の2点を読み取ることです。