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理科の合否を分けた一題

雙葉中入試対策・理科の合否を分けた一題(2021年度)

難易度分類

大問1 問1 A 問2 A 問3 A 問4 B 問5 A 問6 A
大問2 問1 A 問2 B 問3 A 問4 B
大問3 問1 A 問2 A 問3 A 問4 B 問5 B 問6 B
大問4 問1 A 問2 B 問3 B 問4 B 問5 B

A…雙葉中合格のためには、必ず正解しておきたい問題
B…合格者と不合格者の間で、得点率に差がついたと思われる問題
C…合格レベルの受験生にも難しく、あまり差がつかなかったと思われる問題

出題総評

2021年度の出題では、例年通りの大問4題という形式は踏襲されていますが、内容構成はやや変則的でした。
大問1は化学分野から過酸化水素水の分解を題材に生物分野の知識も問う出題。
大問2は地学分野からプレートの動きと地震についての出題。
大問3は物理・化学の両分野にまたがる形で熱に関する出題。
大問4は物理分野から浮力に関する出題。
例年と比べると、リード文の読解を要求される度合いがやや薄く、雙葉受験生ならすでに学んでいるはずの知識で対応できる設問が多めにありました。全体の難度としては、雙葉の出題としてはやや易しめと言えるでしょう。
全小問数は例年並みですが、短文記述が3題に加えて、式を書かせる計算問題が例年より多い5題ありました。やや難度の高いものもあり、受験生の間で大きく差がついたと思われます。

問題別寸評

大問1

化学分野より過酸化水素水の分解を題材にしつつ、生物分野の知識も問われています。雙葉としては珍しい出題形式ですが、内容は全体を通じて基本的でした。

問1

栄養分を貯蔵したり、毒性のある物質を分解したりするはたらきがある臓器は「肝臓」です。雙葉中受験生にとっては基本的な知識の一つです。
過酸化水素水に二酸化マンガンを加えることで、二酸化マンガンが触媒としてはたらいて過酸化水素水の分解が促進されることはよく知られていますが、生のレバーやジャガイモなどの細胞に含まれる酵素にも過酸化水素水を分解するはたらきがあることも覚えておきましょう。

問2

止血のはたらきを持つ血液中の成分は「血小板」です。こちらも雙葉中受験生なら必ず知っている知識でしょう。

問3

火のついた線香を激しく燃やす助燃性を持つ気体は「酸素」です。過酸化水素水の分解によって生じる気体が「酸素」であることも、大変基本的な知識です。

問4

実験1だけでは、カタラーゼではなく、A液中に含まれる水のはたらきで過酸化水素水が分解された可能性を否定できません。カタラーゼのはたらきで分解されたことを確かめるためには、カタラーゼを含まない水1mLを試験管に加え、気体が発生しないことを確認する必要があります。

問5

実験1では肝臓3gに蒸留水20mLを加えているのに対し、実験3では肝臓6gに蒸留水40mLを加えています。いずれの量も2倍になっているので、液中に含まれるカタラーゼの濃度は等しくなっているはずです。
よって、実験3でも実験1とほぼ同じ結果が得られることが期待できます。

問6

C液を追加しても泡が発生しないのに対して、過酸化水素水を追加すると再び泡が発生することから、泡が発生しなくなったのは過酸化水素水がすべて反応してしまったからであることが分かります。

大問2

プレートの動きと地震に関する出題です。「緊急地震速報」という用語を正確に覚えていたか、およびその仕組みについての理解によって、ある程度の差がついたかもしれません

問1

プレートの運動で地盤に力が加わることで形成される、地震の原因となる現象は「断層」です。多くの受験生が正解していることと思われます。

問2

図1と図5を確認しながら解答します。
東北地方の太平洋沖では北アメリカプレートの下に太平洋プレートが、東海から九州にかけての太平洋沖では、ユーラシアプレートの下にフィリピン海プレートが潜り込むように動いていることが確認できます。
また、例えば東から西に圧縮する力が働くと、それに直行する南北の方向に亀裂が入るような形で、断層が形成されると考えられます。

問3

一般にP波はS波よりも速く伝わるので、震源からの距離が大きくなるほど到着するまでの時間の差も大きくなり、初期微動継続時間は長くなります。
地震計でP波の到着を検知したタイミングでコンピュータによって地震波を解析し、大きな揺れが予想される場合にS波の到着よりも前に危険を知らせる情報を「緊急地震速報」といいます。テレビやラジオで素早く放送されるほか、最近では携帯端末でも受信可能なので、受験生も一度は速報を耳にしたことがあるかもしれません。

問4

日本近海のプレートの境目にあたる海底には、多くの地震計が設置されています。地上だけに設置するのと比べて、地震の発生を早いタイミングでとらえることができ、緊急地震速報をより早く発表できる可能性が高まります。

大問3

熱の伝わり方に関する出題です。伝導・対流に関する知識から熱量の計算問題まで、総合的な内容でした。

問1

熱し始めのうちは、Xの場所を中心とした円状に熱が伝わっていきます(図の赤いおうぎ形)。図の点Pまで熱が到達すると、そこから板の上方に向かってはPを中心とした円状に伝わります(図の青いおうぎ形)。

問2

Xの場所から板の上を通ってA、B、Cの点に至る最短経路は、それぞれ下の図に赤、青、オレンジで示したとおりです。
与えられた長さから、X→Aは3㎝、X→Cは3.5㎝、X→Bは3.5㎝よりも長いことが分かります(3:4:5の直角三角形の辺の比を用いると、実はX→Bは4㎝です)。
「すべて選び」という指示がありますが、以上のことから正しいのは①のみです。

問3

リード文にあるように、金属はガラスと比べてはるかに熱を伝えやすいことから、ふたを温めるとガラスよりも早く膨張します。そして、金属のふたが外に広がることにより、ゆるくなって開けやすくなります。

問4

発泡スチロールには空気が多くふくまれているため、伝導による熱が伝わりにくくなっています。その性質を活かし、生の魚などを低温に保って保管するための容器や暖かい飲み物用の使い捨てカップの素材として広く利用されています。
リード文から、銅>アルミニウム>鉄、の順に熱を伝えやすいことが分かります。鉄は身近な金属の中ではかなり熱を伝えにくい方に入ります。
かたいアイスクリームを食べるときには、アルミニウム製のスプーンを使うと手の熱がアイスクリームに伝わりやすく、早く溶かすことができます。ホットコーヒーはスチール缶(鉄)の方が熱を伝えにくいため、手で持ちやすいことになります(コーヒーの缶にアルミではなくスチールが主に使われるのは、実際には強度の問題が大きいようです)。
鉄は金属の中では熱を伝えにくいとは言え、金属ではないプラスチックや木と比べれば熱を伝えやすい素材です。フライパンの取っ手がプラスチックで加工されているのは、熱くなったフライパンの熱が手に伝わりにくくするためです。寒い日に鉄棒をさわる方が木よりも冷たく感じるのは、手の熱が木よりも鉄棒に奪われやすいためです。

問5

家庭の浴槽を思い出せば、追いだき口の位置は正しく選べるでしょう。ものが温められたとき、体積が大きくなって密度は小さくなりますが、重さは変わらないことに注意が必要です。

問6

下のような面積図を描くと理解しやすいでしょう。

40℃のお湯が42℃になるときに得る熱(図の青い部分)は、80℃のお湯が42℃に冷めるときに失う熱(図の赤い部分)でまかなわれます。この2つの長方形の面積は等しいので、
 200L×2℃=□L×38℃より、□=200/19(L)です。
80℃のお湯は毎分5L、すなわち毎秒1/12Lの割合で加えられるので、
200/19 ÷ 1/12 =126.3…より、126秒が答えとなります。

4

浮力に関する出題です。リード文に「浮力の大きさは」「液体に浸かっている部分の体積と同じ体積の液体の重さと等しい」と、浮力の根本原理が改めて記述されており、これに参考に解答していくことが出来るようになっています。
ただ、浮力は多くの受験生が苦手にしがちな単元でもあり、今年度の出題の中では最も大きな差がついた大問ではないかと思われます。

問1

液体に浸かっている部分のおもりの体積は100㎤、これと同じ体積の水の重さは100gです。よって、リード文から、おもりにはたらく浮力の大きさは100gです。ばねばかりが示す重さは105-100=5gと求められます。

問2

おもりが浮き始めるためには、おもりの重さである105gよりも大きい浮力がはたらく必要があります。おもりの体積である100㎤の重さが105gより大きい食塩水を作れば良いので、500㎤では105g×5=525gを超えていれば良く、そのためには525-500=25gより多い食塩を溶かせば良いことになります。

問3

食塩水の体積は元の水と変わらず500㎤、食塩水の重さは500+125=625gになっています。また、おもりが浮くためには105gの浮力を得る必要があります。すなわち、おもりが液体に浸かっている部分と同じ体積の食塩水の重さが105gであることになります。
浸かっている部分の体積は、500㎤×(105g/625g)=84㎤と求められるので、水面より上の部分は100㎤-84㎤=16㎤で、これはおもり全体の16%です。

問4・5

合否を分けた一題として後述します。

合否を分けた一題

大問4から問4と5を取り上げます。リード文にも示されている浮力の根本原理に沿って解けば良いのですが、問5に正解するには浮力や濃度についての正確な理解が必要で、差がつきそうなところです。

問4

AとBがつるしてある位置と支点間の距離が2:3になっていることから、Aをつるしている糸とBをつるしている糸にかかる力の比は、3:2となっているはずです。Bの糸にかかる力の方が小さいので、Bにはたらく浮力の方がAにはたらく浮力より大きいことになります。食塩水の方が水よりも同じ体積当たりの重さが大きいので、食塩水に沈めたのはBの方です。

問5

Aは水に沈めているので、30㎤にたいして30gの浮力がはたらいています。したがって、Aをつるす糸にかかる力は60g-30g=30gです。Aをつるす糸にかかる力:Bをつるす糸にかかる力=3:2でしたので、Bをつるす糸にかかる力は20g、よってBにかかる浮力は60g-20g=40gです。
ここまでのことより、Bを沈めている食塩水は30㎤当たりの重さが40gであることが分かります。これは水30g当たり10gの食塩を溶かしたことになるので、10g/(30g+10g)=0.25より食塩水の濃度は25%です。
水30gに10gの食塩を溶かしたところまで分かっても、この濃度を10g/30g=0.333…→33.3…%と勘違いしがちでもあり、完答するには確かな力が必要な問でした。

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