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理科の合否を分けた一題

雙葉中入試対策・理科の合否を分けた一題(2017年度)

難易度分類

[1] 問1 A  問2 A  問3 A  問4 B
[2] 問1 a A  b A  c A  問2 (1) B  (2) B  (3) B  問3 C
[3] 問1 ア B  イ B  ウ B  エ B  問2 B  問3 オ B  カ B
問4 A  問5 B
[4] 問1 写真 A  理由 C  気象衛星 A  問2 A  問3 C  問4 C

A…雙葉中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

大問は物理・化学・生物・地学の各分野から1題ずつの計4題、小問にすると26題でした。(複数答える問題はそれぞれ、式と答えを書かせる問題は一つの小問として数えています。)
大問1は易問でしたが、大問2・3はいずれも高校配当単元をテーマとした読解力を要求される問題、大問4は、時事問題の要素を含みつつ知識の活用力を試す問題でした。
合格のためには、随所に散らばる易問で確実に得点を積み上げ、正しく読み取ることさえできれば決して難しくない「読解系の問題」を突破する必要があります。
その中でも、冒頭のリード文を正確に理解しないと大失点につながる可能性すらある大問3が、合否の鍵を握る大きなポイントでしょう。

問題別寸評

「重心」をテーマとした、物理分野の出題です。
2012年度の麻布中学を連想させる「おきあがりこぼし」の問題など、深い理解を求めるものもありますが、全体的には極めて基本的な出題と言えます。

問1

星形の対称性に注目できれば、難なく答えられたと思います。5本存在する対称軸のうち2本以上を作図して、その交点を答えられれば正解です。

問2

確実に得点したい基本問題です。支える場所(支点)を左にずらすのですから、重心は支点より右にくることになり、棒全体を右回り(時計回り)に回転させようとします。

問3

文で説明させるという形式こそ珍しいですが、言葉通りの図を考えることさえできれば、力学の問題としてはごく基礎レベルです。
答え方に迷った人もいたかもしれませんが、200gのおもりをつるす位置については、「棒の左端から15cm」でも、「支えたところから左側に25cmの位置」でも、「中心から左に35cm」でも正解となるでしょう。ただし、間違いとは言えないものの、「棒の右端から85cm」などというように、わざわざ半分よりも長いところを答えるのは避けた方が良いでしょう。

問4

しっかりと与えられた条件分を読み取って考えましょう。
左に倒した場合には点Bより右側、右に倒した時には点Cより左側に重心がなければ、最大に倒してもおきあがる「おきあがりこぼし」にはなりません。
また、リード文中にも「机の上でまっすぐ立っているときには,重心の真下が机と触れていて」というヒントがある通り、普段まっすぐ立つためには、起き上がった時の中心線上(点Aの真上)に重心がなければなりません。

花の形成遺伝子をメインに、蒸散作用、根粒菌による窒素同化、光合成などに関する小問を併せた生物分野の出題です。
最初にリード文で触れた「根粒菌」の話が、実は最後の問3のヒントにもなっているという構成は、まるで物語の伏線のような仕掛けで、何とも言えない「雙葉らしさ」を演出しています。

問1

aとcは植物の基礎知識ですが、bについては知らなかった人も多いことでしょう。ただし、問題自体はとても親切な作りで、空気中に最も多く含まれる気体が窒素であることを知っていれば難なく答えることができます。
いずれにしても、確実に得点しておきたい問題です。

問2

問題文と図3の見方さえ理解できれば、まったく難しくはありません。
しかし、時間制限と独特の緊張感があるテスト会場で冷静さを欠いてしまうと、長く細かな説明文のために、ちょっとしたパニック状態におちいってしまうかもしれません。
その意味で、難易度分類は「B(知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題)」にしてみました。
おそらく、読み取る力の差がはっきりと表れたのは、問2の問題文の最後にある「また,AにはCの働きを,CにはAの働きをおさえる作用があり,どちらか一方の遺伝子が働かなくなった場合は,おさえられていた遺伝子が働くようになります。」という部分ではないかと思います。
また、(3)の記述については、記述問題というだけで腰が引けてしまった人もいるかもしれませんが、Cの遺伝子が働かない限り「おしべ」も「めしべ」もできないのですから、自然界において子孫が残せないのは当然です。恐れずに書けば、割と簡単に得点できる問題でした。

問3

前述の通り、やや小説仕立ての、雙葉らしい問題となっています。冒頭のリード文の中で、ダイズを用いて根粒菌の説明をしており、最後には「根粒は,ダイズのようなマメ科の植物の根に見られます。」とまで書いてあります。これが、問3を考えるためのヒントになっているのです。
植物にとっての3大肥料は「窒素・リン酸・カリウム」と言われますが、その一つである窒素は、空気中に最も多く含まれる気体であるにも関わらず、通常の生物は直接利用することができません。しかし、根粒菌には、空気中から取り入れた窒素を使って窒素化合物を作る「窒素同化」という能力があるので、この窒素化合物を肥料として提供する代わりに、マメ科の植物の根から養分をもらっているのです。窒素はたんぱく質を合成する上で欠かせない物質ですから、マメ科の植物の種子(つまり豆)にたんぱく質が多く含まれるのもうなずけます。
さて、問題文中にもあるように、レンゲソウもマメ科の植物ですから、根には根粒菌を持っています。つまり、レンゲソウは根粒菌からもらった窒素化合物をたくさん持っているので、これを土の中に混ぜ込むことで、窒素分の豊富な肥料の代わりとなるのです。

前半の[Ⅰ]は半透膜について、後半の[Ⅱ]は沸点上昇についての問題であり、いずれも高校化学の配当単元です。もちろん、受験生は知らない前提ですから、その本質が理解できるように説明文があり、それを理解して答える問題になっています。

問1

問1を正確に答えられるということは、半透膜(ここではセロハン膜)とそこで起こる現象について正しく理解できたということですから、その後の問2・問3も当然正解しやすくなります。それらをすべて合わせたときの得点の大きさを考えると、この問題が合否を分けた可能性が大きいと思いますので、後ほど「合否を分けた一題」として詳しく解説していきます。

問2

リード文の説明がきちんと理解できていれば難しくありません。また、いわゆる「塩もみ」などという調理法と重ねて考えることができれば、経験的にも答えられたかもしれません。
生物のからだをつくる細胞の膜にも、セロハン膜と同様に、水だけが通り抜けられるくらいの小さな穴がたくさん開いています。この穴は、食塩が通り抜けることはできませんが、水は通り抜けられるので、水の移動によって内側と外側の濃度をそろえようとします。したがって、キュウリを塩漬けにしておくと、外の食塩をうすめようとして、内部の水が抜けていくのです。

問3

問2のキュウリと同じことなのですが、卵の殻を溶かす実験を実際にやったことのある人は少ないでしょうから、経験だけでは答えられなかったことと思います。
ゆで卵の殻をむくときに、からの内側にうすい膜があることに気づいたことがあると思いますが、これを「卵膜(らんまく)」と言います。卵膜も、セロハン膜と同じように水だけを通す半透膜ですから、水の中に入れておくと、外側の水が卵膜の中に入って内部をうすめようとします。また、塩をかけると、卵膜内部の水が外に出て、外側の塩をうすめようとします。

問4

現象は難しいですが、設問自体はそれほど難しくありません。難しそうに見える文章に挫折しなければ、正解にたどり着けたと思います。
私たちが普段使っている濃さは、正式には「重量パーセント濃度」と言い、重さの割合で表したものです。与えられた表のデータを見ると、砂糖は食塩の10倍の量を溶かしても沸点の上昇度が小さいのですから、同じ5%であれば、なお食塩の方が大きな上昇度になるはずです。

問5

ちょっとしたひっかけ問題です。「20%の砂糖水」と言われて、「20gを見ればいいんだ!」と安易に考えてしまってはいないでしょうか。
20%の砂糖水に加えられている砂糖が25gであることさえ気づけば、極めて易しい問題だと言えるでしょう。

通常の中学受験知識で解ける「気象(地学分野)」の問題です。
後半の問3・4については、実際に気象観測に使われている雨量計の仕組みを知っていればさほど難しくはありませんが、問3では洞察力が必要かもしれません。

問1

極めて基本的な、確実に得点したい問題です。
日本付近の台風(低気圧)ですから、反時計回りに風が吸い込まれる形になります。

問2

文章読解力を試すような問題です。
1時間あたりの降水量が107.5mmを記録しているのに、1時間ごとの雨量では100mmを超えていない……一見、禅問答のような問題ですが、言葉の意味に気づけば難しくありません。つまり、図1の
「1時間ごとの雨量」というのは、0:00~1:00,1:00~2:00というように、毎正時の間での降水量を計測しており、1時間あたり107.5mmという降水量の記録は、正時をまたいで連続した1時間に降った雨量を表しているのです。

問3

大変難しく感じられたと思いますが、与えられた図をよく見て、ちょっとした違和感に気づくことができれば正解への道が見えてきます。
外筒である1.5Lのペットボトルの方は、下部を切り取って「使わない」としているのに、雨量マスの代わりとなる0.5Lのペットボトルの方は、下部を残してあります。本当は、圧力変化に対応するために作られたペットボトル下部のデコボコなつくりは使いたくないのですが、水をためる内筒の方は、切り離すわけにいかなかったのです。しかし、デコボコしていては、等間隔の目盛りで計測することができなくなってしまいます。そこで、目盛りの0の位置を少し上にして、デコボコしている部分を避けるようにしたのです。
その結果、雨が降る前に0の位置までは水を入れておかなければならなくなり、それが問題文中にある「水を使って,あることをしてから」という部分なのです。
ヒントを活かして、どこまでくらいつくことができたでしょうか。

問4

質問の仕方もやや曖昧なので、正確に出題者の意図を読めなかった人も多いのではないでしょうか。
この問題は、「なぜ2倍なのか?」を聞いているのではなく、「なぜ実際の長さのままで測らないのか?」を聞いているのです。
実際に降った雨をそのまま貯めると、1~2mm程度の少量では誤差の影響が大きすぎて、雨量を正確に測ることができないため、底面積を小さくすることで高さを増し、誤差の影響を減らしているのです。

合否を分けた一題

大問[3]は、高校で学習する「半透膜」と呼ばれる膜の性質に気づかせる問題でした。
もちろん、大変難しい内容ですし、まったく知らない状態から、この文章と図だけで理解するのは至難の業でしょう。
しかし、これを読み解かなければ、問1から問3まで全問不正解という可能性もでてきてしまいます。この意味を推理できたかどうかが合否を分けたと言えるかもしれません。

[3]
問1

この文章の一つ目のポイントは、「セロハン膜には小さな穴がいくつもあいていて,水をつくる粒はこの穴より小さく,砂糖をつくる粒はこの穴より大きい」という部分です。つまり、水の粒は通り抜けられますが、砂糖の粒は通り抜けられないのです。

そして、U字型のガラス管の真ん中をセロハン膜で仕切り、左側には濃い砂糖水、右側にはうすい砂糖水を入れたところ、図のように、左側の水位が上がって、右側の水位が下がりました。これはつまり、左側(濃い方)の水量が増え、右側(うすい方)の水量が減っていることを意味します。
では、なぜそのような変化が起きたのでしょうか?

セロハン膜にあいた穴は、大きさから考えて、水しか通り抜けることができませんから、右側(うすい方)から左側(濃い方)へと移動したのが水であることは明白です。
つまり、セロハン膜の左側(濃い方)では、砂糖の量が変わらないのに水が増えたわけですから、濃度が下がっていることになります。そして、右側(うすい方)では、砂糖の量が変わっていないのに水だけが減ったのですから、濃度は上がっています。
濃い方の濃度が下がり、うすい方の濃度が上がれば、両側での濃度の差は小さくなることになりますから、水が移動する理由は「濃度を均等にしようとする」ということであると予測できるのです。

したがって、

この結果から,濃さの差が(ア:「小さく」)なるように(イ:「うすい」)水溶液から(ウ:「こい」)水溶液に,(エ:「水」)が移動したことがわかります。

という文章になります。

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