夏休み中は、まず、夏期講習テキストによりこれまでの総復習を行うことになります。Cコース用テキストであればレベル感はまずまずですが、Sコース用テキストだと消化不良を起こしかねません。深追いせず、生徒の状況に応じて不要な問題は削ります。
また、夏休み中に授業で配布されるプリント類は、全てに手をつける必要はありません。授業中に演習を行って間違えた問題のみ、家庭で解き直しができれば十分です。
次に、夏休み前に配布される『四科のまとめ』の取り扱いについてです。
JG志望者ならこのレベルの問題は、夏休みの段階でスピード強化の素材として使うべきものです。
①1ページ10分以内を制限時間として、スピード練習の一環として位置付ける
②右ページ全50回分を、朝晩1ページずつ25日間で1回転させる
③1回転目の×問題のみ2回転目で取り組む
この方法で処理速度を上げていくとともに、典型問題の解法に穴がないかチェックしていきます。
夏休みに入るまでに思うように基礎固めができなかった生徒は、恐らく『四科のまとめ』の黒番号問題に手こずるでしょう。その場合は白番号問題のみスピード練習の素材とし、黒番号問題は解法の正しい理解・定着が最優先です。
さらに、東京出版『プラスワン問題集』を夏休み中に1回転してもらいます。ただし、立体の切断に関する問題の大部分は除外します。お盆休みの期間中が勝負です。ここで一気に進めたいところです。スピード練習ではなく、“典型問題+α”の解法定着に向けての問題演習ですから、時間がかかっても正しく理解することが肝心です。正解した問題も必ず解説を熟読し、複数の解法を習得しておくと、JGの過去問を解くときに威力を発揮します。
9月以降の学習は、あれもこれもとやるべきことの多さに振り回されないようにしましょう。①日曜日のJG特訓、②過去問演習、③東京出版『プラスワン問題集』、④通常授業の復習、⑤週例テスト、の優先順位で進めることになります。
①日曜日のJG特訓は、出題傾向に沿った問題演習と時間内での過去問演習の2本立てになります。2009年は2つの校舎での開講でしたが、授業の進め方が異なり、それぞれに応じた家庭学習の進め方が必要でした。いずれにしても、テキスト収録の問題数はさほど多くはないので、(1)個々のレベルに合わせて設定した制限時間内で、テキストの全ての問題を解き切れるようにし、(2)テキスト以外の問題を利用して、頻出分野の演習量を増やすようにします。
②日曜日のJG特訓の授業内で40分での過去問演習に取り組みます。各自に合わせた時間配分の基準を私が提案するので、それを実践する場となります。1年分終えるごとに、時間配分は適切だったか、解法に抜けがなかったか等をチェックして反省点を洗い出し、次回の過去問演習につなげていきます。
なお、過去問の2回転目の取り組み方は生徒によって異なります。状況に応じて指示を出していきます。
11月ないし12月から併願校の過去問にも順次目を向けていきましょう。
③東京出版『プラスワン問題集』を夏休み中に1回転した生徒は、9月から2回転目に入ります。1回転目は時間不問ですが、2回転目は制限時間を設定します。10月末までに2回転目を終了させ、冬休みに入るまでに3回転目を終了させましょう。3回転目は2回転目で×だった問題のみで構いません。
夏休み中に取り組めなかった場合には、9月からスタートさせ、冬休みに入るまでに2回転目まで終了させましょう。
④通常授業については、間違えた問題の解き直し・理解だけで十分です。『予習シリーズ6年下』『実力完成問題集』に加え授業内で配布されるプリント等、教材がたくさんあってやり残しが気になるかもしれませんが、一切気にしないことです。弱点補強が必要な分野がある場合は、適宜取り組むべき問題を指示します。
ただし、『計算と一行問題集6年下』は日付通りに標準編のみ進めてもらいます。スピード練習の素材としてこの時期最適なレベルの問題です。
⑤9月以降、週例テストが時間を圧迫していきます。日曜日がJG特訓や模試、土曜日が週例テストで半日以上つぶれてしまうので、まとまった家庭学習時間が確保できなくなります。生徒の状況にもよりますが、週例テストを削るというのも1つの選択肢です。
9月以降に受けるべき模試は、①第1回~第4回合不合判定テスト、②11月初旬の学校別判定テスト、③他塾の学校別判定テスト、になります。各塾の学校別模試の特徴は「時期別学習法 6年生後半」を参照して下さい。
正月特訓はJG志望者としての仕上がり具合を測る絶好の機会です。本番と同じ形式でのテスト演習を重ねるので、時間配分の最終チェックを行いましょう。