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理科

駒東中入試対策・理科の合格戦略の提案

基本的な知識を、幅広く、かつそれなりの細やかさで身につけることが大前提です。
当然、普段の塾の試験や模試で好成績を収められる学力が必要ということですが、それだけでは不十分です。
では、具体的にどういった対策を立てることが可能か、実際にドクターで行っている対策も合わせて、説明していきます。

出題形式と傾向の把握

出題形式と傾向が安定しているという事で対策が立てやすい半面、駒場東邦中なりの特色があるため、問題との相性が合わないとそれなりの学力を有している生徒でも手こずる事があります。早いうちに傾向を把握し、形式に慣れるに越したことはありません。

そのためには、何よりも実際に過去問を解くことが有効です。どの塾でも6年の夏期講習前にはひと通りの単元を学習し終わりますので、他塾との掛け持ちをしているドクター生にはその辺りから過去問に取り組んでもらいます。この際、個々の生徒に不足している点を見極め、夏期講習期間中にある程度カバーすることが重要です。例えば、記述や作図などが出来ていない場合にはそれらを強化する対策を講じる訳ですが、もっと見分けにくい弱点で、「図表の読み取りが出来ていない」「長文の問題を読み取る際に細部を読み落とす」等の問題がある場合も、他校の類題などを使用して演習を積み重ねていきます。

一方、掛け持ちなしのドクター生の場合、もっと早い段階から駒場東邦中を意識した学習を始めます。これは単に過去問を解くということではなく、具体的にはグラフや表の読み取り、作図、記述等を単元内容が簡単な内から繰り返すという対策を講じることができるということです。6年の夏期講習前に過去問演習に入った段階で、上記のような“形式に対する弱点”がない状態にしておくことで、夏期講習期間はより高度な問題演習に時間を費やすことが出来ます。

また、これはどこの塾に通っていても起こりうることですが、過去問演習に入った時点で授業をしてから期間の空いている単元は、基本的な知識が抜けてしまっていることが良くあります。期間が空いていない単元でも、細かい知識が抜けているという場合もあります。こういった場合は、知識問題の総ざらいが必要なわけですが、駒場東邦中の場合は少し細やかな知識まで問う問題が出題されますので、SAPIXの『コアプラス』または四谷大塚の『四科のまとめ』を使用するのが良いでしょう。『四科のまとめ』は、細かすぎて多少使いにくいという難点はありますが、基本的な知識が入っていることが前提の駒場東邦中受験生にとっては丁度良い筈です。空所が多すぎて、どこに何を入れるか分かりにくい場合は、最初に解答を見て全て埋めてしまってから、カラーシートで隠すなどすると使いやすくなるかもしれません。または、コピーを活用しましょう。尚、この知識の総ざらいに関しては家庭学習でやって頂き、授業時間はあくまで問題演習に費やします。これらの知識確認は、夏期講習期間中にひと通り、その後入試前までに2回通してやるのが基本です。

テキストを超えた出題の対策

出題形式と傾向を把握したあとは、それに応じた学習をしていくことが当然必要となります。殊、駒場東邦中においては、塾のテキストではカバーしきれない部分を如何にフォローしていくかが重要です。

細かすぎる知識問題の対策

ある程度の知識は、上記の『四科のまとめ』でフォローできますが、それを越える出題があることもしばしばです。といっても、意味もなく重箱の隅をつつく様な問題が出されているわけではありません。推察するに、問題を解くのが上手な生徒よりも、身の回りの事に興味を持って自ら“問題”を見出すことの出来る生徒や、情報を的確に(論理的に)処理して判断できる生徒を求めているものと思われます。

例えば、22年度“四角囲み1”のスズメの頭部の模様を問う問題や、19年度“四角囲み4”のハシブトガラスの体の色を問う問題は、どちらも身近な生物をきちんと観察できているかどうか(あるいは興味を持って調べたことがあるかどうか)を問われている問題です。因みに、19年度のハシブトガラスの問題は、その名称や、他のカラスとの違いを予備知識として持っておく必要はありません。問題の文章から、普段街中で良く見るカラスがハシブトガラスであるという事が読み取れます。そうすると、いくつかトラップのような選択肢がある中でも、スタンダードに“カラス”と言われて思い浮かべる全身真っ黒のアイツである事が分かるという訳です。

また、16年度には“四角囲み2”で、アジ・イワシ・サンマという食卓に上がりやすい魚の形を問う問題が出ていました。最早理科と言うよりも家庭科、もしくは常識の問題ですが、早くから受験勉強に勤しんでいる生徒の中には、こういう問題に全く答えられない生徒が少なくありません。しかし、この類いの問題は点が取れて当たり前であり、算数でいえば計算問題、国語でいえば漢字と同じ扱いです。配点自体は大きくありませんが、落とすとライバルとの差が付くと考えて下さい。

これに対する根本的な対策は、所謂“お勉強”とは少し違うものになると考えられます。普段から身の回りの物事に注意を払う様心掛けるのが正攻法でしょう。小学校での学習もばかになりません。総合的な学習も含めてしっかり受けておいて下さい。また、図鑑を楽しんで見られる生徒は有利かもしれません。目に入る動物や植物、食卓に乗る野菜や魚について、調べてみるのも良いでしょう。要するに、駒場東邦中学が求めている生徒像に近づけば良い訳です。

とはいえ、直前期に入ってそのような悠長なことはやっていられません。ドクターでは必ず出題があると思われる“身近な生物”の分野に絞り、ある程度当たりを付けて戦略的に学習して行きます。特にここ数年は環境問題との絡みでの出題が目立つ事から、身近な生物でありながら絶滅の危機に晒されている生物や、外来種の問題などは予備知識をいれておくべき部分です。過去に出題されていない生物で言うとメダカ(絶滅危惧種)やブラックバス(外来種)などがあります。しかし、これらについて、体の特徴や生態を丸覚えする必要はありません。上記のカラスの問題と同じく、半分は問題文の読解で正解に近づけるからです。むしろ、環境や生態系の問題全体を総括的に捉えておくことの方が重要でしょう。これは実は国語の説明的文章で狙われやすいテーマでもあります。駒場東邦中の国語は物語文の長文読解のため、説明的文章の学習がおろそかになりがちですが、環境問題がテーマの文章には積極的に接していった方が良いです。

あとは、身の回りで見ることの出来る生物については、最低限姿で見分けがつくようにしておきます。

『理科の合格戦略の提案』 >> 1 2
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