平成21年度の駒場東邦中の社会の入学試験は合格者平均43.0点でした。これは、100点満点換算で53.8点となり、入試四科目の中では一番低い点数でした。中学入試ではよく6割5分とか7割取れれば合格と言われますが、駒場東邦中の昨年の社会の合格者平均が5割強なのです。この低い点数が最近の駒場東邦中の社会の出題傾向を如実に物語っています。昨年度は、新潟市を題材とした地理・歴史のユニークな総合問題や、図表から参議院の選挙区の一票の格差や有権者の意見が国政にどれだけ反映されたかを読み取らせるような「思考力」を問う問題が出題されました。
近年、駒場東邦中の社会では高得点が取りにくくなっています。これは、駒場東邦中の社会の出題が、単に知識の量を問うのではなく、記述問題や資料の読み取りのような「考える力」を問う傾向にあるからです。
それでは、駒場東邦中の社会では高得点は取れないのでしょうか?
やりかたしだいでは十分高得点も可能です。そして、もし、社会で高得点が取れたらライバルに差をつけることができるのです!では、どうすれば駒場東邦中の社会で高得点をたたき出すことができるのでしょうか?
駒場東邦中の社会で問われる「考える力」とは「ちゃんとした知識」にもとづいて「しっかり考える」ことです。ここで「ちゃんとした知識」とは正確な基礎知識という意味です。また、「しっかり考える」とはものごとを論理的・合理的に分析したり推理したりすることです。
無から有は生まれないように、何も基礎知識がないところからは何もまともな思考をすることはできません。思考力のバックボーンにあるのはしっかりとした基礎知識なのです。これが「ちゃんとした知識」が必要な理由です。
また、「考える」とはむやみやたらとでたらめに考えることではありません。ある事実(基礎知識)にもとづいて合理的・論理的に分析し推理することです。論理の飛躍を避け、何の根拠もないことを排除しなければなりません。これが「しっかり考える」ことです。
要するに、「正確な基礎知識に裏打ちされた合理的・論理的な思考力」が求められているのです。(それに、最近は理由を説明する「表現力」も加わってきました。)
これらの出題傾向は、また、駒場東邦中がどのような学生を求めているか、つまり、駒場東邦中の「求める学生像」を暗黙のうちに示しています。
1 正確な基礎知識
2 論理的な思考力
3 表現力
これら3要素を備えるためには「本物の」社会の学習が求められているのです。