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国語の合否を分けた一題

雙葉中入試対策・国語の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

問一 aA bA cA dA 問二 A 問三 B 問四 1A 2A 問五 B 問六 A 問七 B 問八 A 問九 B 問十 B
問十一 A 問十二 B 問十三 C 問十四 B
問一 B 問二 B 問三 B 問四 A 問五 A 
問六 ④A ⑤A 問七 B 問八 B 問九 A 問十 B 
問十一 B 問十二 A
問一 1A 2A 3A 4A 5A 
問二 1A 2B 3B 4B 5A

A…確実に得点したい問題
B…知識や文脈力、論理的思考力で、得点に大きく差がつく問題
C…国語力がないと歯が立たない問題

問題総評

今年度の雙葉は大問三つの構成となっており、例年通りの出題でした。大問一の随筆文は、著者と馬具職人の工藤さんとの交流における、両者の苦悩と喜びが描かれています。記述の形式は「どういうこと」という線部の換言が目立ちました。大問二物語文は、自分の創作に自信を持っていた主人公が、他者の作品の美しさに打ちのめされるというものです。記述は気持ちを聞くものがほとんどです。どちらの文章も短く、読み取りやすいものではありますが、記述は自分で考えた言葉で書かなければ点数にあまりならないと思える答えのため、また、知識の問題も多く、例年の雙葉らしい、高難度の問題になっています。大問三として漢字の書き取りが10題出ています。

問題別寸評

問一 知識 慣用表現

ヒントとして挙げられた言葉を選び、本文にあてはまる形に変えて書く、という問いです。雙葉をねらうのであれば、一つも落とせない問題です。

問二 抜き出し 身近だったことがわかる部分 

実際に馬具職人の店に行くことが書かれ出す部分がわかれば、「いつも」という「身近」と関係ある言葉があるので問題なく見つけられます。

問三 記述 線部の換言説明

「あれのおかげ」という指示語の問いとして解くこともできるので、×や空欄はあってはならない記述です。「馬のしてくれたことは何か」「『5人の子どもを学校へやれた』とは、どういうことが家族にもたらされたということなのか」を、問いにある通り「具体的に」、かつ、自分の考えた言葉でまとめます。

問四 擬態語

2つとも、空欄の前後を読めば答えが選べる易しい問題です。

問五 記述 線部の換言説明

問いに「筆者の状況にあわせて」とあるので、具体的に書きます。また、問二にも関連した、筆者がなぜ馬具職人の店を見つけられたのか、を書くことが答えになるので、結果的には取り組みやすい問題だったのではないでしょうか。

問六 筆者の願望

選択肢に軽い仕掛けがあるものの、直後の内容から選べる易しい問題です。

問七 記述 筆者の気づいたこと

線の前にも後ろにも「軽」というキーワードがあります。筆者を「軽」、相手を「重」とした対比の中で気づいたことをまとめる問題です。この問題だけ字数制限があり、まとめるのに厳しかったのではないかと想像します。

問八 知識 四字熟語

雙葉をねらうのであれば、落としてはならない四字熟語です。

問九 記述 工藤さんの気持ち

解答形式が指定されているので、問いのヒントが、そして、工藤さんが今充実したときを過ごしていることが、把握できれば問題なく書けたと思います。

問十 記述 幸せを感じた理由

 線の前後には工藤さんが生きがいを感じていることが書かれていますが、これはきっかけとなる出来事であり、このことに自分も関わっているのだという思いを自分で考えて書くということが求められる、なかなかの難問です。

問十一 気持ち

表現がストレートではないのですが、問九・問十と同じことを聞いています。落としてはならない問題です。

問十二 知識 言葉の意味

やや厳しいものかもしれません。知らなければ選べない問題です。

問十三 記述 一般的なものとの相違点

工藤さんが「おめでとう」といってないのには気づくでしょう。それなのに、筆者は工藤さんが「おめでとう」をいってくれたとしています。この矛盾の言語化です。本文での工藤さんの人柄から自分で考えた言葉でまとめます。難度は高いです。

問十四 内容正誤

「すべて選ぶ」という問いが厳しく感じられますが、選択肢自体は端的に書かれているので、確認するポイントが少なく、難問とはいえません。

問一 知識 慣用表現

「壁」という言葉はよく耳にすると思いますが、それと同じ意味で使われる言葉がどれか、大人が思う以上に子どもにとっては難しい問題です。

問二 知識 記述 換言

雙葉特有の、言葉を端的に言い換える記述です。二つの要素を入れられたか、で差がつきます。

問三 記述 気持ち

主人公ではない人物の気持ちを書く問題ですので、会話文を土台に答えを作成していきます。それも線の前後の会話文から作成できるため、○がとれる記述です。

問四 知識 慣用表現

目に関する慣用句です。2つとも中学受験生必須レベルです。

問五 指示語

「すべて選ぶ」という問いなので難しく感じられるかもしれませんが、指す内容がとらえやすいので、確実に正解しておきたい問題です。

問六 相反する気持ち

「隠したい」と「言いたい」の気持ちを選ぶ問題です。易しいです。

問七 記述 気持ちとその気持ちになった理由

線の直後に、問いかけ文が連続して出てきます。これが、気持ちの説明になっています。しかし、直前には、問六で見た「うれし恥ずかし」という気持ちが書かれている。つまり、対比で書くことに気づけたか、の勝負です。

問八 記述 換言 思い

後ほど、合否を分けた1題でくわしく説明します。

問九 文法

助詞「の」の識別です。雙葉を志望していなくても正解しなくてはならない問題です。

問十 記された理由

線の言葉が既に登場している言葉だということに気づくのは当然のこととして、問八でみた、いまだに現実を受け入れられない主人公への、最後の、そして最大の証拠が、今この瞬間につきつけられた、つまり、ここで主人公は自分の絵が選ばれなかったという敗北を受け入れた、観念したという、この文章のクライマックスだという点まで読み取れていないと、この問題の選択肢は選べません。

問十一 記述 両者の異なる点

それぞれの作品の特徴を本文からおさえ、対比する形で書ければ、大きく減点されることのない問題です。

問十二 抜き出し 本文のテーマ

この問題の答えがわかった人には、この本文がきれいな文章構成だったということもわかったことでしょう。本文最初の2文で使った言葉が、本文最後に再び登場しています。絶対に落としてはいけない問題です。

問一 熟語の書き取り

易しくはありませんが、しっかりとした漢字の学習を続けてきたならば、5つとも書ける漢字でした。

問二 慣用表現の熟語の書き取り

慣用句やことわざの漢字を書かせる問題でした。これらは意味をおぼえる方に意識がいってしまうため、「長物」や「果報」や「養生」など、自信を持って書けなかった人がいることでしょう。雙葉に合格するには、慣用句やことわざの意味だけでなく、使われている漢字も意識して覚える学習が必要です。

合否を分けた一題

今回は大問2の問八を取り上げます。問題自体が難しいわけではないですが、○に近い△なのか、×に近い△なのかによって大きく差がつく問題です。国語読解方程式に基づいた、そして、自分の考えた言葉での、記述が求められます。

問八 記述 換言 思い

―線部⑦「抵抗する思い」とはどのような思いか、説明しなさい。

解き方の手順
主人公は生まれてからずっと、創作に関してだれにも負けたことがなく、圧倒的な自信を持っています。今回の先生に選ばれる作品も、当然自分のものだと確信し、教室の全学生の前で発表されることを、うれしくも照れくさい気持ちで待っています。以上の内容は、問三・四・六からも読み取れます。
しかし、雲行きが怪しくなってきます。自分の作品は絵なのだから、明るい所で見た方がいいはずなのに、カーテンが閉められ出します。このときの気持ちは問七で聞かれています。

そうです。この問八を書くためには、他の問題の答えも考慮に入れなければならないのです。

受験生へのアドバイスに、「わかる問題から解いていけ。わからないのは後回しでよい。時間を意識しろ。」というものがありますが、ことに雙葉に関して、このアドバイスは通じないかも知れません。

自分の才能に絶対の自信を持っていた主人公に、わずかな疑念が生じ出したなかで、線の直前の出来事に注目します。

確認ですが…
物語の基本形は
出来事
  ↓
気持ちの変化
  ↓
言動・表情
この三要素の流れだということはちゃんと覚えていますね。

話を元に戻します。
出来事は
「ビデオデッキが設置された」

絵を見るのに、ビデオデッキは必要ありません。この段階で、はっきりと自分の絵が選ばれたのではない証拠が、主人公につきつけられたのです。
それにもかかわらずの「抵抗」です。

「現実を受け入れられない、受け入れたくない」
「現実逃避」
「認めたくない」
「拒絶」など、
人生ではじめて思い通りにならなかったことに出会った主人公の心理が答えです。

ここまで重いテーマ・出来事でなくても、自分の思い通りにならなかったことに対する心理を表す言葉は、中学受験頻出です。しっかり覚えておきましょう。

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