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理科の合否を分けた一題

開成中入試対策・理科の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

問1 A  問2 A  問3 A  問4 B  問5 B  問6 B
問1 A  問2 A  問3 B  問4 A  問5 A  問6 A  問7 A
問1 A  問2 B  問3 A  問4 B  問5 B
問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 B

A…開成中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題

出題総評

2016年の問題を一言で表現するなら「今年も易問」です。
開成学園が公表している平均点データを見ても、以下のように、70点満点の理科の平均点が、85点満点の算数や国語よりも高くなっています。

【開成学園発表 2016年入試結果】

科目 国語 算数 理科 社会 合計
合格者平均 48.4 53.7 61.4 51.0 214.5
全体平均 41.0 39.7 56.9 46.2 183.8
満点 85 85 70 70 310

また、以下のように、近年の理科の平均点だけを比べてみると、意図的に易化させていることが見て取れます。通常、前年の入試で大幅に平均点が上がった場合には、その反動で難化しすぎることが多いのですが、今年の開成は、昨年に迫るほどの易しい問題になっていました。

【開成学園発表 最近8年間の理科入試結果】

年度 2016 2015 2014 2013 2012 2011 2010 2009
合格者平均 61.4 62.4 60.0 55.1 60.7 60.2 57.6 57.3
全体平均 56.9 58.8 54.8 49.1 54.3 54.7 53.4 53.6

ここからは想像ですが、テクニックで難問に答えられる生徒よりも、要求されたことに耳を傾け、真正面から向き合うような生徒がほしいという意思の表れなのだと思います。
また、入試問題を、「受験生へのメッセージの発信ソース」と位置付けているように感じます。

問題別寸評

本の中で学ぶだけでなく、実際に自分の目と手で触れているか? 実際に触れた星座早見盤の構造や仕組みに興味を持ち、分析しているか? など、受験生の「科学者の視点」を確かめるような、開成らしい一題となりました。

問1

星座早見の中心が表すものについての出題です。回転しても動かないことをヒントに解きますが、基本中の基本ですから、絶対に取りこぼせない問題です。

問2

星座早見の図の中から、夏の大三角を探させる問題です。天の川との位置関係や、星座の形をヒントに発見してください。夏の大三角を構成する星の名前だけでなく、位置や形まで把握しているかを試す出題でしたが、一等星が区別されているサービス問題ですから、開成中の受験者であれば、このくらいは軽々とクリアしたいものです。
開成中の理科は、普段から図鑑などを見る生徒に有利な問題が多い傾向にあります。

問3

星座早見盤に関する出題の時には、必ず聞かれるといっても過言ではない定番問題です。
実物の星座早見を使ったことのある人にとっては簡単ですが、特に「西」は、知識だけで解こうとすると、星座早見の仕組みまで完全に理解していなければ難しいでしょう。ただし、それを踏まえても絶対に正解しなければならない基本問題です。

問4

ちゃんと解こうとすると難しい問題ですが、感覚(勘)であたってしまう可能性も高い問題でしょう。
考えるポイントは、オリオン座が冬の代表的な星座であり、夏の大三角と冬の大三角は、ほぼ正反対の位置にあることでしょう。また、オリオン座は北の空に上がることのない星座ですから、星座盤の中心近くにはありません。

問5

実際に使ったことがある人でも覚えてはいないでしょうから、理論的に考える力が問われる問題です。観察力・考察力などを求める、開成らしい1題と言えるかもしれません。
与えられた選択肢より、いずれにしても月日の目盛りは一回り大きい下の円盤(星座盤)に、時刻の目盛りは一回り小さい上の円盤(時刻盤)に書かれていることが分かります。また、問3の方位をもとに考えれば、時刻や月日が進んで星の位置が東から西へ移動する様子を表すには、下の円盤は左回りに、上の円盤は右回りに動かさなければならないことが分かるはずです。目盛りの振り方は逆回りになることに注意して、最後まで気を抜かずに解き切りたい問題です。

問6

これも、持っている知識をもとにして、理論的に考えて解く問題です。
より西にある東経135度の線上では、東にある東経140度の線上よりも、同じ星が約20分遅く南中します。つまり、同じ時刻に観測すれば、その星は20分間分(5度)だけ東よりに見えるはずですから、その分だけ窓の位置を西寄りにあけておかなければなりません。また、緯度は変わらないので、北極星の高さも同じですから、上下の移動は必要ありません。

大問[2]は、歴史に残る易問でした。今年の開成中学の入試で、理科の平均点が他教科よりも高かった原因の一つと言えるでしょう。合格のためには、ぜひ全問正解をしておきたい問題です。

問1

赤色から「銅」を連想するというミスリードをされてしまった人もいるかもしれませんが、これは鉄の赤さびです。その可能性に気づきやすくなるように、食塩が混ざっていることがすぐにわかる文章があったのですが、出題者からのヒントをきちんと受け取れたでしょうか? もちろん、操作3で、すぐに鉄が入っていることが分かる文章があるのも大きなヒントでした。

問2

これは基本中の基本の問題ですね。白色粉末で立方体の結晶と言われれば、食塩(塩化ナトリウム)がすぐ頭に浮かぶはずです。

問3

心情的には、答えとして選びにくい選択肢だと思いますが、ここの正解は「ガラス」でしょう。食塩よりも溶けにくいからホウ酸が残るのでは……と考えてしまった人もいるかもしれませんが、ホウ酸が入っていたのなら、作業1の最後の工程でホウ酸の結晶も観察されるはずです。その辺りを正しく読み取れれば、比較的易しい問題と言えます。

問4

これも基本問題です。問1でさびたことからも、2種類の銀色の粒の1つは鉄ですが、鉄は酸にしかとけません。一方、酸にもアルカリにもとける金属を両性金属と呼び、代表的なところではアルミニウム・亜鉛・鉛などだけです。選択肢の中で該当するのはアルミニウムだけです。

問5

これも、絶対に外してはならない基礎問題です。アルミニウムと水酸化ナトリウム水溶液の反応ですから、水素が発生します。

問6

磁石に引き付けられる銀色の粒……間違える人はいませんね。磁石に引き寄せられる金属として覚えておきたいのは、鉄・ニッケル・コバルトの3種類だけです。

問7

問題文を読みながら、「おいおい、どんな物質か分からないのになめるのか?」と思った人も多いでしょう。まさにそれが、この問題の答えでした。記述問題ではありますが、内容があまりにも簡単ですので、きちんとした文章が書ければ、特に恐れる要素はありません。

この問題は、作問した先生からのメッセージを最も強く感じます。つまり、自ら興味を持ち、調べ、試し、自分なりに考察するという「科学者の視点」を持ってほしいというメッセージです。

問1

人体に関する知識としては、いろはの「い」とでも言うべき問題です。合格のためには、1問たりとも間違えてはいけないレベルでしょう。

問2

今年の問題の中では、比較的難しい一題でした。しかし、問題をよく読み、解答の形式をもヒントにすれば、解答は自ずと見えてきます。ここでしっかりと考えられたかどうかは、合否を決める鍵の一つとなったかもしれません。この問題を「合否を分けた一題」として、詳しく後述します。

問3

実験1と実験2の結果を見なくても、選択肢の中で正しいものが一つしかなく、しかもそれが一目で分かる……おそらく、多くの受験生が難なく正解したと思われます。ここは、絶対に落としたくない問題です。

問4

開成の先生が、入試を通して一番試したいのが、この「自分で実験方法を考え出す力」だと言えます。その意味では、もっとも開成らしい出題と言えるかもしれません。しかし、問5でも使うことを想定した選択肢であったため、実質2択になってしまい、やはり問題としては非常に易しいものでした。

問5

実際に、加熱した条件下では、ヨウ素デンプン反応は起こりません。そこにデンプンが存在しても、温度が高いとほぼ無色透明になってしまうのです。しかし、多くの受験生はその事実を知らないはずですから、「説2が正しいとした場合」と条件を与えて答えさせることで、知識で答えるのではなく、その場で考察する力を試そうとしたのでしょう。
ところが、問4と同じ選択肢を使ったために、こちらも自動的に2択(問4で使わない選択肢)となってしまい、やはり簡単な問題になっています。
あえて易しい問題とすることで、そこに入学者へのメッセージを込めたのでしょう。

これも、知らないはずのことに関する実験結果から考察をさせる、開成らしい出題でした。乾電池で教わってきた今までの常識を基に、いかに上手に対比して共通点・相違点を見つけられるかが問われる形式です。設問の作り方を工夫し、考えさえすれば解答にたどりつける仕掛けがしてありますので、それほど難しいわけではありません。
もしかすると、後半の光電池を用いた問題が、乾電池とは大きく異なる性質であるため不安になるかもしれません。落ち着いて与えられたデータを読み、自分を信じて答えを書いてください。

問1

最初に問題文を読んだ時には、少し難しく感じると思いますが、落ち着いて問題を読めば簡単ですから、確実に得点したい問題です。
まず、デジタル電流計をつないである位置から考えて、コンデンサー1つに流れる電流に関する内容でないことは明白ですから、実質2択の問題だと言えます。また、「どのつなぎ方でもほとんど同じ」である理由を問う問題ですから、「変わらない」という結論であることも容易に想像できるのです。

問2

与えられたデータを読み取ればすぐに分かることですから、それほど難しくはありません。さらに、一般的な豆電球の回路が分かっていれば、その知識が利用できる関係になっていますので、理解も早いでしょう。

問3

文脈から考えれば、関係を表す言葉であることは明白ですから、おおよそ「比例」か「反比例」かのいずれかであると見当がつくでしょう。あとは、文章を丁寧に読んで、何と何の関係を聞かれているのかを整理すれば、自ずと答えは見えてきます。1つ目の「空欄4」の方が関係は分かりやすいですから、ここで答えを見つけましょう。2ヶ所目の「空欄4」に同じ言葉を入れることで、新たな知識を得ることができる仕掛けなのですが……残念ながら、その知識を使う機会がないまま、問題はⅡの光電池に移っていきます。

問4

あくまで、乾電池をつなぐ場合の常識を問う問題ですから、難なく答えられるはずです。電池のつなぎ方という時点で、「直列」か「並列」の二択になっていますし、豆電球を明るく光らせる方法ですから、開成受験者のレベルであれば迷う要素はないでしょう。

問5

私たちがよく知っている乾電池の場合とは、まるで違う結果になりますので、少し心配になるかもしれません。しかし、与えられたデータを見ながら忠実に答えるだけですから、それほど難しい問題ではありません。きちんと正解を取っておきたい問題です。

問6

しっかりと与えられたデータを分析できたかどうかが問われる問題です。私たちが知っている乾電池の知識にとらわれず、データと矛盾しない説明を考えます。
光電池を直列につないでも、豆電球に流れる電流は変化しませんでしたが、並列に2つつないだときにはほぼ2倍の電流になっています。また、豆電球を直列に2つつないでも、流れる電流量は変化していません。このことから、抵抗の大きさに関係なく、光電池1個に流れる電流がほぼ同じであることが分かります。

合否を分けた一題

全体的に易しい問題ばかりで、極端に難しい問題はありませんでしたので、今年の入試問題に関しては、「ミスの少ない人が有利」という傾向も少なからずありました。
大問は、物理・化学・生物・地学の4分野から1題ずつ計4題、小問は29題でした。解答形式は、記述2題、作図が1題、語句3題の他はすべて記号選択で、今年は計算問題がありませんでした。
70点満点で小問が29題ということは、1題あたり2~3点。そして、合格者平均と受験者平均との差が4.5点ですから、文字通り「一題」が合否を分けたと言えそうです。

さて、焦らずしっかりと考えなければ間違えてしまう問題は何問かありましたが、その中でも、大問3の問2を、「合否を分けた一題」として取り上げます。

【問題】大問[3]
A~Dの値を計算して、関係(それも、「等しい」ではなく、「とても大きい」という大小関係)を表す文章を完成させなければならず、あまり慣れた出題形式ではありません。しかも、4つの値が2つずつに分かれるかどうかは分からないとなると、様々な可能性が浮かんでしまうかもしれません。
しかし、様々な可能性があるのは計算上だけのことであって、A~Dの文章をしっかり読めば、ある程度組み合わせの見当がつくように、この問題はできています。

まず、Bの「1回の脈はくで心臓から送り出される血液の重さ」は、Dの「一日におこなわれる心臓の脈はくの回数」と掛け合わせて、「1日に心臓から送り出される血液の重さの合計」をつくることが容易に分かります。
そして、その総重量がとても大きいことも予想できるでしょう。

また、Aの「一日に食べる食べ物や飲み物の重さ」から、Cの「一日に体外に捨てられる『ふん』や『にょう』の重さ」を引けば、「一日で体に取り入れられた物資の重さの合計」が求められることも想像がつきます。

これらの比較により、「どれだけ食べて体の中に物質を取り入れたとしても、大量の血液が消えてしまっているとしたら到底補充が追いつかない」と言えるので、血液が消えてしまっているわけではないということが示せるのです。

つまり、「(A-C)よりも(B×D)がとても大きい。」が正解です。

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