今年の入試は、合格者平均点が例年に比べて極端に低く、話題となった。
その2011年度入試で、合否を分けた問題として1題を挙げるとすれば、2の問四である。
1の問三でもそうだが、開成中学では珍しい情景描写の意味を問う問題が出題され、受験生は驚いたと思う。合格者平均点が下がった要因でもあろう。
ただこの問題は、実はさほど難しくはない。
なぜなら、問題となっている個所の後に、その解答の手掛かりが書かれているからである。それを踏まえ、よく目にする草の花=世間の人々とイメージを重ねていることに気づけば、意外と簡単に解ける。
この俳句は、世間の人々が「頑張る」と言い出した状況を「草の花」が持つイメージを利用して表現していることを読み取ることが解答のポイントとなる。
これは1の問三にも言える。
だから、意外と高得点を取った生徒もいたのではないだろうか。
ただ情景描写のイメージを問うような問題であっても、あくまでも文章中に書かれている内容から考えさせるという点では、開成中学らしい問題といえるだろう。