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理科の合否を分けた一題

開成中入試対策・理科の合否を分けた一題(2013年度)

平成25年度(2013)

 てこのつり合いとばねの複合問題
 月と金星(金星食)
 ガスバーナーの燃焼と実験器具の取り扱い方
 インゲンマメの種子の発芽

総評

開成中学の理科の入試の過去5年間の合格者平均と受験者平均の推移は以下の通りです。

2009 2010 2011 2012 2013
合格者平均 57.3 57.6 60.2 60.7 55.1
受験者平均 53.6 53.4 54.7 54.3 49.1

(理科の満点は70点)

この表から分かるように、本年度の開成中学の理科は過去5年間の中では一番難しかったといえますが、それでも合格者平均で8割近く、受験者平均でも7割と高得点が出ています。本年も開成中学の理科では難問・奇問の類の出題はなく、やはり、標準的な問題を冷静にかつ確実に正解に結び付けられたかが勝負の分かれ目であったといえます。
は、「てことばね」の基本的な計算問題でした。注意すべき点は、問3と問5で回答欄のグラフに「ばねと伸び」の関係を記入させる問題が出たことですが、問題自体は標準的なレベルでした。
は、天体の分野からの出題で、金星と月の動きに関する問題でした。前半は簡単でしたが、おそらく、問4、問5、問6のあたりで点数に差がついたのではと考えられます。ここでは、正確な知識とそれに基づいた思考力が問われています。問4については「合否を分けた一題」として後で取り上げます。
では、ガスバーナーなどの実験用具の取り扱い方に関する出題でした。実験器具の使い方は参考書などで単に文字で覚えるのではなく、学校などの理科実験に積極的に参加してそこで体験したことや学習したことをノートにまとめるような日頃からの地道な学習をして行きましょう。
は、イネの種子の発芽に関する比較実験の問題。注目すべき点は、問5で作図問題が出題されたことです。今後も、作図問題が出題されることが予想されますので、作図対策もしっかりしておきましょう。

難易度

A:易しい B:標準 C:難しい


問1 A
問2 A
問3 A
問4 A
問5 A
問6 B


問1 A
問2 A
問3 A
問4 B
問5 A
問6 B


問1 A
問2 A
問3 A
問4 A
問5 A
問6 B


問1 A
問2 A
問3 A
問4 B
問5 B

問題

昨年8月14日、日本で金星が月にかくれる現象が見られました。月と夜空に見える他の星との位置関係は毎日変わって見えます。一方、金星は1日程度では夜空に見える他の星との位置関係がほとんど変わりません。そのために月が金星の手前を横切って見えたわけです。
金星が月にかくれている時間は最大でどのくらいですか。次のア~オの中から1つ選び、記号で答えなさい。ただし、下の図1のように月の直径は角度で表すと約0.5度にあたり、金星が月の直径に沿って動く場合にかくれる時間が最大になります。
問4より)

ア 2分くらい
イ 15分くらい
ウ 30分くらい
エ 1時間くらい
オ 2時間くらい

2013_gouhi_rika_

解説

昨年は金冠日食、金星の太陽面通過などめずらしい天体現象の当たり年でした。開成中学でも月と金星のおりなす「金星食」の問題が出題されました。

星は1時間に15度動くから、0.5度動くなら2分、としてはいけません。
星が1時間に15度動いて見えるのは地球の自転のためです。他方、月が動いているのは月の公転です。地球の自転のためではないのです。本問題は月の公転速度に関する問題です。

まず、月の公転速度を求めます。
月は約27日で地球の周りを一回転するので、1時間当たり0.56度回転します。

360÷27÷24=0.56度

月の直径は約0.5度ですから、金星が月にかくれている時間は最大で約1時間となります。

0.5÷0.56=約1時間

よって、エが正解です。

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