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理科の合否を分けた一題

開成中入試対策・理科の合否を分けた一題(2018年度)

難易度分類

1 問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 A  問7 B
2 問1 A  問2 A  問3 A  問4 A  問5 A  問6 A  問7 B
3 問1 A  問2 A  問3 A  問4 B  問5 A  問6 A
4 問1 A  問2 A  問3 A  問4 B

A…開成合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えればよしとする問題

出題総評

2018年度の開成は例年通り、開成志願者にとっては、易しい問題でした。昨年度と比べ、平均点が3.3点下がったものの、合格者平均(58.2点)と全体平均(53.5点)の差は4.7点と昨年同様小さく、理科では合否が決まらない印象は相変わらずです。

物理分野の問題は、てこのつり合いについての問題。
生物分野の問題は、昆虫の種類と生態についての問題。
化学分野の問題は、物のとけ方についての問題。
地学分野の問題は、太陽系の天体の問題。

今年も、開成では出題頻度が高い、天体とてこが出題されました。
基本的な知識と、実験や観察を通して考える問題、やや工夫は必要だがさほど煩雑ではない計算問題が中心です。
対策としては、基礎知識をしっかり身につけるとともに、普段から生活に関連したことがらを、理科的な視点で考える姿勢をもつことが大切です。

問題構成は、4分野から大問4題、小問28問。
解答形式は、言語が4問、記号選択が13問、数字が11問。昨年あった、作図・記述はありませんでした。
言語は、理科としての知識を問うものよりも、数値処理に関するものが中心でした。
選択肢は、基本的な知識が中心で、考えさせる問題であっても、どう考えても選べないというほどのことはありませんでした。
計算は、どちらかというと、場合の数や自乗の計算など、算数的な技術が求められるものの、決して難易度は高くありません。
70点満点を小問数で割ると、1問当たり平均2.5点です。このことから、1問のミスが大きく響くことがわかります。基本的で平易な問題であっても、気を抜くことなく、確実に処理することが、最も大切となります。

問題別寸評

(物理)てこのつり合いについての問題です。
不安になるほど平易な問題です。大変きめの細かい誘導があり、迷うことなく解き進めることができます。問6・7は、算数の「場合の数」に準じた処理になります。

問1

右のうでにおもりAを下げる位置までの目盛りの数を□とすると、てこを回すはたらきのつり合いの式から、20×2=10×□ □=4

問2

右の目盛り1に下げるおもりの重さを□gとすると、20×2=□×1 □=40

問3

左回りのはたらきが20×2=40で一定なので、右回りのはたらき=「支点から右のおもりまでの距離」×「右のおもり全部の重さ」=40 となります。

問4

「支点から左右のおもりまでの距離の比」と「片側のおもり全部の重さと、もう片側のおもり全部の重さの比」は、逆比の関係です。

問5

問4より、10:「B1個の重さ」=「B1個の重さ」:40
「B1個の重さ」×「B1個の重さ」=400 より、「B1個の重さ」=20(g)とわかります。

問6

右のうでにAを下げる位置の目盛りを□と△とすると、
右回りのはたらきの合計=10×□+10×△=40 より、□+△=4 の関係がわかります。
□と△は整数なので、1と3の組み合わせがあてはまります。

問7

おもりを1か所に下げる場合:目盛り1に4個、目盛り2に2個、目盛り4に1個
おもりを2か所に下げる場合:目盛り1に2個と目盛り2に1個、目盛り1に1個と目盛り3に1個
以上、5通り。

(生物)昆虫に関する問題です。
問題文が長く、昆虫のからだのしくみと成長のしかた、「食う・食われるの関係」・「寄生」・「冬越し」など多岐にわたる内容です。問題を並行して処理しながら、読み取るべきポイントを見逃さないようにしましょう。

問1

身体の色がまわりのようすと同じで、見分けがつきにくくなっているときの色を、保護色といいます。生物の擬態や保護色には、身を守る目的のほかに、肉食生物の場合は獲物を捕まえるときに有利になることが考えられます。ハリガネムシについての記述は下線Aより少し下まで読み進んで確認しましょう。

問2

昆虫の腹部にはあしはありません。

問3

基本の知識です。不完全変態のものを選びます。ミスのないように注意しましょう。

問4

穴埋め問題です。卵やさなぎは休眠状態ですから、えさを食べなくてよいことに気づけば解答できます。

問5

成虫で冬越しし、落ち葉や石の下などに隠れている昆虫を選びます。

問6

ナミテントウのえさは、アブラムシです。

問7

消去法で考えます。ア・ウ・エは明らかに間違っているとわかるので、選びやすかったはずです。春になってアブラムシが新芽や花に集まるようになると、ナミテントウがどんどん捕食します。

(化学)物のとけ方に関する問題。
硝酸カリウムと二酸化炭素をとりあげています。
基本の知識と標準的な計算問題が中心です。ミスのないように、きっちり処理しましょう。

問1

実験1の結果を見るまでもなく、「水の量」と「とける量」は比例します。

問2

イ:20℃の水500gにとける量は、31.6×500/100=158(g)です。
エ:40℃の水100gには、63.9gの硝酸カリウムがとけます。

問3

水100gに硝酸カリウムを109gとかすと、全体が209gになります。水溶液全体を100としたとき、硝酸カリウムの割合は、109×100/209≒52(%)

問4

80℃では、水100gに硝酸カリウムが169gとけて、全体が269gになります。80℃と20℃との溶解度の差は、169-31.6=137.4(g)なので、80℃の飽和水溶液200gを20℃に冷やしたときに出てくる固体の量は、137.4×200/269≒102(g)です。

問5

二酸化炭素についての基本の知識です。確実に得点しましょう。

問6

二酸化炭素は、水にある程度とけ、水溶液である炭酸水は酸性を示します。これも、ごくごく基本の知識です。

(地学)太陽系の天体に関する問題。
日数の計算し、その日の太陽や月の見え方を考える問題と、曜日の決め方に関する問題です。
問題文にしたがって計算をすれば、迷うことなく解答できる問題ばかりです。

問1

太陽は、1日に360°動いて見えるので、0.5°あたり、24×60×0.5/360=2(分)です。

問2

1月2日から3月21日までの日数は、28+28+21=77(日)です。満月から次の満月まで29.5日なので、77=29.5+29.5+18より、満月から18日目の月、つまり、三日月前後ということがわかります。

問3

夏半年(3/21~9/22)は186日間、冬半年(9/23~3/20)は179日間です。

問4

→合否を分けた一題参照。

合否を分けた一題

最後の問題にして、説明文が長文です。「地球が宇宙の中心と考えられていたころ」につくられた曜日の決め方を、現在の正しい並び方を使って、曜日の配列を考え直す問題です。当時の考え方はそのままで、現在の天体の並びに当てはめて考えます。集中力を維持しながら落ち着いて取り組み、ミスせず解答できたかどうかで、合否が分かれたのではないでしょうか。

問4 (2)

(1)表1から、地球と水星の距離は0.61(1-0.39)、地球と火星の距離は0.5(1.5-1.0)です。火星の方が地球に近いことがわかります。

(2)問題文と図4から、ある曜日の次の日は、遠い順に3つ進んだ天体とわかります。地球から遠い順に天体を並べると、土星・木星・太陽・水星・火星・金星・月の順なので、日曜(太陽)から3つ目の「金」があてはまります。

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