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算数の合否を分けた一題

開成中入試対策・算数の合否を分けた一題(2016年度)

難易度分類

(1)①B ②B (2)B
(1)A (2)B (3)B
(1)A (2)A (3)C
(1)(ⅰ)A (ⅱ)A (ⅲ)B (2)C

A…開成中学合格を目指すなら、確実に得点したい問題
B…知識、解法次第で、得点に大きく差がつく問題
C…難易度、処理量から判断して、部分点を拾えれば良しとする問題

平成28年度 問題別寸評

(1)

①②ともに、題意の確認問題です。
下り坂で加速する条件、3辺の長さの比が3:4:5や5:12:13となる直角三角形な ど、利用すべき条件が記されており、下り坂での仕組みを理解できれば、開成中学の受験生にとってはさほど難しくはない問題です。

しかし、いきなりの長文に驚いてしまい、下り坂での仕組みが理解できなかった、あるいは、「時間=きょり÷速さ」という基本概念が正確に理解できていなかった受験生は、方針が立たなかったでしょう。

(2)

(1)で求めた、二人の「事前にB君が想定していた時間」と「実際にかかった時間」の比と、いずれもかかった時間の差が15分であることを利用します。(1)が解けた受験生であれば、難しい問題ではありません。

ただし、当然のことながら(1)が解けていないと(2)は解けません。よって、大問1で大きな得点差がついたと思われます。

また、「実際にかかった時間」を問われているが、「事前にB君が想定していた時間」を答えてしまった受験生が、意外に多かったのでないかと思います。このようなケアレスミスは合否を分けるミスになりますので、慎重に取り組みましょう。

(1)

基本的な仕事算です。

(2)

賃金の合計金額を一番少なくするためには、AとBになるべく多く頼むと良いことに気付けるでしょう。まずAとBに210日頼み、残りをCに頼むとよいわけです。

(3)

完了するまでの日数を最短にしたいのですが、賃金の合計金額の上限が定められています。その中で、Cに何日頼むかがポイントとなります。

このCに頼む日数を当てはめで考え、答えに確信が持てず、確定するまでに時間を掛けてしまった受験生が多かったと思います。

(1)

題意の確認です。操作1、操作2、操作3を行うと、それぞれどの頂点に移動するか、ていねいに調べましょう。

(2)

(1)とは逆に、④から一つ戻る頂点を探します。ていねいに調べましょう。

(3)

(1)(2)が誘導となっています。
(1)で2回まで、(2)で④への移動を5回目と考えると、(①②③④)と(①③)を2回の操作でつなぐ方法を考えることになります。

ていねいな調べ上げが必要ではありますが、開成中学の受験生にとっては取り組みやすい調べ上げであったと思います。完答は難しいでしょうが、なるべく多くの正解を記述しておきたい問題です。

(1)

(ⅰ)図形の対称性に注目すると、角EGF=45°と分かります。基本的な問題です。

(ⅱ)三角形EFGと三角形BEGは合同ですので、三角形ABEは三角形EFGの2倍と分かるでしょう。これも基本的な問題です。

(ⅲ)直線EGと直線FAは平行ですので、三角形AEFと三角形AFGの面積は等しいことがわかります。等積変形の典型的な問題ですが、そこに気付いたかどうかが大きな分かれ目だったでしょう。

(2)

全体を16等分すると、その1つ分が三角形AEFと等積であることがわかります。
開成中学の受験生であれば、誘導を理解し正解できる問題です。

合否を分けた一題

2016年度の開成中学の入学試験問題は、大問4題構成で、小問集合と立体図形は出題されませんでした。
開成中学の算数は年度によって難易度にばらつきがあるという特徴があります。
今年度は難問が出題されず、じっくり取り組むことができれば解けない問題は無いと感じましたが、合格者平均点が53.7点(63.5%)、受験者平均点が39.7点(46.7%)と過去5年間で一番低い結果となりました。

すべての大問に開成中学らしい、しっかりとした誘導が施されており、大問1は速さ、大問2は割合、大問3は場合の数、大問4は図形の対称性でした。いずれも過去に数多く出題された分野ですので、過去問演習など準備をした受験生にとっては、成果を発揮しやすかったと思われます。

その一方で、大問1をはじめ問題文の情報量や正解までの処理量が多く、60分という限られた時間の中で、いかに多く得点するかという入学試験の本質を再認識させられる問題構成でした。
例えば、緊張している開始直後に、大問1の長い問題文が正確に読み取れるか。それよりは大問3の方が取り組みやすく、得点も伸びたはずです。

私は開成中学の受験生を指導する際、まずすべての問題を見て、解きやすそうな問題から始めましょう。そして、大問の前半部分を40分以内で解き終え、残り時間で大問の後半部分の中から得点できそうなものを解きましょう。ということを確認しています。

今年度の問題は、全体を見渡した上で、どの順番で解き進めると、制限時間内により多く得点できるか、この戦略が重要であったと思われます。

その中で、合否を分けた一題として、大問2を取り上げます。

kaisei

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