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2013 入試問題 一問一答解説【国語】

問一

解答

(第二段落)一・二年生  (第三段落)今、目の前

解説

 段落分けの問題ですが、この場合、「物語文の場面分け」ととらえられます。場面分けの基本は「時間・場所の変化」です。
 冒頭からしばらく続く「現在」(読み聞かせ会)の場面から、「過去の回想」(さっちゃんの思い出)に移り、そして、再び「現在」(読み聞かせ会)の場面にもどる、という展開ははっきりと確認できるはずです。

問二

解答例

『会う』という言葉には相手を認めて積極的に関わる姿勢が感じられるが、『見かける』という言葉には無関心に一方がただ相手に気づいただけという意味が感じられる。

解説

 言葉の意味を説明する問題ですが、文意をはなれて辞書的に答えるものではありません。人物の関係や心情を意識して解答する必要があります。
 傍線部①直後の文に「わたしから声をかけることはなかった。」とあります。この理由を心情として確認します。傍線部①を含む段落の最初の文に「さっちゃんとは別に仲良しでもなんでもなかった。」とあります。これが「見かける」という言葉の意味につながります。
 ただし、「仲良しでない」という言葉を使うのは適切ではありません。「会う」のは「仲良しの人」とは限らないからです。「見かける」と「会う」とが対比になるように説明するとなると、「関心がない」という説明が適切となるでしょう。

問三

解答例

いつもきたない感じで嫌われているさっちゃんと自分が仲良しだと思われたら、こんどは自分も周りの子たちからさけられてしまうのではないかと不安になったから。

解説

 心情理由に関する問題です。
 まず、設問で「嫌だった」と説明されている心情が向けられている「さっちゃん」に対して、主人公がどのように思っていたのかを確認します。傍線部②から35行前に「女の子の中で、さっちゃんと仲良しの子はいなかったと思う。わたしも、仲良くしたい、とは思わなかった。」とあります。
 ではなぜそう思っていたのか。手前の段落全体がそれを説明しています。一言で言うと「きたない」。「きたないさっちゃんとは仲良くしたくない」という意味が確認できます。
 最後に、傍線部の行動の理由です。「なぜ『避けることにした』のか」?
 このような場合、「もし、○○でなかったら、どうマズイのか?」としてみると、説明しやすくなります。「もし、避けなかったら、どうなってしまうのか?」。 「みんなに嫌われている子と仲良くしていると思われることで、自分が避けられてしまう」というマイナスの予想(不安)が浮かび上がってきます。

問四

解答例

ふだんみんなから嫌われているひとりぼっちのさっちゃんが両親といっしょに幸せそうにしている様子を見て、感動したから。

解説

 行動理由を心情で説明する問題です。
「ずっと目で追いかけていた」とあります。何を見ていたのかといえば、直前の「さっちゃんよりも、お父さんとお母さんの方が、嬉しそうだった。」という様子です。プラスの感情であることが確認できます。
 あとは、「今までどうであったのか(背景)」を確認します。問三でふれた「みんなから嫌われている」という意味を付け加えましょう。

問五

解答例

手がかかる友だちに対して「大きらい」だと言いつつも、心配でたまらずにいろいろと助けている「ぼく」の優しさが感じられる点。

解説

 言葉とは裏腹な心情を理解する問題です。
 傍線部直後に「『ぼく』は、『はせがわくんきらいや』と言いながらも…野球に連れて行く」とあります。なぜ「きらい」と言うのか? その理由はこの後で詳しく説明されています。一言で言えば「手がかかる」のです。そんな「はせがわくん」に対して「ぼく」は声をかけます。「心配である」という心情が確認できるでしょう。また、「鉄棒から…落ちると…駆けつける…おぶって歩く」とあります。はせがわくんを「助ける優しさ」も確認できます。

問六

解答例

自分の読み聞かせが一番人気だったことよりも、本に描かれていた「言葉には表れない本当の優しさ」が一年生たちにも伝わったということをとてもうれしく思っている。

解説

 傍線部直後からしばらく続く一年生の感想に対して、「悲しくておもしろい、って、ホントだね。」とあります。これは「本に対する自分の感動が読み聞かせた相手にも伝わった」ことを表しています。あとは、「本のどのようなところに感動したのか」を問五の解答から導きます。さらに、傍線部に「別の感動」とありますから、「はじめの感動」を傍線部手前から説明するとよいでしょう。




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